あなたはどこに洗濯物を干しますか?
家中いろんなところに洗濯物が干されていますが、今回の記事では、建築士である私が今まで訪問した数百件のお家で洗濯物を干してあった場所を、勝手にランキングとしてまとめてみました。
ランキングと同時に、その場所のメリット・デメリットとおすすめな物干し器具も解説します。
これ ↓ は一家に一つ必須なアイテムです。
洗濯物干し場ランキング 5位
5位は「庭」です。
サザエさんのアニメでも、庭に洗濯物を干していますよね。
一昔前の昭和の時代では、ここが一位だったのでは無いでしょうか?しかし最近では夫婦共働きの家庭が多い事も、庭に洗濯物を干す人が減った理由の一つかもしれません。しかし、他にも盗難リスクや雨によるリスクを考慮し庭に干す方が減っているように思います。
また都市部などでは、そもそも庭がない物件が多いことも、ここに干されることが減った原因でしょうね。
この場所のメリット
- 思いっきり太陽光にあてて洗濯物を干すことが出来る
- 比較的ひろい洗濯干場が確保できる
- 家の中で洗濯物が邪魔にならない
この場所のデメリット
- 外部からの見た目に「生活感」が出てしまう
- リビング前や客間の前など、南面に面した居室の室内からの見た目が気になる
- 敏感な方は、花粉などの付着が気になる
- 洗濯物に付着する外部の匂い(工業地域や幹線道路沿いなど)が気になる
- 盗難などの心配がある
- 鳥や虫などの糞攻撃に合うことがある
庭に干す場合は、十分なスペースが取れるかどうかが重要です。あまり建物の外壁やフェンスなどに近い場所に洗濯物を干すと、風で揺れたときにペタっと触れてしまうかもしれません。
また、洗濯干し場の真上に電線がないか確認しましょう。鳥の糞攻撃にあってしまうかもしれません。あるいは木の近くや真下であると、木の実などが落ちてきて、洗濯物に思わぬシミがついてしまうこともあるかもしれません。
あと物干し竿はステンレス製のものをおすすめします。竿が錆びてしまっては、洗濯物に厄介な錆汁が付着しますよ。
洗濯物干し場ランキング 4位
4位は「ベランダ(バルコニー)」です。
ちょっと前まではここが1位か2位でした。しかし最近は確実にベランダに洗濯物を干す方は減ってきています。皆さん布団はベランダに干してますけどね。
でも私的にはベストな位置かと思うんですけどね?だってベランダに屋根をかけておけば、ちょっとくらいの雨でも濡れないし、庭では盗難等のリスクがあるでしょうがさすがに2階以上にあるベランダではその盗難リスクも少ないはずです。また1階にあるリビングなどの主な生活空間と分断できますから、生活感をなくすこともできます。
でも女性は、そんな2階という場所でも気になるのかもしれませんね。また、重たい洗濯物を毎日2階のベランダまで運ぶ動作は、やはり辛いものがあるでしょう。
こういう理由で、ベランダに洗濯物を干す方が減っているのかもしれません。
この場所のメリット
- 自然の風にあてながら洗濯物を干すことが出来る
- 湿気がある洗濯物を外部にだせば、室内のことを気にしなくてもいい
- 居室に生活感を出さなくていい
この場所のデメリット
- 洗濯機が一階にある間取りでは、二階まで重い洗濯物をもっていくのは大変
- ベランダと言えども外部からの見た目に「生活感」が出てしまう
- 敏感な方は花粉などの付着が気になる
- 洗濯物に付着する外部の匂い(工業地域や幹線道路沿いなど)が気になる
- 2階と言っても盗難などの心配がある
- 子ども部屋に面したベランダでは、いちいち子供に気を使わなくてはならない
ベランダに洗濯物を干す場合は、2階のホールから直接ベランダに出れる間取りにしてみたり、屋根をベランダまでかけるといった工夫をおすすめします。また干し終わった洗濯物を畳むスペース(部屋)がベランダに面した位置にあるのかということも重要です。いちいち奥の部屋まで洗濯物を運んで畳むのは面倒だし、ベッドの上で洗濯物を畳む事は避けたいものです(実際、多いでしょうけど)
ベランダに屋根がかかっていて、ベランダの天井部分に物干しを取り付ける場合におすすめな器具は、川口技研の「ホスクリーンZAシリーズ」です。似たような品番でホスクリーンZシリーズがありますが、Zシリーズは傾斜天井取り付け用です(水平天井でも取り付けれますが)。また大きな違いがこの2種類にはあります。ZAシリーズでは高さ(長さ)を工具を使わなくても調整できますが、Zシリーズではプラスドライバーが必要です。
洗濯物干し場ランキング 3位
3位は「リビングや寝室などの居室」です。
これは意外な方も多いのではないでしょうか?今まで私が訪問(点検などで)させていただいたお家で、結構リビングに洗濯物が干されている事は多かったです。シンプルに室内に干すというだけの方もいますが、洗濯物の近くに除湿機などを置いて干している方も多いですね。
こういったリビングに洗濯物を干しているご家庭に、私が家の点検でお邪魔すると
と言われ、洗濯物が干された室内に案内されることも多々あります。そう言ってそそくさと洗濯物をしまってくれる方や、あるいはそもそも私訪問前にしまっておいてくれる方ならまだいいのですが、洗濯物が干された部屋でそのまま点検っていうのは、その家のお客様としてはちょっと気がひけるものです(特に下着などが干されていると・・・)
この場所のメリット
- 生活空間に干し場がありますから、洗濯という行為の動線が短く出来る
- 雨に濡れることは絶対にない
- 外部の匂いや花粉などを全く気にしなくていい
この場所のデメリット
- 生活感丸出し
- リビングなどでは急な来客に対応できない
- 洗濯物の湿気が気になる
リビングなどの居室に洗濯物を干す場合は、干す道具が重要です。濡れた洗濯物はかなりの重量です。適当な物干しでは室内の壁や天井が傷ついてしまうことがあります。
天井に取り付ける物干しの場合は、天井の下地を狙って物干しを取り付ける必要があります。ご自分で取り付ける場合は、下地の位置がわかる事と取り付けに必要な最低限の道具があれば以外に簡単に取り付けることができます。しかし、心配な方はプロに任せたほうが無難ですし、工具のいらない室内干し用のキットを取り付けることをおすすめします。
取り付けに工具のいらない物干しはコレです。
変わり種の物干し器具はこちらです。
洗濯物干し場ランキング 2位
2位は「洗濯干場専用スペース」です
洗濯干場専用スペースといっても、様々な場所があります。そもそも新築時の間取りにランドリースペースを配置する場合も多く、建物に付随するサンルームを後付してそこに洗濯物を干すこともあるでしょう。
様々な理由でこの「洗濯干し専用場所を設置する」方が最近とても多いです。
この場所のメリット
- 何にも邪魔されない、洗濯を干すという行為に集中できる
- 雨濡れない、外部の匂いや花粉などを気にしなくてもいい
- 洗濯物がない時は、別の用途で使う部屋として活用できる
- サンルームでは、自然と洗濯物が乾きやすい環境に出来る
この場所のデメリット
- 専用場所を作るコストをどう考えるか?
- 南面に設置する場合、リビングなどの採光や通風に影響がでる
- 洗濯物干場以外の用途が無い方にはもったいないかも?
間取りに専用スペースを組み込めるかどうかは、建築士に相談したほうがいいでしょう。サンルームなどを後付けする場合は、庭などに障害物がないかどうか確認しておきましょう。敷地内を通る下水管や水道管、エアコンの室外機など思わぬ障害物があるものです。
また後付けサンルームを考える方には、三協アルミの「ハピーナリラ」をおすすめします。ちょっと金額は高いですが、洗濯物干し場用途以外にも使えるオシャレなガーデンルームです。鋳物ハンガーや天井照明などを取り付けてあなたらしい空間を作ることができます。
三協アルミのホームページはこちら↓
洗濯物干し場ランキング 1位
1位は「脱衣場(洗面所)」です。
最近はこの場所を洗濯物干し場として使っている方がとても多いです。なんと言っても洗濯機が置いてある部屋で干せるのですから、いちいち他の部屋に重い洗濯物を運ばなくていい。また、タオルや下着などをしまうクローゼットやキャビネットを同じ脱衣室内に設置してしまえば、干し終わった洗濯物をしまう動作もその部屋の中で完結します。
この場所のメリット
- 間取りと物によっては、洗濯干し・洗濯物をしまうという行動が最短の距離で完結出来る
- 生活エリアに洗濯物を出さなくていい(運ばなくていい)
- 雨に濡れない、外部の匂いや花粉を気にしなくていい
この場所のデメリット
- 家族人数によっては通常の脱衣場の広さでは狭い
- 洗面脱衣室では、洗面台との同時使用に支障が出る場合がある
- 広さや間取りを工夫する必要がある
あまり広くない洗面脱衣室を洗濯干場として使う場合は、その広さと形状(クローゼットなどが隣接しているとなおいい)に注意が必要です。また洗濯物を畳むスペースがあるとさらに便利ですね。
おすすめの物干し器具は、川口技研の「ホスクリーンSPC」です。使わないときはさっと取り外せるし、デザインもシンプルで好感がもてます。また、天井の下地にビス2本で簡単に取り付けることができます。下地の位置を「下地探し道具」で確認し、インパクトドライバーを使用してビスで取り付ければ、ものの5分で取り付け完了です。
番外編
番外編は「ユニットバス」です
番外編とした理由は、洗濯物干し場として使っている方が多いようで、かなり少なかったからです。
だって新築住宅の打ち合わせ時に「お風呂に洗濯物干したいから浴室換気乾燥暖房機をつけてください!」って言われることは、ほとんどあるから、当然洗濯物干し場として利用されていると思っていたら、実際はほとんど利用されていなかったからです。その「つけてください」と言われる割合は9割くらいあるのではないでしょうか?
この記事をまとめる際に、洗濯物干し場としてユニットバスを利用していない理由をお客様に聞いてみたところ、このような回答がありました。
- あまり乾かない(100Vタイプの機種を取り付けたお客様に多い)
- そもそも湿っている浴室に更に湿った洗濯物を干すということに抵抗がある
- 生活パターンが合わなかった(洗濯干そうとしたら、パパがシャワー浴びたいとか)
う~ん・・・なるほどと思いましたが、洗濯物干し場としては使わなくなったけど、暖房器具として使用している方は多かったです。
といっても100Vタイプの浴室換気乾燥暖房機でもまったく乾かないわけではないようです。「期待していたほどは乾かない」といった感じです。ユニットバスを本格的に洗濯物干し場として使いたい方は200Vタイプの浴室換気乾燥暖房機をおすすめします。
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