住宅の仕様説明時に「お風呂はユニットバスでお見積りしてあります」と私が説明すると、「え〜!そんな安っぽいの、嫌だな〜」って言われるときがあります。
なんとなく、ユニットバスというとビジネスホテルのお風呂みたいに思っていらっしゃる方がいるようですので、今回は「ユニットバス」について説明します。
あなたもこんな風に思っていませんか?
ユニットバス=バスルームとトイレと洗面が一体になった浴室
これはある意味正解ですが、ユニットバス=安っぽいお風呂ではないという事をご説明します。きっとあなたのイメージとは真逆のものがこの記事内にでてきます。
ユニットバスとは?
ユニットバスとは、そのメーカーの工場で予め壁や床、浴槽などのパーツを部材ごとに製品化し、現場で組み立てる浴室(お風呂)の事を言います。
また、そのユニットバスの中に構成されているパーツで、洗面台がついていたりトイレが付いていたりするものがあります。こういったユニットバスは「2点式ユニットバス」や「3点式ユニットバス」などと呼ばれます。
ユニットバスという言葉に、「安っぽい」というイメージを持っている方は、トイレや洗面が一体になった浴室のことを思い浮かべているのではないでしょうか?ビジネスホテルなどにある「これ」のことですね。↓
よって、あなたが思い描いたユニットバスが、上記のようなものであったとしても不正解ではありません。これもユニットバスです。
しかし、一般的に戸建ての住宅に使われるユニットバスでは、トイレや洗面などがついていない1点式ユニットバス(お風呂だけ)のものがほとんどです。
この画像のお風呂もユニットバスです。
そうです。あなたがどこかで一度は見たことがあるであろう普通の浴室(お風呂)もユニットバスなのです。
ここで読み終わらないでください。この記事の最後の方に書いてある最新式のユニットバスはきっとあなたの度肝を抜きます。
メーカーによっては、ユニットバスのことをシステムバスと表記している事もあります。
これはどちらも同じ意味になります。ユニットバス=システムバス です。
ユニットバスでないお風呂とは?
では逆にユニットバスではないお風呂とはどんなものでしょうか?
今、あなたはどんなお風呂を思い浮かべてますか?
そうです。あなたも一度は見たことがあるであろう、壁や床がタイル張りでステンレスの浴槽が置いてあるお風呂です。これはユニットバスではありません。
住宅会社によっては、このようなお風呂のことを「在来式浴室」と言ったり「タイル張りの浴室」と言ったりします。
今現在の新築では、ほとんどこういった浴室は見かけなくなりましたが、一部のお客様や、ものすごく凝った部材(浴槽やシャワーヘッド、壁が板張りとか)で浴室を作りたい方は、これらとおなじ方式で施工します。
ユニットバスのメリットとは?
ユニットバスの区別は付きましたでしょうか?
では、その「ユニットバス」のメリットをお話しましょう。
- 防水性と耐久性が高い
- 断熱性が高い
- 工期短縮
- 製品の均一化
- お手入れが楽
- リフォームが容易
これらがおもなユニットバスのメリットです。在来式の浴室ではタイルの目地にどうしても汚れが付着します。これはヒノキなどの木材で作った浴室でもそうですね。
また、タイル張りの浴室だとものすごく寒い。真冬にひんやりしたタイルに足を乗っけるのはとても嫌なものです。
しかし、ユニットバスであれば、そもそも目地が少ない(パッキンレスというものもある)壁で、なおかつ壁の裏には断熱材が貼り付けられたものがほとんどですので、真冬の寒さも軽減できます。床も断熱材が入っていたり(商品によってオプションの場合あり)床暖房をつけられたりします。さらに床の水キレ性も非常にいいですから、ちょっと時間経てば靴下のまま浴室内にはいれたりします。
またユニットバスを製造しているどこのメーカーでも、お手入れ性に力を入れています。そしてほぼ全てのユニットバスが、一日で施工完了します(給排水接続などの付帯工事は除く)
つまり、在来式浴室(タイル張りのお風呂)のデメリットを解消した浴室がユニットバスなのです。
もちろんデメリットもありますが・・・
ユニットバスのデメリットは、
- メーカーの製品バリエーションの中からしか選べない
- 一定の決められた大きさのバリエーションしかない
- ゆえに自分オリジナルの浴室はつくれない
こんなデメリットが考えられます。
ですので、ものすごく凝った浴室を作りたい!って方には、ユニットバスを選択する余地はありません。建築士と相談して凝りに凝った浴室を作ってください。
しかし、決められたバリエーションしか無いと言っても、ユニットバスを製造販売しているメーカーは多数あります。各社それぞれ特徴がありますが、どれかは必ずあなたに気に入ってもらえるユニットバスがあるはずです。性能にしてもデザインにしてもきっとお気に入りのものが見つかるはずです。
このデメリットよりもメリットのほうがはるかに大きいですから、「ユニットバス」を積極的に選にましょう。
しつこいですが、あなたが思い描いていた「ユニットバス=安っぽいもの」ではありませんからね。
これが最新式のユニットバスです
どうでしょうか?
あなたが思い描いていた「安っぽいユニットバス」とはかけ離れた浴室ではないでしょうか? これもユニットバスです。
この画像の商品は、クリナップというメーカーの「アクリア」という商品です。中〜高価格帯の部類に入るユニットバスです。
もうひとつユニットバスを。
これはクリナップの「ユアシス」という商品です。普及価格帯の部類になります。
高価格帯と普及価格帯のユニットバスはどこが違うの?ともよく聞かれます。どちらもユニットバスの基本的な性能は同じですが、その一つ一つの部材の性能が高価格帯の商品はグレードアップしています。それと高価格帯のユニットバスでは贅沢な装備がついてきます。
例えば、普及価格帯の商品では、浴槽(お湯を貯める部分ね)の素材がFRPであるのに対し、高価格帯のユニットバスでは人造大理石の素材になっています。この違いは商品自体のツヤ感と表面硬度が違ったりするのですが、こういうものはショールームで見ていただくのが一番です。
気になった方は、ぜひショールームに行って実物を見てみてください。
主なユニットバスメーカー
- クリナップ
- タカラスタンダード
- LIXIL
- TOTO
- パナソニック
- ハウステック
- トクラス
- 積水ホームテクノ
あなたが思い描いていた「トイレなどがついているユニットバス」は、おもに賃貸向けや商業施設向けの商品になります。よって住宅用とは異なり、壁の断熱材が選べなかったり、各パーツがコストをおさえた物で構成されています。
よって、いくらトイレが浴室内にほしいからと言っても、一般住宅ではこういった商品を選んではいけません。
※ユニットバスの高級品では、メーカーの希望小売価格が何百万円というものもあります。あなたがショールームに行ったら、その価格にもびっくりするかもしれません。商品の価格帯にはご注意ください。
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