構造梁を露出し、デザインとしてみせる住宅の間取りとデザイン 

構造梁の見える家
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今回のご紹介する住宅の間取り提案は、構造梁や柱の木をあえて露出しデザインとして魅せる住宅です。

はじめに言っておくとこのプランはデメリットが、かなりあります。

  1. 室内壁がありませんので、外張り断熱で断熱施工する必要があります。
  2. 室内壁、天井がありませんので電気配線等の本来壁の中に隠れる部材をキレイに施工する必要があります。電気屋さんんも施工が大変。
  3. 1階の天井がありませんので、普通に施工すると2階からの足音等がもろに聞こえます。対策として床遮音材などを2階の床に施工する必要があります(気にしないならいいですが)
  4. キレイ好きな方には向きません。
  5. 何事もピシッとしてないと許せない方には向きません。
  6. ささいなキズでも文句言う方は絶対に無理です。
  7. 当然ですが木目が嫌いな方は絶対に無理です。
  8. 施工する大工さんなどの職人さんがものすごく大変です。
  9. 防火上、外壁下地合板に吉野石膏のEXボード等を使用する必要があります。
  10. 防火仕様上、IHヒーター限定です。ガスコンロはNGです。
  11. 家族間の完全なプライバシー確保は難しいです。
  12. 自分でいろいろな事をやろうと思えない人には向きません。

以上のことが許せる方はご参考にどうぞ。

※このプランは実際にお客様の倉庫兼作業部屋として施工しました施工例を基に、住める要素を加味し発展させた住宅版です。

目次

間取り

1階の間取り
1階の間取り
2階の間取り
2階の間取り

延床面積 106㎡(32.06坪)の1LDKの間取りです。

間取りはものすごくシンプル。

1階も2階も間仕切り壁がほとんどありません。家の耐力壁は基本的に外周面で取得する考えです。

1階

玄関を開けると土間がリビング方向に続いて伸びています。

構造梁を見せる間取りの玄関

この画像の正面に見える木目の壁は構造用合板を張るイメージです。
画像では表現できませんが構造用合板には本来その合板の厚さや種類などが印刷されたスタンプがあります。
これもそのまま施工していただきたい。
この家の1階全てがそうですが、そういった構造要素がそのまま露出しますから、それが味だと思うんです。私は。

初めに書いたデメリットの中で大工さんがものすごく大変であると書きましたが、その理由はこれら留め付ける梁や柱、露出する構造用合板などを施工するときに汚してはならない、傷つけてはならないためです。上棟作業のときから気を使う必要がある。
また留め付ける釘などもかなり気を使って施工していかないと、その釘でさえもデザインの一部として露出しますから施工する大工さんがものすごく大変なのです。

玄関に上がって左側にLDKがあります。

構造梁を見せるリビング

正面に見えるバッテンの部材はスジカイです。

基本的に外周面の構造用合板で耐力は確保できますが、あえて露出したスジカイも配置しデザインとしてみせました。
この場合もスジカイを固定する方法を考え、可能な限りキレイに見せなければなりません。(どうでもいいなら普通のスジカイ金物でいいですけどね)
できれば3寸角などの太い木材でスジカイを造り、ボルト固定などがいいかもしれません。

床は雰囲気にあるように無垢の床材を使用しましょう。メーカー品のフローリングでは雰囲気出ません。できれば無塗装の無垢材を使用し蜜ロウワックスなどで仕上げる方法がおすすめです。

階段

すいません。階段も無垢の板で造りたいものですが、画像的にキレイに表現できなかったのでメーカー品のようなツルッとしたものでパース表現しております。

この家の場合、踏み板や蹴込み板も無垢の木材で造りたいですね。できれば手すりもメーカー品でなく無垢の木材を成形して大工さんにつくってもらいましょう。

白い壁の部分はしっくいや珪藻土などの素材で仕上げましょう。ビニールクロスでは雰囲気でません。
ですが、青い壁の部分はビニールクロスです。

なぜか?

この部分は洗面所だからです。洗面所の外側の壁ですから関係ありませんが、やっぱりしっくいなどの仕上げ材だとメンテナンスが大変です。

ちょっと汚れた手で触ったら、なにかぶつけてしまったら、とやっぱりメンテナンス性ではビニールクロスのほうが楽です。ですのであえての表現としてビニールクロスでイメージ画像つくってあります。(でも色のついたビニールクロスでは補修が大変なんですけどね。白いビニールクロスであれば市販品のボンドコークや補修材である程度キレイに補修できますから)

キッチンエリアの画像
イメージパース作成上、壁にツヤが出て反射しまっていますがお許しください

キッチンも業務用のシンクなどで、あえて配管が露出するものでもいいでしょう。
今回は作業性を考慮し、一般的なメーカー品のキッチンを設置してあります。

土間からリビング方向をみた画像

土間からリビング方向を見た画像です。

土間はきれいなタイルではなく、モルタル仕上げが雰囲気にあうでしょう。ですがこれも絶対に靴の汚れなどで汚れてきますし、綺麗なまま保つことは考えてはいけません。これらが許せない方はやめたほうがいい。

土間の画像

広い土間で様々な趣味の空間として使用できます。
画像のように自転車を置きメンテナンスする空間でもいいし、観葉植物をおいてもいいでしょう。

この土間の空間は自分の色に染める空間として使ってもらいたい。

それが生活空間のリビングのすぐ横にある。これってすごくステキではないですか?

ここでまたデメリット。ホコリや玄関の靴のにおい、外だか中だかわからないリビングになりますから、これも許せない方にはおすすめしません。

2階

なにもない2階の画像

2階は構造躯体を見せずに、あえての真っ白い空間としました。間仕切りもありません。

自分で自由に飾っていただく2階です。

こんな風に洗濯干場として2階の一角を使用してもいいでしょう。

洋室の画像 洗濯干場

こんな風に自由に家具で間仕切ってもいいでしょう。

寝室の画像
子ども部屋の画像

しかしここでまた、デメリット。
生活の空間を自分で間仕切ってもらうため、電気関係の配置に困ります。
照明の位置、コンセントの位置、どれも配置が難しい。
照明はダウンライトを多数部屋中に配置し、ある程度エリアごとにスイッチ分けしておけば対応できるでしょう。
しかしコンセントはそもそも内側の間仕切り壁がありませんから、外側の壁にしか配置できません。

エアコンも効率は悪くなります。
対策として、外張り断熱で十分な断熱性をもたせ、家全体を高気密化し全館空調のような少ないエアコンで家全体をまかなう考えで対応しましょう。

※そもそもエアコンを使わない生活がこの家には合うのかもしれませんが。

また家族内でのプライバシー確保は難しいです。これを気にしない家族でなければ、とても生活できません。お父さんのいびきはもろに聞こえるし、子供のゲームの音も直で聞こえてきます。

ですがそれがいいんです。

いつ誰が何やっているかすぐわかる。いるのかいないのかすぐわかる。大声で呼べばすぐに聞こえる。

どうですか?メリットと考えられませんかね?

外観

外壁も素材感のある材料で仕上げましょう。

木っぽい外壁材や、石感のある外壁などが家の雰囲気にあいます。

この画像では、KMEWのネオロック光セラ16 フィエルテ フェイルてチタンレイヤーの商品でイメージ画像造りました。

まとめ

自分でカスタマイズできるから、家族構成が変わっても柔軟に自分で対応できます。

ささいな事は気にしない、木材が好きで構造躯体に興味のある、趣味をもった家族に住んでいただきたい間取りでした。

かなりのデメリットを許容できる方でないと無理ですが、自分でカスタマイズし自分色に染めた家であれば、きっと訪れたお客様も興味津々で見てくれるでしょう。

この家で育った子供も、大人になったときにきっといい方向に思い出が残っていると思います。

これから家造りするなら!

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