平屋とは1階しかない住宅のことです。
知っているよ!そんなこと!💢
いえいえ、あなたは「平屋」の言葉の意味は知っていても、「平屋でしかできないこと」は知らないはず。
それを知らないで平屋を選択すると失敗するのです。
平屋には2階建てや3階建てとは違う生活があります。そして、平屋では多数階の家では実現できない快適な生活があります。
- 上下階の移動がない為、ワンフロアで完結する生活がとても楽
- 居住エリア、家事エリアが繋がっているため家事動線がとてもいい
- ワンフロア内に子供部屋もある為、子供とのコミュニケーションも取りやすい(サザエさん家みたいにね!)
平屋ではこんなにも生活が快適になるのです。いちいち2階のベランダまで洗濯物を干しに行かなくてもいいのです。歳をとって上り下りの辛い階段を通って寝室に行かなくたっていいのです。
これらの快適な生活は平屋でこそ可能になるものです。快適な新築生活を求めるのであれば、もう「平屋」を選ばない手はありません。
また、平屋ってなんか豪華そうなイメージありませんか?(サザエさん家は別として・・・)
平屋=大豪邸
こんなイメージがありますよね。平屋ならではの快適な生活がある上に他の人からのイメージもいい、ということで平屋は「Best of Japanese house」と言ってもいいのではないでしょうか?
でもね・・・
今書いた「平屋でしかできないこと」は「平屋であるが故にそうなってしまうこと」でもあるのです。つまりデメリットの要素もあるということです。
ワンフロアに子供室があるってことはプライバシーの確保に不安があります。ワンフロアってことは日当たりに配慮した間取りでないと「真っ暗な寝室」って事になりかねません。
これらデメリットが許せない方は素直に2階建てを選んでください。そしてこの記事もこれ以上読まなくて大丈夫です。
しかし!
平屋にはデメリットに勝るメリットの方が多いのではないか?
と思う人は、この記事をどんどん読み進めてください。
平屋だから可能になる、さらなるメリットとは?
平屋が可能にする快適生活をもっと深掘りしてみます。
平屋は耐震性が高い
建物は高さがある方が地震の揺れに対して不利になります。大きなビルの最上階では揺れがとても大きですよね。
しかし、建物はその揺れに対抗するために様々な工法や耐震対策を行いますから、全ての2階建てよりも平屋の方が一概に強いとは言えません。
ですが、ひとつ言えることは、地震が起きた時の上部の揺れは少ないということです。よって建物に無理な力が加わることも最小限でおさえられ、揺れが引き起こす「建物の倒壊」につながりにくい高い耐震性があるとも言えます。
こんな耐震性の高い平屋を、もっと強い家にするためには下記にまとめた対策が有効です。
- 屋根を軽くする
- 壁を多く取る
- 制振ダンパーなどを採用する
- 真四角に近い間取りにする
上にあるもの(屋根)が重ければ重いほど、建物は揺れます。
2階建てよりも揺れの少ない平屋の屋根を軽くすれば(ガルバリウム鋼板葺きや軽量瓦葺き)、その揺れをさらに少なくすることができます。
また間取りが真四角に近い形であれば、建物に無理な力が加わるポイントも少なくなり、より耐震性が高まります。
平屋は「リビングに勾配天井」などの付加価値をつけやすい
総2階建て住宅の1階リビングでは絶対にできないこと、それは「リビングの勾配天井」です。
平屋の1階リビングの上には「屋根」しかありませんから、その屋根を生かした勾配天井を容易に作ることができます。
勾配天井には平な天井では味わえない「解放感」があります。天井や壁の色も工夫すればとても素敵なリビングを作ることができます。
勾配天井のあるリビングに繋がったウッドデッキ。もう夢にまで見た贅沢で優雅な生活が、平屋ではより簡単に実現できます。
平屋の広い屋根を生かしたエネルギー自給生活
一般的に平屋の屋根は2階建ての屋根よりも広いです。この広い屋根を利用しない手はありません。
太陽光発電パネルはたくさんの枚数を載せるほど発電量は多くなります。
近年は売電金額が下がって太陽光発電のメリットが少ないと思う方もいるかもしれませんが、その考え方はもう古いのです。
昼間発電した電力を蓄電池に溜め込んで夜間の電力として使う、故に電力会社から購入する電気が減る。よって電気代が安くなり家計にメリットが生まれます。
また、多くの電力を蓄電池に蓄えておけば災害時や緊急時にも安心です。
この太陽光発電から得られるエネルギーをより多く確保できるのも、屋根の大きい平屋住宅ならではです。
そして、先ほど述べた平屋の耐震性の高さと相まって、さながら「防災住宅」と言える要素が備わりますよね。
平屋のデメリットを克服する家づくり計画
平屋ならではのデメリット。
このデメリットで敬遠してしまう方もいるでしょう。
それならば、その平屋のデメリットを無くしてしまう解決策があれば、家づくりの選択肢に入れてみてもいいのかもしれませんね。
デメリット① 平屋はプライバシーの確保が難しい
プライバシーの問題は、間取りである程度克服することができます。
例えば、リビングと子供部屋の間に玄関や収納を作れば、その部屋がクッションとなりプライバシーは確保されます。
また「音のプライバシー」が気になるようであれば、これも間に部屋を挟んであげればある程度軽減できます。
逆に2階の子供部屋で騒いでいる騒音が階下のリビングに直接伝わる2階建ての方が、よっぽど気になるのかもしれませんよ。
デメリット② 平屋は日当たりの確保が難しい
日当たりの問題も、間取りである程度克服することができます。
南側にリビングを配置して北側にプランするしかない寝室も、「間に中庭を設ける」や「天窓を取り付ける」などで改善できます。
あるいは、コの字状のの間取りして右側にリビング左側に寝室とし、間にウッドデッキを設けるような間取りとすると日当たりも悪くなく、それでいてプライバシーも確保できます。
デメリット③ 平屋は土地の広さが必要?
上記の二つのデメリットを克服しようとすると、必然的に広い土地が必要となります。狭い土地で広い平屋を建築するマジックはありません、残念ながら。
普通に建築する2階建てには、日当たりをよくする中庭や、プライバシーを確保するために間に設ける収納やウッドデッキなどの付加価値が必要ないからです。
これはもう根気よく単価の安い平屋建築に向いている「いい土地」を探すしかありません。
ということは、都市部で「平屋」というのは無理な事なのかもしれません。総理官邸みたいなだたっ広い土地なんてそうそう実現不可能ですからね。
よって平屋を検討する方は必然的に郊外に土地を探すことになるでしょう。でも郊外の方が平屋に向いているのかもしれません。交通量の多い道路に面した平屋よりも比較的静かな郊外の方が、平屋のメリットを生かした生活が送れるはずです。
デメリット④ 平屋は坪単価が高い?
正直に言います。平屋の坪単価が高いことは正解です。
コストのかかる基礎工事や屋根工事が多くなることが理由です。
おおよそですが、工務店では概ね60〜70万円の坪単価であり、ハウスメーカーでは70万円以上の坪単価となるでしょう。
でも大丈夫です。
平屋には階段室が必要ありません。また階段につながる廊下も必要ありません。2階のトイレなんてそもそもありません。
つまり同じような部屋数でも平屋の方が延べ床面積が少なくて済むということです。(贅沢をしてしまうとこの限りではありませんが・・・)
二階建てでは50万円くらいの坪単価の工務店で、平屋で60万円の坪単価だったとしましょう。2階建ての延べ床面積が30坪で、平屋で同じ部屋数を25坪でプランニングできたとすると、
50×30坪=1500万円
60×25坪=1500万円
と、なります。つまり坪単価は高くても、総工事費は同じということです。
平屋を建てる土地さえどうにかなれば、同じ総工事費で「平屋ならではの快適な生活」が待っています。
まずは平屋の間取りを見てみよう
平屋というのは、ある意味特別な考え方が必要な建物です。
平屋を検討するときには、他人の間取りを見てみるのがいいでしょう。思いがけないアイデアが発見できるかもしれません。
漠然と考えていた家の広さも、実際の平屋の間取りを見てみると「3LDKを確保するためにはこんなくらいの広さが必要なんだな?」 っていうイメージが掴みやすくなります。
https://www.pinterest.jp/archikoto/%E5%B9%B3%E5%AE%B6%E3%81%AE%E9%96%93%E5%8F%96%E3%82%8A/
平屋の外観はオシャレなデザインがいっぱい!
建物をデザインするときに、高さ方向の長さがあるよりも横方向の長さがある方が「どっしり感」をデザインしやすいです。
どっしり感があるデザインは「高級感」につながりやすく、軒の深いデザインであれば「優雅さ」も演出できます。
これを2階建てでやろうとすると、ものすごい大きな建物が必要になってしまいます。これは平屋の方がオシャレな外観デザインが多い理由の一つです。
https://www.pinterest.jp/archikoto/%E5%B9%B3%E5%AE%B6%E3%81%AE%E4%BD%8F%E5%AE%85/
快適な平屋生活があなたを待っています
どうでしたか?
平屋ならではの、そして平屋だからできる生活(メリットもデメリットも)はお分かりいただけたでしょうか?
人間誰しも歳をとります。歳をとれば上下階の移動は億劫になります。無理をした上下階の移動で転倒などの危険があるかもしれません。
また、大きくなった子供がいなくなった2階の子供部屋は何に使いますか? 平屋の1階にある子供部屋であれば、老後の趣味の部屋として活用することもリフォームで容易にできます。
自動車も脱ガソリンエンジンが世界中で叫ばれています。
住宅にも必ずエネルギー問題は来るはずです。そうなったときにより多くのエネルギーを自給できる平屋であれば、エネルギー問題に困ることも少なくて済むのかもしれません。
地震列島日本。いつ来るかわからない地震に備えて「地震に強い平屋」を新築して快適なスローライフを実現しませんか?
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