後悔する理由は、その家での生活を思い描けていないから。しっかりとイメージしてみてください。
よくある住宅の失敗例は下記のようなことでしょうか。
- コンセントの位置に失敗した!
- 収納がすくない!
- 動線が自分のスタイルとあわない!
- 吹き抜けをつくったけど、思いの外冷暖房効率が。 など
夢のマイホームで後悔しないためにも、下記の事例を参考にしてみてください。
まだ子供が小さいから今は大きく一部屋に。将来間仕切ることができるようにしてください。
まぁ、やりません。
今まで何軒もそのようなご要望を聞いて、将来間仕切ることができるようにドアを2つつけたり、わざわざスイッチと照明も2個つけたりしました。
間仕切るリフォームをしたのは、ほんの数軒の方だけです。
子供も大きくなるにつれ自分の部屋を持ちたくなるでしょう。でも小さい頃からその環境になれていると、それが当たり前になり、性別が違う子供ならまだしも、同性の子どもたちであればむしろ一緒のほうがいいからです。
親も子供が高校生くらいになっても不満がないなら、そこにコストを掛けたくなくなります。あと数年で家を出ていく可能性があるのですから。
ゆえに、はじめから間仕切ってください。子供のために。
収納はこのくらいでいいから、部屋を広くしてください。
よく考えないと収納場所がなくて後悔します。
昔からよく言います。物は増えるモノ。収納は多すぎても困らないと。
でも中途半端に大きすぎてもだめです。自分が入れるものを想像してシミュレーションしてください。その量にプラスαしたくらいが丁度いいです。
不足すると嫌だからと大きすぎる収納を作っても、中途半端な部屋では収納には大きいし、部屋にするには小さいし・・・といったことになります。
また部屋が広いとその部屋自体に物が散乱しがちです。
重要なのは、その部屋で使うもの、しまう場所を十分に検討しその部屋に見合った収納空間をつくることです。
LDK周りに収納はちゃんとありますか?掃除機、読みためた新聞の収納場所、買い置きの食料品のストック場所などは、廊下にある収納よりもリビングに面した収納のほうが近い勝手が良いはずです。
コンセントが少ないと後悔するって言われるから、多めにお願いします
まぁ、使わないコンセントだらけになります。
コンセントは少なくていいと言うわけではありません。しっかり家具の配置や家電の配置を考えてください、ということです。
たとえコンセントでも追加すればオプション追加費が請求されるはずです。将来使わないコンセントに無駄なコストかけても仕方ありません。
住宅会社のスタッフはプロです。その間取りを見れば大体の家具の配置は頭の中に浮かんでいます。そのイメージをじっくり聞いてください。それがもし自分の考えと違うようでしたら、なぜその配置なのかじっくり検討してみてください。
きっとプロの意見のほうがあっていると思うはずです。
開放感があるリビングがほしいから、吹き抜けにしてください
断熱性能にはこだわりましたか?窓の配置に気を使いましたか?
吹き抜けの高いところにある窓には、あまりブラインドなどの遮蔽物はつけないでしょう。そもそも日光を入れるために吹き抜けにして窓をつけるのですから、さんさんと日光が降り注いで当たり前です。
特に天窓。
なにも無いとその下の日光が当たる部分は結構暑くなります。住み始めてから、いまさらその高いところにブラインドをつけるにしてもコストかかるし・・・
また最初から高いところにある窓にブラインドなどを考えると、電動は必須です。
でも、電動のものはいつか壊れます。補修費にコストがかかります。
案外、寒さ対策よりも暑さ対策を考えておいたほうがいいです。
温かい空気は上に行きます。シーリングファンいりませんか?
リビングの一角に畳スペース3畳つくってください
使わないでしょうね。3畳の畳スペースなんて。
畳スペースがほしいのなら、せめて4.5畳はほしいところです。3畳だと何をするにしても狭い。畳の上だけでは何もできません。
よくあるのが、まだ小さい子供を寝かせたいから畳スペースがほしいんです、って言われます。私は普通にフローリングを施工して、その上の置き畳を提案します。
子供は必ず大きくなります。
屋上をつくりたいんですけど
屋上で何をやります?
明確な返答ができれば大丈夫です。ただの憧れだけでつくると、まぁ屋上なんて行かなくなるでしょうね。
2階建ての建物の屋上だと、3階の位置になります。3階まで階段で登るって結構きついですよ。そのうちしんどくなる。
ましてや屋上でバーベキューや、椅子をおいてゆっくり読書でもしたいんだよねって言う方がいます。キッチンって1階にありませんか?そこから荷物をもって3階まで行きます?
はじめは行くでしょうね、せっかくつくったんだから。
明確な目的のない屋上は半年もすれば行かなくなります。
ウッドデッキに憧れていたんです。
なにやります?そこで?
これも明確な回答ができればいいです。でも返答できないようであれば、多分使わなくなります。メンテナンスもしなくなる。5年もすれば解体です。
まぁ、デザインアクセント目的のウッドデッキも有りでしょう。その場合はメンテナンスのいらない人工木デッキのものを必ず選択してください。
また周囲からの目線も気になりませんか?目隠しいりませんか?
また間違っても金額が安いからと言って、普通の木材のウッドデッキは作らないように。きっとこまめな塗装なんてしません。
和室を小上がりにしてください
年取ってからしんどくなりますよ。その中途半端な段差が。
小上がりにすると、建具がなくても部屋を明確に仕切ることができます。また高低差があることによって空間に広がりを、アクセントにもなっていい空間になるでしょう。
でも何のために小上がりにします?
大体の方は”見た目”ではないでしょうか。
将来のことも考えてみてください。
ベランダはやっぱり広いほうがいいよね
何します?その広いベランダで?
これも屋上と同じです。所詮は”そと”です。いちいち靴をはいてベランダに出るってめんどくさいもの。
ベランダに洗濯物を干す用途の方も多いでしょう。でも洗濯機は1階にありませんか?
洗ったばかりの重たい洗濯物を毎日2階のベランダまで干しに行くのはしんどいはずです。
乾いた洗濯物をたたむスペースありますか?
ベランダが子供部屋に面してませんか?
ベランダに屋根はかかってますか?
都市部の住宅であればまだしも、洗濯物干場以外の用途がその広いベランダにしっかりとありますか?
屋根があるベランダと、ないベランダでは汚れ方が大違いです。結構汚れます、ベランダって。
逆によく使う方は、ベランダに水栓をつけるのを忘れずに。
シーリングライト周りに、アクセントでダウンライトつけてください
そんなダウンライトのスイッチを入れるのは、もって3ヶ月です
部屋の中央部にしっかりとしたシーリングライトがあって、部屋の四隅にダウンライトをアクセント目的でつけてくださいとよく言われます。
そのようなご要望のとき私は、部屋をどのように使うか聞きます。
雰囲気のいい、夜に照明をつけるとかっこいい空間がほしいという方にはダウンライトだけの配灯パターンを提案します。もちろん部屋の広さにあわせてそのダウンライトの個数は計算します。
シーリングライトがあるとだいたいの方は明るいシーリングライトしか使わなくなります。大体の人間は明るいほうがいいからです。
明確な目的があればいいですよ。ちょっと暗い感じにして映画鑑賞したいとか。
でもまだ小さい子供がいる時にリビングで映画鑑賞します?皆さんなにかと忙しいはずです。
ロフトが憧れです。ぜひプランにいれてください
はしごで登ります?そこに。
ロフトってはしごで登りますよね。脱着式のはしごもありますから使わないときは壁掛けにして邪魔にならないようにもできます。
でも、だいたいそのままです。
かけたらかけっぱなし。はずしたらはずしっぱなし。
女性や子供にはちょっと重いはしご。まぁ動かしません。お父さんは手伝いませんので。
また子供の寝る場所にって思っている方は、空調に気を使ってあげてください。部屋は通常の暑さでも、上にあるロフトは別世界です。酷暑です。
とても寝られない暑さのロフトなんて誰が行きます?
無垢のフローリングにしてください
無垢のデメリットをしっかり理解してますか?
無垢のフローリングには、工業製品のフローリングにはないぬくもりや風合いの良さなどのメリットがあります。
でもデメリットをしっかり理解していますか?
ちゃんとメンテナンスできますか?
定期的なメンテナンスに自信がないのなら、合板系のフローリングをおすすめします。ノンワックスだし傷はつきにくいし。
家具や生活備品を移動してのワックスがけできますか?
まとめ
少し否定的な書き方をしてしまいましたが、明確な目的があればいいんです。ただの憧れだけで選ぶと後悔します。
家は必ずメンテナンスが必要です。
使わなくなったものはまずメンテナンスしなくなる。メンテナンスしないとダメになるスピードはどんどん早くなります。
よく考えてみたらやっぱりやらないかっていうことも多いはずです。
それよりも華はありませんが実生活の方にコストを掛けたほうが幸せになれるはずです。
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