木材価格の高騰は当面解消されない。その理由と今後のマイホーム計画を解説します

日本の、いや世界の木材不足が深刻となっています。

需要に対して供給が追いついていない状況であり、その旺盛な需要に見合うように価格が高騰するのは当然のことです。

ましてや定価なんて存在しない原木から作られる木材製品。その価格が20%以上を占める木造住宅においては計り知れない影響があります。

2021年に起こっている「ウッドショック問題」

過去にも同様に木材価格が上昇し、次第に落ち着いた問題が過去には2回ほどありました。このことから今回は「第三次ウッドショック」と言われています。

しかし、今回のウッドショック問題はそう簡単には落ち着かないことが、6月が近づくとわかってきました。当面は木材価格の高騰は続くのは、木材の先物価格や問題の根本原因を考えればあきらかです。

今現在は大部分の住宅会社が木材高騰分の費用を自社負担しているかもしれませんが、これも徐々に住宅価格に転嫁されるでしょう。

夢のマイホームを計画している方には大変申し訳ないですが、一部の住宅会社(工務店)を除き、今までの坪単価で住宅が購入できなくなるのは目に見えているのです。

なら、マイホーム購入を計画している方はどうすればいいのか?

私は「ただの地方の住宅建築士」です。しかし、ただ指をくわえて高い木材価格を購入してくれるお客様を待っているだけでは本業が成り立ちません。

そんな私が、木材価格の高騰が当面続く理由と、2021年下半期以降にマイホーム購入を計画している方へのアドバイスを執筆します。

目次

モノの価格はプライスリーダーに左右される

なんでもそうですが、モノの価格というのはその商品を数多く流通させているリーダーの動向に左右されます。

世界の「木材プライスリーダー」はアメリカです。

少し古いデーターですが、下記の表を御覧ください。

アメリカの消費量がずば抜けて高いことがわかります。同時に生産量も桁違いに多い。

木材需要が旺盛なアメリカでは、旺盛な需要の影響で一年前にくらべ6倍にまで木材価格が高騰しています。そんなアメリカに比べ、日本はどうなのかと見ると、消費量はそれなりに多いけど、生産量がものすごく少ないのがわかります。

そのものすごく少ない日本の木材の自給率は約30%でしかない。

これらの理由により、ほとんどの木材を海外に依存している日本が、アメリカの木材価格に左右されてしまうのは仕方のないことなのです。

木材の価格はこう決まる

木材の商社などは1年を4分割し、3ヶ月毎に木材の取引をするのが慣例となっています。また海外で取引された木材は、船で運んで日本に入荷されます。

日本に入荷させるまでにはだいたい2~3ヶ月かかりますから、今日本で流通している木材は2~3ヶ月前に取引された木材ということになります。

逆を言えば、今現在取引されている価格の木材が夏以降の日本の市場に出回るわけですから、その取引価格から将来の国内の木材価格がわかる訳です。

先日の新聞にも「木材がかつてない価格で取引された」という記事が掲載されていました。

つまり、日本に流通する年内の木材価格は下落しないということになります。

木材価格高騰はいつまで続くのか?

プライスリーダーであるアメリカの木材需要が一旦落ち着いたようです。4月のアメリカの住宅着工件数は前月比9.5%減となったわけですが、それでも以前に比べれば高水準。

減少した要因は供給面のボトルネックに直面し、旺盛な需要に対し満足な供給ができていないというのが実情のようです。コロナ渦で、運搬するドライバー不足や工場稼働率の問題など様々な要因もあるようです。

木材というのは伐採した後に乾燥させる工程が必要です。需要が多いからどんどん伐採し増産できるかっていうと、そういうモノではない。

これは、国産木材の増産に踏み切れない日本も同様であり、国産材が急増しない限り当面は木材価格の高騰は解消されないということになります。

住宅価格に転嫁されるのは時間の問題

5月現在では、高騰した木材価格はまだ住宅価格に転嫁されていません。

しかし、夏以降の住宅価格には確実に転嫁されてきます。

木造住宅の価格に木材(構造材)が占める割合は約10~20%です。

2,000万円の木造住宅だったとすれば、多く見た場合では約20%の400万円がその家の木材価格ということになります。今回のウッドショックで木材価格が20~30%高騰していますから、400万円の30%では120万円もの金額が高騰しているんですね。

一部のYou Tubeやネット記事で「20~30%くらいの高騰分は住宅会社が吸収できないのか?」なんて言われていますが、どこの会社だって100万円前後の金額を自社負担できるほどの余裕があるはずがありません。

5月まではどうなるんだろうか?まだ下がるかもしれないと思って住宅価格に転嫁していなかった住宅会社も、今後のの木材価格の見通しがついた現在、確実に住宅価格に転嫁させるのは至極当然のことです。

マイホーム計画はどうすればいいのか?

以前に比べ20~30%以上高騰した木材価格当面続く
木材価格高騰(もっと高騰する可能性も?)
今後の住宅価格に転嫁されるのは必至

以上の理由から、残念ながら2021年下半期以降にマイホーム購入者も作戦を考える必要があります。

当然ですが、全国各地にある住宅会社はあの手この手で対策を考えているはずですが、どう考えても地方のイチ工務店レベルでどうにかなるような問題ではない。

そうなると、2021年下半期以降にマイホーム購入を計画している一般消費者の方は、多少なりとも対策を考えなければ以前に比べ格段に高い住宅を購入しなければならないということになります。

一般住宅購入者ができる対策は、残念ながら住宅価格が高くなった会社から買わなければいいと言うことになります。

  • ウッドショック以前から国産木材で家を造っている会社に依頼する
  • 木材使用率の低い工法(鉄骨造、RC造)で造る
  • すでに完成している分譲住宅を購入する
  • リフォーム費用のかからない良質な中古住宅を購入する

とは言っても、以前から知っている地元の住宅会社にマイホームを依頼したい方もいっぱいいるはずです。そういう方は下記のポイントをおさえた間取りを考え、価格が高騰した木材を少しでも減らす工夫が有効です。

  • なるべく角の少ない間取り(形)にする
  • 壁直下率の高い間取りにする
  • 躯体で装飾せず(化粧梁など)、部材で装飾する
  • 下屋は造らず、総二階に近い形とする

とは言っても、上記のようなポイントは一般の方には難しいのも事実です。プロに依頼しなければ壁直下率の高い間取りなんてそう簡単には出来上がりませからね。

当面は木材価格の高騰は続きますから、よっぽど早くマイホームをほしい方で無い限り、じっくりマイホーム計画を練るのがいいでしょう。

まずは、住宅会社のカタログを取り寄せ、ある程度の候補をしぼりなるべく無駄な木材を使わなくてもいい間取りをプロとじっくり練っていくのが「吉」となるはずです。

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