電力逼迫が叫ばれている2021年。経済産業省のホームページにも2021年の夏の電力供給の見通しについて書かれています。
その内容によると、北海道と沖縄をのぞく8エリアで供給予備率が7月は3.7%、8月は3.8%となる見通しのようです。9月の見通しはこれよりも3%ほど回復する見込みのようですから、いかに夏の電力供給が逼迫してくるのかがわかります。
しかも、今年は東京オリンピックが開催される予定ですから、この一大イベントが多少なりとも影響するかもしれません(あくまで私の私見です)。政府としても節電への呼びかけなどを行い、事業者間の電力融通などの対策は予定しているでしょう。
でもね、様々な予期せぬことが起きている「令和時代」ですよ。自分の身は自分で守るという精神で、最低限の停電対策をしておいたほうが無難なのは間違いありません。
自宅の屋根に太陽光発電システムがあって、さらに蓄電池まで搭載された住宅に住んでいるなら、まぁ大丈夫なのかもしれません。でも蓄電池が搭載されている住宅はまだまだ少なく、今から蓄電池を設置するとしても工事を検討するなどの時間がかかります。ましてや100万円オーバーの蓄電池設置費なんて、そうそう準備できませんしね。太陽光発電システムとあわせたら200万円近い金額となってしまいますし。
では、どうすればいいのか?
極論を言えば「電気を使わなければいい」と言えますが、電気設備なくしては生活できない現代ではそうも言ってられません。
ということで、なるべく少ない予算で最低限の電力を確保できる「ポータブル電源」を防災対策として購入するのが今人気です。
「ポータブル電源」とは、蓄電池ほどの大量の電気を蓄えておくことはできませんが自由に持ち運ぶことができる「ちっちゃな蓄電池」みたいなものです。
またスマホの予備電池として持ち歩く「モバイルバッテリー」とは比べ物にならないくらいに多機能で多くの電気を蓄えることができます。よって防災用途のみならず、キャンプや外部での軽作業用途にも使える、一石二鳥どころか一石○鳥な「家庭にひとつ備えておいて間違いのないアイテム」です。
また、通常は住宅のコンセントから充電を行いますが、小型の太陽光発電パネルと接続することもできるモデルであれば、電気のない環境でも最低限の電気生活を送ることが可能となります。
この記事では、防災対策として勧めたいポータブル電源の2大メーカー「jackery(ジャクリ)」と「Anker(アンカー)」の主要なポターブル電源とソーラーパネルを比較検討してみました。
ぜひ、この記事を参考にして失敗のないポータブル電源であなたの家の防災対策を備えてください。
また、下手な商品を購入して無駄金になるどことか、「実際に起きてしまった電力緊急時に使えない」なんてことがないように間違いのない正規品を購入することをおすすめします。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源とソーラーパネル
ポータブル電源メーカーの「Jackery」とは、2012年にアメリカで設立されたメーカーです。
創立メンバーにはAppleの元バッテリーエンジニアが加わっていて、どこでも電気が使えるようになる様々な製品を供給しています。スローガンは「冒険に、限りないパワーを」というのがとても頼もしいイメージですね。
ポータブル電源は容量の異なる5種類(微妙に機能も異なります)、ソーラーパネルは2種類販売しています。
Jackery ポータブル電源 Ace1500
Jackeryの製品の中で最大容量のポータブル電源です。1800Wもの定格出力がありますから、ホットプレートなんてものまで使用できる史上最強スペックなモデルです。
これだけ大容量だと充電するにも時間がかかるのでは?って心配になりますが、そんな心配は御無用です。ACアダプターを2台使用し最短3.5時間でフル充電可能となっています。
ポータブル電源 Ace1500 | |
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容量 | 1488Wh(車載冷蔵庫 約90時間分) |
サイズ | 355✕253✕265mm |
重量 | 15Kg(1.5Lペットボトル10本分の重さ) |
定格出力 | 1800W(ホットプレートまで使える) |
出力口 | シガーソケット✕1 USB✕3(USB-A✕2、USB-C✕1) AC✕3 |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥176,000 |
2年間使用した場合の1日あたりの製品代(税込) | ¥241 |
Jackery ポータブル電源 1000
容量は1002Wh、定格出力1000Wの十分な性能を備えながらも、10.6Kgと許せる範囲の重量であるモデルです。
最強スペックのAce1500ほどはいらないけど、それなりに安心できる容量が欲しい人にむけた製品と言えます。しかし、上位版のAce1500には1個しかない「USB-C」が2個ありますから、パソコンやスマホなどを使いたい方にも嬉しいモデルです。
ポータブル電源 1000 | |
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容量 | 1002Wh(車載冷蔵庫 約66時間分) |
サイズ | 322✕233✕243mm |
重量 | 10.6Kg(1.5Lペットボトル7本分の重さ) |
定格出力 | 1000W(ドライヤーも使える) |
出力口 | シガーソケット✕1 USB✕4(USB-A✕2、USB-C✕2) AC✕3 |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥139,800 |
2年間使用した場合の1日あたりの製品代(税込) | ¥191 |
Jackery ポータブル電源 708
容量と価格、そして大きさと重量のバランスがとれたモデルです。定格出力は500Wに限定されますが、それでもノートパソコンや小さな冷蔵庫、コンパクトな炊飯器くらいまでなら使用できます。
このモデルもUCB-Cのポートが装備されていますから、スマホやタブレットなどの使用を考慮する方に適していると言えます。
ポータブル電源 708 | |
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容量 | 708Wh(車載冷蔵庫 約51時間分) |
サイズ | 299.7✕191.5✕190.5mm |
重量 | 6.8Kg(1.5Lペットボトル4.5本分の重さ) |
定格出力 | 500W(小さな冷蔵庫くらいまでなら使える) |
出力口 | シガーソケット✕1 USB✕3(USB-A✕2、USB-C✕1) AC✕2 |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥79,800 |
2年間使用した場合の1日あたりの製品代(税込) | ¥109 |
Jackery SolarSaga 100
Jackeryのポータブル電源全シリーズに対応したソーラーパネルです。最大100Wで充電することができますが、ソーラーパネル単体での使用も可能(USB-A、USB-C端子装備)なモデルです。
Solar Saga 100 | |
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収納サイズ | 610✕535✕5mm |
展開サイズ | 1220✕535✕5mm |
最大出力 | 100W |
ポータブル電源1000への充電時間(目安) | 17時間 |
出力ポート | USB-A、USB-C |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥34,800 |
その他の製品
他にも、ポータブル電源は容量の少ない「ポータブル電源 400」と「ポータブル電源 240」の2モデルがあり、ソーラーパネルはコンパクトな「Solar Saga 60」があります。
またポータブル電源とソーラーパネルがセットになった商品も販売されていますから、想定する使用用途現場での電気の自給自足を目指す方はセット商品を購入したほうが手っ取り早いですね。
Jackery製品を購入するなら、公式オンラインストアがおすすめです。上記の「ポータブル電源708+SolarSaga100のセット」の商品が6,000円値引きされて¥108,600で購入できます。このセットであれば2年間使用したとすると「一日あたり148円(本体へ充電する電気代は除く)」で、電気逼迫時でも最低限の安心がある防災電気生活が手に入ります。
また、公式オンラインストアからの購入では2年間の長期保証がつきます。さらに営業日11時までの注文では翌日に送料無料で配送してもらえます。PayPayなどの決済方法も選べますから、ぜひ公式オンラインストアを活用しましょう。
Anker(アンカー)のポータブル電源とソーラーパネル
「Anker」とはスマホ関連アイテムのモバイルバッテリーや急速充電器で有名なメーカーです。あなたももしかしたらAnker製品を持っているのかもしれません。
このメーカーもGoogle出身の数名の方によって2011年に設立されたそうです。Jackeryと同じようにITメーカーの出身者がいるというのは不思議なものですね。
Ankerからはポータブル電源が4種類、ソーラーパネルが3種類発売されています。
Anker PowerHouse Ⅱ800
Ankerから発売されているポータブル電源の最大容量のモデルです。最大500Wの出力に対応しており、778Whの容量です。前面に大型のディスプレイがありますから、満充電になるまでの時間や使用できる残り時間なども容易に確認することができます。
災害時に活躍するライトが付いているモデルです。
PowerHouseⅡ800 | |
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容量 | 778Wh(車載冷蔵庫 約51時間分) |
サイズ | 300✕185✕204mm |
重量 | 8.3Kg(1.5Lペットボトル5.5本分の重さ) |
定格出力 | 500W(小さな冷蔵庫くらいまでなら使える) |
出力口 | シガーソケット✕1 USB✕6(USB-A✕4、USB-C✕2) AC✕2 |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥74,800 |
2年間使用した場合の1日あたりの製品代(税込) | ¥102 |
Anker PowerHouse Ⅱ400
388.8Whと容量はちょっと少ないですが、豊富なUSBポートと最大出力300WのAC出力とあわせ合計8台までの機器を同時充給電できます。
そして災害時にも活躍するライトが搭載されている珍しいモデルです。
PowerHouseⅡ400 | |
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容量 | 388.8Wh(車載冷蔵庫 約25時間分) |
サイズ | 255✕148✕139mm |
重量 | 4.62Kg(1.5Lペットボトル3本分の重さ) |
定格出力 | 516W(小さな冷蔵庫くらいまでなら使える) |
出力口 | シガーソケット✕1 USB✕6(USB-A✕4、USB-C✕2) AC✕2 |
公式オンラインストアでの価格(税込) | ¥39,800 |
2年間使用した場合の1日あたりの製品代(税込) | ¥54 |
Anker PowerPort Solar 60
Ankerのポータブル電源PowerHouseに充電できるソーラーパネルです。折りたためばとてもコンパクトになり、バックパックなどに取り付ける為のループもあるため、アウトドア好きな方にもオススメなモデルです。
しかし、公式ストアでは売り切れとなっています。
Anker PowerPort Solar Lite
Ankerのポータブル電源には充電できませんが、ソーラー単体で使用するならおすすめなモデルです。折りたためば28✕16cmというとてもコンパクトなソーラーパネルです。
出力はDC5V=2.1Aですので、スマホの充電程度しか使用できませんが、災害時の連絡通信手段確保の目的なら十分にアリなモデルですね。
防災対策としては、JackeryとAnkerどっちがいい?
防災対策として考えた場合、大容量モデルがありソーラーパネルが接続できる「Jackery」の一択です。
Ankerの最大容量モデル「Anker PowerHouse Ⅱ800」は出力が500Wしかありません。災害時となると小さな冷蔵庫や電気毛布などを使いたくなるかもしれません。パソコンやスマホだけの充電を考えるなら十分ですが、生活家電までの使用までを想定した場合はちょっと心もとない。
また、いざとなればソーラーパネルでの充電まで可能ですから、電力確保の為の防災対策として考えるとJakeryのポータブル電源がおすすめです。
ちなみに同価格帯の「Jackery ポータブル電源708」と「Anker PowerHouse Ⅱ800」を比較した表がこちらです。
Jackery ポータブル電源708 | Anker PowerHouseⅡ800 | |
価格(税込) | ¥79,800 | ¥74,800 |
容量 | 708Wh | 778Wh |
重量 | 6.8kg | 8.3kg |
最大出力 | 500W | 500W |
出力ポート | シガーソケット✕1 USB-A✕2 USB-C✕1 AC✕2 | シガーソケット✕1 USB-A✕4 USB-C✕2 AC✕2 |
ソーラー充電対応 | ○ | ○ |
その他特徴 | QC3.0急速充電 | ライト装備 |
同価格帯の製品では似たようなスペックですね。
しかし、防災用途と考えた場合に1000W程度の出力まで対応していたほうが何かと安心です。Ankerにはこれ以上のモデルがありませんので、1000W程度の家電製品の使用も想定される防災用途と考えた場合は、やっぱりJackeryのポータブル電源1000などのモデルを購入したほうが無難と言えます。
生活家電の消費電力ってどれくらい?
一般的な住宅にあるコンセントはどのくらい電力まで使用できるかご存知でしょうか?
コンセントから発火せず安全に使用できる電力は、コンセント1箇所あたり1500Wまでです。普通に家庭で生活家電を使用していると、この消費電力まで考えている方は少ないでしょう。
ですが、ポータブル電源では使える電力に限りがありますから、しっかりと自分が使いたい家電の消費電力を知っておくことが大切です。
おおまかな消費電力の目安を書いておきますが、災害時に使えないなんてことがないように、自分が持っている家電の消費電力もチェックしておきましょう。
スマホの充電 | 10~20W |
ノートパソコンの充電 | 30~100W |
冷蔵庫 | 200~600W |
テレビ | 300~500W |
炊飯器 | 400~1200W |
ホットプレート | 約1300W |
電気毛布 | 30~100W |
電気ポット | 1000W(沸騰時) |
どうですか?この表を見ると、「Jackery ポータブル電源Ace1500」であれば、ほぼすべての生活家電が使用できるというのがわかりますね。
ポータブル電源選びのポイント
日本の電気製品の電圧は100Vになっています。しかし、ポータブル電源の出力電圧が110Vや120Vなどの製品もあります。こういったポータブル電源を家電に接続すると、製品が故障したり発熱したりすることがあります。
また出力される電気の波形にも注意が必要です。電気の波形は「正弦波」、「矩形波」、「修正波」の3タイプがありますが、家電製品はほぼ「正弦波」で設計されているため、ポータブル電源から出力される波形も「正弦波」である必要があります。異なった波形でもとりあえず使えないことはないですが、電気製品が故障することもありますから製品選びには注意してください。
ちなみに、今回ご紹介した「Jackery」と「Anker」のポータブル電源は「正弦波」で出力されるタイプです。
また災害対策として考える場合、持ち運ぶことも想定しておかなければなりません。家の部屋間での移動や避難場所での使用、あるいは屋外での電力使用にはポータブル電源を持っていかなければなりませんから。(持ち運べるのが利点ですしね)
容量は十分でも重量が15Kgもある「Jackeryのポータブル電源Ace1500」では、奥様にはちょっと厳しい。ペットボトル10本分の重量の運搬なんて体力が落ちた災害時には致命的な問題になるとも限りません。
そうすると、容量もそこそこでソーラーパネルも接続でき、重量も10Kgでなんとか持ち運べる「Jackery ポータブル電源1000とSolarSaga100のセット」が、防災対策として考えた場合のベストチョイスとなりますね。
公式オンラインストアでは「ポータブル電源1000+SolarSaga100のセット」が6,000円値引きされて¥166,600(税込)となっています。こちらも2年間使用したとすると一日あたりたったの228円です(本体へ充電する電気代は除く)。
Amazonなどのネット通販でもポータブル電源は購入できます。しかし、公式オンラインストアで購入すれば、決して安くない金額のポータブル電源に安心の2年保証などがついてきますから、防災対策アイテムを購入すると考えた場合、公式オンラインストアで購入するほうが安心と言えますね。
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