「ベタ基礎の捨てコン」とはどこの部分で目的は何のため?生コン強度も一緒に解説します

捨てコンとは?その目的と強度を解説

基礎工事は欠陥がなくて当たり前です!

この記事では、言葉からして捨てられた存在のようである「捨てコン」について解説します。しかし、決して捨てられた存在の言葉ではありません。とても重要な役目のある「捨て」なのです。

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目次

捨てコンとは?

この建物では、図示している部分が捨てコンです

この写真の物件では建物周囲をぐるっと囲むように捨てコンが打設されています。この物件はベタ基礎ですのでこのような形で捨てコンを打設します。

基礎断面図で示すと、下図のこの場所です。

捨てコンの厚さは50mm。生コン強度は18N/m㎡、スランプ値は15cm程度が一般的です。また無筋コンクリートです(鉄筋は入れないということ)

生コン強度は18N/m㎡でいいの?

まず、生コンクリートの強度について解説する必要がありますね。

お客様

コンクリートはコンクリートなんじゃないの?

固まってしまえば同じように見えるコンクリートですが、実は、固まったコンクリートを目で見ただけではわからない「強度」というものがあります。ここでいう強度とは圧縮強度のことです(コンクリートをぐっっと押さえつけてどの程度の力まで崩壊しないか? という強度)。

なるほど!建築専門用語

コンクリート強度の単位は「N/mm2」で書きます。呼び強度21N/mm2のコンクリートでは、2.14kg/mm2であり、214kg/cm2となり、1cm2あたり214kgの圧縮の荷重に耐えられるコンクリートである、となります。

このコンクリートの強度は18〜36N/mm2までがあり、建築ではコンクリートを使用する部位によって要求する強度は決められていますが、捨てコンに要求されるコンクリート強度は特にありません。

お客様

えっ?強度が求められていないの?

捨てコンは構造物ではありません。構造体とは基礎や建物躯体などのその家を構成する部材のことで、この構造体には様々な基準があります。当然その基準を守って家を造っていくのですが、捨てコンは構造体ではありませんので、その基準がないのです。

ですので、最低限の強度である18N/m㎡が一般的なのです。

ちなみに駐車場に打設するコンクリートも、一般的には18N/m㎡で打設されます(様々な理由により強度を変える事もありますが)

一般的に見れば、「それでもコンクリートなんだからなんか意味あるのでは?」 って思うでしょう。では捨てコンの目的について解説します。

捨てコンの目的は?

捨てコンを施工する目的は、下記の3個です。

  1. 建物の正確な位置出し
  2. 型枠を載せる為の下地
  3. これから造る建物の高さの基準出し

建物の正確な位置出し

建築ではミリ単位の正確さが要求されます。これから造る基礎も同じです。

考えてみてください。土の上にミリ単位の正確な線を書けますか? 仮に書けたとしても土ですから容易に動いてしまいます。

建築士makoto

土に書いた線なんて、足でぐしゃぐしゃやれば簡単に消えてしまうぞ。

でも、コンクリートに書いた線はどうでしょうか? 一生懸命にその線を消さない限り簡単には消えません。また位置もずれません。

その正確な位置を、捨てコン上にだすのが第一の目的です。ものすごく簡単に言えば地面に設置する黒板のような目的ですね。

遣り方に張った水糸から、捨てコン上に正確な位置を出す

型枠を載せるための下地

正確な位置を出したあとは、その正確な位置に合わせて型枠を組んでいきます。でこぼこした土の上ではしっかりとした型枠は組めませんし、鉄筋もキレイに並べられません。

水平な下地、つまり「安定した場所に型枠を設置するための下地」が第二の目的です。

建物の高さの基準

この第三の目的がもっとも重要です。というのはこの「捨てコン」の上に型枠を設置したり、鉄筋を並べだしたりする時は捨てコンからが高さの基準となるからです。

捨てコンが設計よりも高く打設されてしまえば、必然的に建物の高さも高くなります。高くしたくなければ基礎全体の高さを低くすればいいのですが、それでは基準を満たしませんし、低い基礎を造られたらお客様はいい気分ではありません。

つまりこれから造る建物の「第一の高さの基準」となるのが捨てコンクリートなのです。

つまり、捨てコンの強度は必要ないってことです

上記で、捨てコンの目的である3個のポイントを書きました。このポイントはどれも強度は関係ありません。位置を出すためには強度は必要ありませんよね。

つまり、捨てコンとは、強度は求められませんが、基礎の底盤部分を水平にならし、建物の正確な基準線をだして型枠や鉄筋を並べる、高さも重要な部位の一つということです。

位置や高さの基準の役目が「捨てコン」なのです。

捨てコンは無くてはいけないもの?

「捨てコンは必ず施工しなければならない」ということはありません。あくまで正確な位置出しが目的ですから、別に施工しなくてもいいのです。

ものすごく手慣れた基礎屋さんでは、捨てコンを打設しないで転圧した土の上にチョークラインで墨出しをする職人さんもいます。しかし、いくら締め固まった土と言っても所詮は土です。固いコンクリートとは話が違います。

ですから、これから造る基礎を正確に施工するためにも捨てコンは打設したほうがいいでしょう。くどいですが、土の状態でも正確に位置出しができるのなら、捨てコンは必要ないということです。

「捨て」の意味は?

さっきから、普通に「捨てコン」と言っていますが、この言葉にある「捨て(すて)」とはどういう意味か知っていますか?

建築ではこの「捨て」と付く言葉が沢山あります。捨てコン、捨て谷、捨て型枠、などなど。

これは、直接構造に関係はしないけど施工上必要なもの(部位)や補助的な目的のものに「捨て」という言葉を使います

大工さんの仕事でも、「ベニヤを「捨て」で使う」という表現をしたりします。この場合は高さを調整するための下地だったり、ビスや釘を効かせるための下地の為にベニヤを打ち付ける、という意味になります。

この記事で書いている「捨てコン」も正確な位置出しのための部材ですので、構造体でもなく仕上材でもありません。地面の中に埋まってしまいます。よって「捨て」ているのですね。

仕上がってしまえば表面に見えなくなる部材、それが「捨て○○」なのです。

まとめ

今回の記事はココまでです。捨てコンとはどこにある部材で何のためにある部材が分かりましたね。また「捨て」という言葉も理解できたかと思います。

今後工程進行上で「捨て」という言葉がついた部材がまた登場するかもしれません。そのときにはまた今回の記事を見てみてください。

次の記事では「防湿シート(防湿フィルム)」について解説します。

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