そんなつもりじゃなかった・・・
なんでこうなるの?
これ、アカンやつや・・・
建売住宅を購入するならまだしも、現物を見てからの購入ができない注文住宅。
せっかく夢に描いたマイホームなのに、計画中や完成後にあることが原因で憂鬱に感じてしまう「マイホームブルー」になってしまう場合があります。
この問題に陥ってしまった方の原因は様々です。
- 思っていた広さよりもかなり狭いリビングにうんざり
- 大丈夫と思って計画した動線がかなり使いづらい
- 近所付き合いが大変で外にも出たくない
- 庭が狭すぎて何もできない
- 車の出し入れが悪すぎる駐車場で一苦労
- 引越ししてみたら荷物がしまえない収納ばかり
- 子供が元気なのはいいけど傷だらけの我が家 etc…
実はこれらの問題のほとんどは回避する術があるのです。その理由を知っている建築士は例え自分の家を建てた場合でもマイホームブルーになりません。
そうなんです。一般の方は原因とその理由を知らないからマイホームブルーになるんです。
原因とその理由を知れば、ほとんどの問題は未然に回避できるものです。この記事ではあなたがマイホームブルーにならない為の心構えと気をつけたいポイントを、住宅に関わって25年の建築士が解説します。
マイホームブルーの代表的な原因
様々な原因がありますが、マイホームブルーになってしまった方の代表例です。
夢に描いたマイホームとのギャップ
明るいリビングで楽しい生活を想像していたのに、昼間でも電気つけないと真っ暗・・・
こういった原因は「実際に出来上がった状態を想像できなかった」から陥ります。逆を言えば完成後の光景をある程度想像できていたのなら、誰でもなにか対応できるはずです。
そうは言っても想像なんてできないよ。。。って言う方がほとんどかもしれません。いくつもの現場を見てきた建築士なら容易に想像できる完成後の光景も、見たことがない一般の方には難しいものです。
他にも、完成後を想像できないがゆえに生まれるギャップがあります。
- 部屋の広さ
- 照明の明るさ
- 段差の高さ
- 家の中の距離
- 使いやすさ
厳しい言い方ですが、夢に描いたマイホームはあなたの勝手な想像です。しかし、あなたが後で感じるそのギャップは現実なのです。
ご近所付き合いが大変
ご近所の方にものすごくうるさい方がいて・・・毎日会うのも億劫になってきちゃった
どこに家を建てようが、建て替えで無い限り新しい環境での生活になります。この新しいお付き合いに馴染めず、憂鬱に感じる場合があります。
普段の生活上だけでなく、ゴミ出しの日や町内会の会合、地域によっては回覧板を届ける際にもご近所付き合いはあります。あとは子供の学校、習い事などでもお付き合いはあるでしょう。
ランニングコストが大変・・・
家のランニングコストとは、その家に住む限り発生する費用のことです。このランニングコストが予想していたよりも多くかかってしまい、毎月の支払いに頭を悩ます場合があります。
- 住宅ローン
- 税金(固定資産税など)
- 光熱費(電気代、ネット代、ガス代、水道代、下水道使用料など)
- 維持管理費(各部材のメンテナンス費、浄化槽などの維持管理費、シロアリ防蟻費など)
- 駐車場がない場合はその費用
どれもこれも家を維持するためにはどうしてもかかってくる費用ですね。住宅ローンのことは誰でも初めに考えますが、思わぬ維持管理費に後から気づく場合がほとんどでしょう。
マイホームブルーにならない為に
マイホームブルーにならないためには「家造りのスタート時に様々なシチュエーションを具体的に考えておくこと」です。
例えば、理想のマイホームとのギャップを防ぐためには数多くの”現実”をしっかり見て把握することが大切です。「きっとこうなるんだ」なんて適当な理想だけで物事を決めてしまうと、間違いなく理想とはかけ離れたものが出来上がります。
家のランニングコストも住宅会社のスタッフに教えてもらい、あなたの家にかかる一生涯の費用をなるべく細かく把握しておくことが必要です。
ご近所付き合いに関しては、そこに住まない限りわからない事もあるでしょう。しかし土地を決める前に周辺環境を十分に観察することはできるはずです。土地までのルートを車で行くのはもちろんですが、時には周辺を歩いてみたりゴミ出しの日の朝に行ってみることなどを行えば、多少なりともご近所の方との会話があるかもしれません。
現実を見て理想とのギャップを埋める
- 住宅展示場やモデルハウスあるいは建売住宅を見学し、自分の理想に近い家をじっくり観察する
- 友人の家を参考にする
- 今住んでいる家の不満点をしっかり洗い出す
- 住宅会社のスタッフには自分が言いたいことは我慢しない
- 知り合いで最近家を建てた人の話を聞く
決してInstagramに掲載された素敵な写真だけで家のイメージを判断してはいけません。
周辺環境をしっかり観察し、思い込みをなくす
- 車だけではなく、徒歩で周辺を歩いてみる
- 雨の日、晴れの日と天候が違う日に行ってみる
- 時間帯を変えて行ってみる
- ゴミ出しの日に行ってみる
- Twitterなどで地域の話題を探してみる
周辺環境を知るためには、とにかくその場所へ足を運んでみることです。時間帯や曜日によって思わぬ不満が発生しているのかもしれませんよ。
自分の支払える金額をしかっり把握し、細かいところまでコストを考える
- ランニングコストは住宅ローンだけじゃない
- ギリギリな資金計画は避け余裕を持った計画を行う
- 住宅会社のスタッフに教えてもらうことも大切だが、自分も勉強してみることが重要
マイホームブルーになってしまったら
もしマイホームブルーになってしまったら、無理をせず環境を変えて見ることをオススメします。
なにも築1年でリフォームしたっていいじゃないですか。思い描いていたあなたの理想とは違った家ができてしまったのですから、今度は目の前にある現実をしっかりと見ることができるんです。
目の前にある問題点を今度こそは十分に洗い出し、理想のマイホーム近づけるリフォーム工事をしてみてください。
またリフォーム工事が資金的に難しいようなら、インテリアの飾りを変えるだけでも気分は変わるはずです。家具の配置を変えてみたり、観葉植物を置いてみたり手軽にできることからやってみると思いがけない発見があるかもしれません。
まとめ
あなたのマイホーム人生はスタートしたばかりです。その”家”も人と同じように成長させ自分色に染めていけば、きっと小さな幸せから始まり、憂鬱に感じていたことも忘れてしまうかもしれません。
何十軒、何百軒という家造りのお手伝いをしてきた建築士は、様々な家を見ています。メリットもデメリットもそれをすることによって起こるであろう将来も、過去のお客様の体験談から想像できるのです。だから完成後に「なんでこうなるの?」っていうことはありません。
これからマイホームを計画する方は、しっかりと現実を受け止め確かな情報をもとに素敵なマイホームを考えてみましょう。
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