このブログ記事は、建築士が携わるリアル新築現場の家造り工程記録を書き続ける記事です。このブログ記事(終了予定4月?)を読み続けることによって、木造注文住宅がどのように出来上がっていくのかが分かります。
住宅を建てるお客様が普段見ることはない画像も掲載し、その場面に合わせた解説(建築士のウンチクや建材選びのポイントなど)も書いています。よって自分の家造りで失敗しない為のチェック項目としても使えますよ。
今回の記事は、その⑥「砕石」です。
ん? 前回の記事で予告していた記事内容と違うような?
申し訳ございません! 諸事情により工程が思うように進まず、予告していました「捨てコン」とは異なる記事内容になってしまいました・・・。この不測の事態がリアル記事投稿の怖さでございます。
よって予告内容とは異なる記事になり、今回の記事を楽しみにしていた方には大変申し訳ございません。
今日は掘り方の続き〜砕石搬入までを解説します。
基礎下に砕石を搬入
前々回の記事で基礎工事の掘り方に入りました。
基礎工事の為の地面を掘る作業は完了し、砕石を敷き込んでいます。
皆さん、ご存知でしょうか? 基礎は地面を掘ってそのままの地面にコンクリートで基礎を造りません。そのコンクリートの下に「砕石」と呼ばれるものを敷き込みます。
何のために砕石を敷くのですか?
そうですね。普通に考えれば地盤調査で問題ないと判断された地盤なんだから、そのまま基礎をつくればいいのではないか? こう思いますよね。
では、ご質問の「砕石の重要性」についてにお答えします。
基礎の砕石の重要性
基礎の直下に砕石を敷き込む目的は、「地盤を安定化させるため」です。
地面を掘るときはユンボなどの重機で掘り進めます。当然掘っている土の部分はかき乱されます。この乱された土は、いわば隙間だらけの状態。このままですと沈下の心配がありますから、砕石を敷き込み十分に転圧して地盤を安定化させることが大切であり、そのためにわざわざ砕石を敷き込むのです。
この砕石は、表層地盤改良などの改良工事を行った場合には必要ありません。改良面上に基礎を造っていきます。
なるほど!建築専門用語
砕石とは地盤を安定化させるために敷き込むもの。
公共建築工事標準仕様書によると、基礎直下に使用できる砕石は下記のとおりです。
・切込砕石・クラッシャラン(岩石等を破砕機で砕いた砕石のこと)
・切込砂利(河床に堆積している砂利のこと)
・再生クラッシャラン(工事現場などからでるコンクリート塊等を再利用したもの)
ちょっと詳しい方であれば、基礎下に敷き込むもので、割栗石(わりぐりいし)という言葉も聞いたことがあるでしょう。割栗石とは岩石を砕いた100〜200mmくらいの比較的大きな砕石のことを言います。JISでは割栗石の原石は、花崗岩、安山岩、砂岩、凝灰岩、石灰岩、けい岩に準じる岩石としています。
まぁ、砕石でも割栗石でもどっちでもいいわけですが、住宅の基礎下に敷き込む材料は割栗石ではなく、おおむね「砕石または再生クラッシャラン」が使用されます。
その理由は、「価格の違い」です。
一番金額の高いものは「割栗石」です。そして一番安いものは「再生クラッシャラン」。普通の砕石がその中間です。
工事金額が年々厳しくなっている昨今では、どうしても高価なものは使いづらい傾向にあります。問題がないのであれば、一番高価なものを使用しなくても大丈夫でしょう、というのが率直な理由となります。
「再生クラッシャラン」というと、なんか再生品はねぇ・・と思うかもしれません。しかし再生クラッシャランはコンクリート塊を砕いたものですから、環境にも優しい材料と言えます。
今行っている工程を「地業」といいます
地業(ちぎょう)とは、地面の掘削が終わった後に砕石などを敷き、ランマーなどで転圧し突固め捨てコンクリートを打設するまでの工程のことを言います。
「基礎工事」と言われればわかるけど、「地業」なんて言葉はじめて聞いたな?
あなたの家造り最中で担当の現場監督さんに現在の工程を聞いたときに、「地業を行っています」と言われれば、このブログ記事の②〜⑦までの作業をしているんだ、と理解できますね。
今回の記事はココまでとなります。また次の記事「転圧に使用するダンピングランマーとは?」でお待ちしております。
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