畳の敷き方。
祝儀敷きとか不祝儀敷きという言葉を聞いたことがある方は少ないでしょう。住宅は祝儀敷きが一般的です。何が違うのか?はネット上にいっぱい出ていますので検索してみてください。
私が伝えたいのは、実用上の問題です。参考にしてください。
昔の考え方はもういいのでは?
祝儀敷きなどの言葉が一般的でないように、普通の方はそんなのもう気にしないのでは。また和室があっても床の間がある住宅はほとんど見かけません。昔は床ざしにならないように、床の間とヘリが平行になるように敷くのがルールとなっていました。これは床の間があるところが上座であり、それに伴い失礼に当たらないようにという配慮です。
また4畳半の和室では、その畳がどっち周りで敷くかで、切腹の間や茶室とかの違いがありました。そんなのわけわかりませんよね?
そんな古いしきたりなどは、もうどうでもいいのではないでしょうか?まぁ気にする人は気にすればいいだけですし。
それよりも私が気にしてもらいたいのは実用上の問題です。(畳屋さんには失礼、ごめんなさい!)
その和室の入口とヘリは平行になるように敷く
これも昔から言われていることですが、これが私が気にしていただきたいポイントです。
そうすることで、入り口からはいる際の足の動きの方向と畳の目の方向が一緒になるため、畳自体が長持ちします。
縁起を担ぐのも大切なのかもしれませんが、実用上長持ちさせるとか、そういうことのほうが今の時代にあっていると思います。最近は和室自体が少なくなり、畳がない家も多数見られます。しかし畳自体は日本の昔からある床の材料であり、これに慣れ親しんだ日本人には落ち着く床材の一つではないでしょうか?
またそのような状況で、わざわざ畳を選択する方こそ、長持ちしてもらいたい気持ちは大きいはずです。
畳のヘリは踏むな!
このようなこと子供の頃言われた方もいるのではないでしょうか?
理由知ってます?
これも大昔の和室の考え方だそうですが、作法だとか権威の象徴だとか、これもそんなのもう関係ないでしょう。気にする人が気にすればいいだけのことです。(またまた畳屋さんにすいません!)
これも実用上気にしてもらいたいポイントがあります。
そもそも畳のヘリは、畳のフチにヘリをつけることにより、畳が擦れて痛むのを防ぐ目的もあります。
下の写真を御覧ください。
初めに言った入り口とヘリは平行に敷くという考え方が、この部分だけ当てはまっていません。
この状態だと、一番端っこの畳本体の部分が入り口のところにあるため、頻繁にふまれることになります。畳の目の方向も逆のため、長い目でみればこの部分の痛みがでてくるでしょう。
この部屋は4畳半ですので、ぐるっと全体を回転させればヘリがある方向の並びにすることができます。
これも畳を長持ちさせることにしたほうが、今の時代にあっているのではないでしょうか?
まとめ
このようなことは、気にしてくれない住宅会社もあります。またそもそも畳の敷き方なんて気にしない、知らない会社もあります。試しに設計士に聞いてみてください。どのくらいの設計士が知っているでしょうか?祝儀敷きなんて言葉を初めて聞きました、なんていう若い設計士も多いかもしれません。
そもそも今の住宅設計はパソコンのCADで作図します。和室があっても畳は自動入力されるのが一般的です。もちろん手動入力もできますが、その知識がない設計士は、わざわざ手動で入力し直さないでしょうね。ゆえに何の根拠もない、実用面も考えていない畳の敷き方の図面が出来上がるわけです。
昔は手で図面書いていましたので、知識のある設計士は自然と正しい敷き方で図面を書いていました。
住宅の設計士たるもの、さまざまな知識をつけていただきたいものです。
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