家の間取りを決めるポイントとその手順とは?住宅建築士がコツを解説します。

間取りの考え方とコツ

住宅には様々な間取りがあります。人によってその好みは様々。その人にとって満足な間取りでも、違う人にとっては不満のある間取りだったりします。

また、住宅というのは家族で住まうもの。親夫婦から子供まで全てが満足する間取りはかなり難しいものです。私はお客様に「誰であっても100点満点の間取りはありません」とお伝えします。ですが、あなたにとって可能な限り100点に近い間取りを作るために、じっくり打ち合わせしましょう! と。

では、その私の間取りを決める際の考え方と進め方のコツをご紹介します。

目次

ベストな間取りは人によって違って当たり前

お父さんはきっとゆっくり寛げる間取りが欲しいでしょう。お母さんは家事動線がいい間取りが欲しいでしょう。子どもたちは自分の部屋が欲しいでしょう。

つまり、人によって求めるものが違うのです。この家族全員が同じ家の中に住むわけですから可能な限りみんなの要望を取り入れたいものです。ですが、物事には予算と言うものがあります。また敷地からくる制約もあるでしょう。よって全ての要望を入れられないかもしれない。いや、きっと家族全員の要望を聞いていたら収集がつかないはずです。

そんなときは、まず今自分たちが住んでいる家(アパートでも借家でも)の不満点を上げてみてください。

あなたの今の住まいへの不満はなにか?

子どもたちは兄弟で使っている6畳の部屋に不満があるかもしれません。自分ひとりの部屋がきっと欲しいでしょう。そんな元気な子どもたちがいる家庭では、もしかしたら玄関に靴が散らかってませんか?お母さんはいつも散らかった狭い玄関に不満をいだいているかもしれませんね? そうすると玄関クロークなどが不満解決のポイントになるかもしれません。

このように、まずは家族の不満点を上げてみるのです。

家族全員一致で、広~いリビングが欲しい! っていう意見もでてくるでしょう。大きいテレビで家族全員で映画鑑賞したい! 今の狭いリビングではできないお友達を呼んでのホームパーティー! これも素敵ですね。

その家族全員の不満点をみんなで検討してみてください。そして不満点の優先度をつけてみることです。

生活感がある部屋

新しい住まいへの優先度をあなたの家族内で話し合おう!

例えば、高校生の男の子兄弟が自分の部屋を欲しい! って思っても、もしかしたら遠い大学に来年行くかもしれない。高校を卒業して独り立ちするかもしれない。そうするとわずか数年のための子ども部屋の優先度は残念ながら低くなるはずです。

またお父さんが映画鑑賞できるような広いリビングが欲しい! て思っても、ぶっちゃけ小学生の子供さんがいる家庭では、映画なんて鑑賞している時間を、それほど取れないはずです。よって優先度は低い。

しかし、娘さんがほしい広い洗面化粧室はきっと誰しもが便利に思えるはずです。誰だって身だしなみを整えるはずですからね。

さらに昨今のテレワークなどをしなければならないお父さんには書斎が必要かもしれません。大量な洗濯物をさばくために広い家事室が必要なお母さんもいるかもしれません。

妥協できるポイントは?

広いお風呂が欲しいって言う意見も、ショールームで現物を見てみたら一般的な1坪サイズのお風呂で十分なこともあります。

20畳もあるリビングがほしいと思っても、実際に家族の生活をシミュレーションしてみると、あまりリビングにいない家庭だったりします。そうするとせっかくの広いリビングがもったいない。

こども1人の部屋も、きっと8畳もの広さは必要ないはずです。4.5畳~6畳で十分かもしれません。

テレワークするための書斎も寝室と兼用でいいのかもしれません。でも洗濯物を片付けるスペースは寝室のベッドの上やお友達のいるリビングでは「?」ですよね?

これで、あなたの家族にとっての「不満点=新しい家に最低限必要な要素」が出てきたはずです。

家事動線を第一優先に!

動線とは、その家の中で人が移動するルートを線で表したものです。

お母さんがキッチンでお弁当を作りながら洗濯をしに洗面脱衣室にいく動線。これを家事動線といいますが、このような毎日の動作が、ぐるっと遠回りしなければならない動線では間違いなく疲れてしまいます。

しかし、このような家事はどこの家庭でも必ずあるものです。どんなに趣味の空間が立派でも家事動線の方を優先するべきです。

つまり、生活しやすい家にするためには家事動線を第一優先に考えることが大切であり、その他の動線や個人の思いは残念ながら二の次です。

遊びの要素がちょっとあると家の満足度は向上します

がんじがらめの何の余裕もない鉄板な間取りでも十分に満足する方はいるでしょうが、この鉄板な間取りにほんの少しだけでも「遊び」の要素を入れてあげると、ちょっとだけリッチな気分になり満足度は向上します。

ほんの少しでいいんです。ちょっと遊びの要素をプラスしてみてください。

例えば、同じ12畳のリビングでも、勾配天井と平らな天井では受ける印象はがらっと変わります。またその勾配天井のところにロフトなんてあってもいいかもしれません。

ロフトのある部屋

しかし、家族全員の遊び要素を入れてしまうと収集がつかなくなります。

私のおすすめは、家族全員の共通の興味を家族の共有スペースに取り入れてみること。

キャンプとかガーデニングとかを週末に楽しむ家族なら、それをイメージできる空間をリビングの一角に設置してみることです。例えばリビングに面した一角に土間などを設置してみてはいかがでしょうか?キャンプ用品やガーデニング用品を土間に置いてみてもいいですし、土間越しにお気に入りのガーデニングが見えるリビングなら、週末にむけて家族の会話も弾むはずです。

1人の興味ではダメです。それならやらないほうがいい。例えば車好きなお父さんのためにリビングからガレージが見えるガラス張りの壁を作っても、間違いなく家族全員シラ~としてしまうはず。

南面に向けたい部屋は自ずと決まります

誰しも暗いリビングなんて望まないはず。かといって夜しかいない寝室は必ずしも南面に向けなくても不満は無いはずです。

長時間いることが多い部屋、つまりリビングなどで西日が入るような位置では、リラックスして過ごすことができません。また明るいリビングは自然と夏場の暑さも配慮しなければなりません。屋根を張り出すことや、日除け代わりにバルコニーなどを配置するなどの配慮も必要です。

子ども部屋は南面に向けることをおすすめします。朝、日光を感じられる部屋で起きるのと、カーテンを開けても日光が入ってこない部屋では、朝の目覚め方も違ってくるものです。

一つ一つの部屋をこのように考えると、北面方向に配置する部屋、南面方向に配置する部屋は自然と決まってきます。

家族の成長と家の成長も考えて

私はお客様に必ず言う言葉があります。

「子供は必ず大きくなる。成長するにつれて家も成長できるか配慮しましょう」、と。

例えば、ダイニングに料理をしているお母さんと一緒に勉強できるカウンターを設置すつのが人気ですが、ココを勉強場所として使用するのは、せいぜい小学生いっぱいまででしょう。中学生になれば自分の部屋で勉強するはずです。こうなってしまうとカウンターを何に使うのか?っていう疑問が発生してしまいます。食事をする用途に使えばいいのかもしれませんが、親も年を取ります。椅子よりもこたつのほうが良くなってしまうかもしれません。 きっと物置場となります。

考え出したらキリがありませんが、どうなっても汎用性が効くようにカウンター上にコンセントやLAN配線を設置してみてはいかがでしょうか? そうすれば子供が勉強場所として使わなくなったら、親の趣味に使えばいいのです。

あるいはもっと広いスタディコーナーなんて空間もいいかもしれません。3畳くらいの広さがあれば、趣味の空間にも対応しやすいですから。

余談ですが、下記のようなご依頼が来たことがあります。

「子供が押しやすいように照明のスイッチの位置を低くしてください」、さらに「子供が悪さをしないようにコンセントの位置を高くしてください」というご要望もありました。大切な子供さんを思う気持ちもわかりますが、いつまでも「子供」ではありません。その対策よりも「ダメ!」っていうしつけのほうが大事な事かと私は思います。

子供は必ず成長する

壁紙の張替えなどに比べて、間取りの変更のリフォームは大きな費用がかかります。ある程度、5年後や10年後の将来の家族も考えておくことが大切です。

家具を考えることも忘れずに。

生活には必ず家具が必要です。家族全員が座れるソファは結構大きいものが必要です。生活備品を収納する家具も必要でしょう。

なんとなく考えていた家具も、実際の寸法を調べてみたら意外と大きかった! なんてことはよくあります。ある程度のプラン図ができたら、必要な家具を図面に記入してみてください。自分で記入するのが難しいのなら、プロの建築士に依頼すれば図面内に記入してくれます。

家具を置いたことによって通りずらくなっていないか、生活に支障がないか、これらの確認も忘れずに行いましょう。

窓の計画も大切です

きもちい部屋を作るためには、ひとつの部屋に必ず2箇所以上の窓を配置しましょう。

自然な風は、風のとおり道がなければ入ってきません。風の入り口と出口です。部屋の対面に窓があるのがベストですが、取れない場合は窓を上下に配置してみてください。床に近い窓は冷たい空気、天井に近い窓は暖かい空気を逃がすことができます。縦すべり窓で風を取り込むのも有効です。

窓から見える景色も重要です。お隣の玄関が見える掃き出し窓なんかでは、おちついて過ごせるリビングにはならないかもしれません。その場合はわざと視線をずらす、つまり窓を部屋の隅の方へ配置することも有効です。

素敵な景色が見える方向であれば、積極的に大きな窓を配置してみると、部屋の雰囲気が向上します。

まとめ

様々なポイントを解説しましたが、てっとり早い考え方は、今の生活している住まいの不満点を改善することです。なにか不満点があるはずです。あたらしい家でもその不満点があってしまっては、満足する家にはなりませんからね。

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