こんちには。
先日、LIXILの体験型モデルハウスを見学してきた、建築士のmakotoです。
いきなりですが、あなたに聞きます。
車を購入するときに燃費性能を気にしますか?
そうですね。
ほとんどの方が燃費を気にするはずです。「この車の燃費はいくつ?」「 さすがハイブリッド車だな!」 って思って車を購入しているはずです。
誰もが、ガソリンをなるべく使わない、あなたのお財布にやさしい「省エネ」という分野に興味がありますからね。当たり前です。
低燃費の車を購入 → ガソリンを使わない → お金を使う量が減る → 家計に優しい → お母さん嬉しい!
こういう流れでしょうね。
では、住宅の燃費は気にしますか?
う~ん・・・。今度は、逆にほとんどの方が気にしたことがないと答えると思います。っていうか、わからない。
では、分かりづらいので燃費という言葉でなく、「省エネ」という言葉にしてみたらどうですか?
ちょっとは関心がある人が増えるのではないでしょうか?でもほとんどの人はまだ「ふ~ん・・」くらいの気持ちじゃないでしょうか。
住宅の燃費、つまりその家で生活するために光熱費がどれだけ必要か? っていうことであり、省エネ住宅とはそのエネルギーをどれだけ使わないかということです。
生活するにはお湯だって必要だし、夜になれば照明つけるのは当たり前じゃないの?
光熱費が安くたって、建築費が高かったら意味ないじゃん?
- 大学へ進学する子供の学費 ○百万円?
- 古くなった車を買い換える費用 ○百万円?
- 壊れた家電を買い換える費用 ○十万円?✕いくつ?
- もしかしたら病気になるかもしれない・・・
省エネ住宅なんて必要ない?
再び言いますが、車はなぜ低燃費を追い求めるのでしょうか? そしてあなたはなぜ低燃費の車を購入するのでしょうか?
それはガソリン代が安く済み、家計に優しいからであり、そのほうが中古車として売却する際にも人気があるからですね。(地球環境に優しいという理由もあります)
1リットルあたり10kmしか走らない車と、最近のハイブリッド車のような1リットルあたり30km走る車とでは、ガソリン代に雲泥の差が生まれます。
住宅も同じです。
さらに、5年毎に乗り換える車と違って、そう簡単に乗り換えれない住宅では、その差がもっと大きくなります。
1ヶ月の光熱費が25,000円かかる住宅と12,000円で済む住宅とでは、年間にすれば 12ケ月✕13,000円=156,000円もの差が生まれます。
これを30年間続けるとして、30年✕156,000円=4,680,000円 になります。月々わずか13,000円の差であっても、30年間で考えれば約5,000,000円もの差が出るのです。
高級車一台くらい買える金額です。
では、その月々の光熱費を13,000円分安くするにはどうすればいいのか?
この記事中にすでに何回も言葉に出ている「省エネ住宅」にすればいいのです。
そうすれば、30年で約5,000,000円もの差が出て、他の事にその資金を使えるのです。
この金額の差を見ても、まだあなたは省エネ住宅にしたくないでしょうか?
ここから省エネ住宅の本質を教えます。
将来失敗したくない人はどんどん読み進めてください。
どうやれば省エネ住宅にできる?
「省エネ」とは、なるべくエネルギーを使わないということ。
住宅でいうエネルギーとは、電気・ガス・水道などです。ちなみにこれらを一次エネルギーと言います。
では、電気を例にして「どうすれば省エネにつながるか」を考えてみます。
なるべく電気を使わない為には?
住宅で「電気」を使用するものは、エアコンやこたつ、扇風機などの冷暖房器具と、テレビや照明器具、冷蔵庫などの家電製品、お湯を造るエコキュートなどの給湯設備があるでしょう。
これらの機器をなるべく使わなければ電気代は安くすみます。
でも、暑ければエアコンをつけたい、寒ければこたつをつけたい。
ということは、暑くも無ければ寒くもない状態であれば、そのような冷暖房器具は使わなくて済むということになります。 季節で言えば「春」くらいの気候であれば暖房なんてつけませんよね。
つまり、あなたの家の、もっと言えば家中全ての環境を春の気候に近づければいいんです。
家の中を春の気候に近づけるには?
季節によって暑い・寒いという気候を、人間には調整することができません。
でも住宅内という狭い空間で考えれば、調整して対応する方法はいくらでもあります。
簡単に言えば、外部の暑い・寒いという気候を家の中に入れなければいいんです。外壁や屋根などでシャットアウトすればいい。
住宅には床・壁・天井(屋根)に断熱材という部材があります。この断熱材をより良い部材で施工すれば外部の暑い・寒いを家の中への影響を少なくすることができます。
また、実は熱の影響を受けることが一番大きい住宅の部位はサッシ(窓)です。これも熱を伝えにくい高性能なサッシ(ガラス)にすればいい。
そして熱が侵入してくる目に見えない「隙間」も減らせれば、より高い省エネ性能に繋がります。
熱伝導率も同様に熱の伝わりやすさを表す数値であるが、熱貫流率は建物の壁や窓などの部材の断熱性能を表す数値として用いられます。
熱貫流率の単位はW/(㎡・K)で表し、数値が低いほど断熱性能がいい(熱が伝わりにくい)ということになります。
省エネ住宅は「今のあなた」の為だけではない
地球温暖化が引き起こす未来
地球温暖化という言葉は誰でも聞いたことがあるでしょう。ときおりニュースでも「明日は3月下旬並みの気温となるでしょう」みたいなことを1月の段階で言っていたりします。
地球温暖化の原因は、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素やメタンやフロンなどの温室効果ガスが大量に排出され、大気中の濃度が高まり熱の吸収が増えた分、地球全体の気温が高くなるのです。
- 氷河が融けて海面が上昇
- 絶滅危惧種の増加
- 感染症の発生
- 降雨パターンが変わり、猛威をふるうハリケーンなどの増大
- 病害虫の増加に伴う食糧難 など
今のあなたには影響がなくても、将来のあなたには確実に影響がある
ヒートショックと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
浴室は住宅の北側にあることが一般的に多いため、特に冬場は浴室の気温が家の中の他の場所と比べて低くなる傾向にあります。暖かい部屋から寒い浴室に移動することで体が熱を保持するために血管を収縮させ、結果として血圧が上がります。そして、お湯に浸かることで血管が拡張して血圧が下がるといった急激な血圧の変化が何回も起こります。
「STOP!ヒートショック」より引用
こうした血圧の変動により、心筋梗塞や脳卒中も伴う意識喪失につながるのが「ヒートショック」です。
出典 消費者庁 高齢者の「不慮の溺死及び溺水による発生月別死亡者数(令和元年)より
省エネ住宅は「高くない」
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。.
住み続ける上での生涯コストを計算
生涯コストを計算する前に知っておいてほしい情報があります。
それは、年々電気代が上昇しているという事実です。
いったんは原油価格の下落などにより低下しましたが、2010年と比べても確実に電気代は高くなっています。
原因は燃料価格の高騰や再生エネルギーのコスト(各家庭への賦課金の上昇)によるものです。年率にすると約2%づつ電気代が上昇しているそうです。
今後も電気代の上昇は避けられず、各家庭への負担は増していくばかりです。
これを前提に、私が独自に50年間の電気代を計算してみました。
現在の普通の住宅の電気代が20,000円だったとして、省エネ住宅では15,000円以下にすることは十分に可能です(地域により光熱費は異なります)。さしあたり省エネ住宅の電気代が5,000円安くなると仮定して、それぞれで50年間の電気代の合計を計算してみた表になります。
この表をみると、大きな差が出ることがおわかりいただけると思います。電気代がこのまま年率2%上昇していくと、50年間の電気代の合計では約5,000,000円もの差が生まれるのです。
まず、電気代だけでこれだけの差があるということを頭に入れてみてください。
省エネ住宅は
いかがでしたか?
省エネ住宅の本質がおわかりいただけたでしょうか?
省エネ住宅にするためには、確かに建築コストが上昇します。しかしよくよく考えてみると結果的には安いことがわかっていただけたでしょうか?資金に余裕がない方こそ、省エネ住宅にするべきなのです。
ここまで読んで頂いた方は、きっとZEH基準以上の省エネ住宅を建築しますよね。
今そのコストをかけても十分にそれ以上の価値があり、さらには省エネ住宅のほうが毎月の出費を抑えられるのですから。
もっと言えば、太陽光発電などがあればもしもの災害時に非常用電源として役に立つかもしれません。余裕がもうちょっとあるようであれば蓄電池を備えればさらに災害に強い住宅にすることができます。言い換えれば省エネ住宅は災害対応住宅でもあるのかもしれません。
また、家中で快適に過ごすことができる省エネ住宅では、家族の健康にも寄与します。快適な生活では風邪もひきづらくなるのかもしれません。
いつも健康な家族であれば、いざという災害時にも体力があります。寒い住宅に住んでいる体力がない家族では、災害時の体調管理にも気を使わなければなりません。
さぁ、あなたの、あなたの家族のための生涯計画を考えて、省エネ住宅で過ごしてみませんか?
省エネ(ZEH基準)住宅は確かな設計と、それに見合った見積もりを出せる住宅会社に依頼しましょう。目指す省エネ基準も会社ごとに異なります。あなたのライフプランにあわせた省エネ住宅を提案してもらうには、タウンライフ家づくり一括見積もりが便利です。
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