お部屋のアクセントを足したり、インテリアの格調を高めてくれる「腰壁」。
あなたのマイホームテーマが大正ロマンなどの「アンティーク」であるならば、絶対に取り入れたいインテリアアイテムです。そしてアンティーク用途だけでなく、自分の求めるインテリアを具体的に演出しやすい腰壁は、人とは違うインテリアを探している人にはぴったりなアイテムでしょう。
しかし、腰壁自体の高さや色でお部屋のイメージは大きく変わりますから、設置した腰壁が、求めているインテリアとかけ離れたものになってしまっては悲しいものです。
この記事では、腰壁の様々な高さの検討と、多種多様な腰壁素材をご紹介します。
人とは違うインテリアを造りたい方は、ぜひこの記事をあなたの腰壁インテリア作りの参考にしてみてください。
腰壁の高さはどのくらいがベスト?
まず、設置しようとする腰壁の高さの違いが、インテリアにどの程度影響するするのか検証してみましょう。
建材メーカーが販売している一般的な腰壁の高さは約90cmが一般的です。ビニールクロスなどで腰壁用としてラインナップしている柄もほとんどが90cmですね。
よって、腰壁の高さは90cm前後で作られていることが多いとすると、この高さで施工するのが「見慣れている高さ」ということもあり一番しっくりくるのかもしれません。
しかし、無垢の板材などを大工さんに加工してもらって設置する場合は、素材だけでなく高さも施主であるあなたの自由です。天井に近い高さまである腰壁(こうなると腰とはいえませんが)でも、膝くらいまでの高さしかない腰壁であろうがすべて自由です。
では、その「高さの違い」でどのように雰囲気が異なるのか検討してみましょう。
腰壁の一般的な高さである「90cm」
おそらく世の中の腰壁で、一番多いであろう高さです。
まぁ、これが普通であり、お部屋に腰壁を求める場合には特にデメリットもなくいい雰囲気になっていますね。
ちょっと高めの「120cm」
このお部屋の天井の高さは2m40cmですので、壁のちょうど半分の高さまでを腰壁とした場合です。
なんとなくアンバランス感が否めません。
見慣れていないという理由だけでなく、全体的に「腰高」に感じてしまい、お部屋の不安定さを感じてしまいますよね。せっかくの腰壁なのにどっしり感がありません。
背の高さくらいある「180cm」
なかなか見ないであろう一般住宅での背の高い「腰壁」です。
お部屋の広さや天井の高さに対して腰壁が主張しすぎで圧迫感を感じます。
このような背の高い腰壁は博物館や学校などで見かけたことがあるかもしれませんが、住宅でももっと広いお部屋や吹き抜けなどの広大な空間に対しては有効な高さでしょう。
レッドカーペットを敷いた洋館などにありそうですよね。
いかがでしたか?
吹き抜けなどがない一般的な住宅では、やっぱり高さ90cmくらいの腰壁がベストな高さでしょう。腰高に感じて不安定さもなく、腰壁に求めるどっしりさも演出できるベストな高さですね。
腰壁の色は何色がいい?
腰壁は何色がいいのでしょうか?
これは、「設置しようとするお部屋のインテリアに合わせるのがベスト」ということになりますが、今回は同じ高さでも色によって受けるイメージが異なることを検討してみます。
先程の高さの検討でベストと思わるる90cmの腰壁のお部屋で色を変えてみます。
濃い色の腰壁
腰壁にどっしりした安定感を求めるならば濃い色がいいですね。
安い材料であっても重厚感を演出できます。
明るい色の腰壁
明るい色であれば、「どっしりさ」は感じませんが、お部屋全体が明るくなって爽やかな雰囲気に感じます。
この場合は、チープにみえないように無垢材などの素材感がある部材で施工するのがいいでしょう。パイン材やヒノキの無垢材などが適していると言えます。
しかし、上記の画像のお部屋全体の色合いはちぐはぐでバランスが取れていません。やっぱり腰壁の色だけでなくお部屋全体の色合いが大切ですね。
ポップな色で施工する腰壁
腰壁をビニールクロスなどで施工する場合は、選択できる色は無限大に広がります。
木目や石目、レンガ調に限らず、ポップな色合いのクロスを施工しても素敵な雰囲気に仕上がります。
腰壁自体の色を楽しんでみるのもいいですが、巾木や上巾木(腰壁の上端にある横方向の部材)の色を工夫してみてもいいでしょう。
オススメな腰壁部材
種類ごとにオススメな腰壁部材をご紹介します。
建材メーカーの腰壁
ノダ ビノイエ 腰壁
ドアや床材などを製造販売している「ノダ」というメーカー。
もちろん腰壁部材も商品ラインアップにしっかりとあります。色は7色から選べますが、仕上げ表面は化粧シート張りとなっています。
比較的に安価な部類の腰壁材ですから、ノダの建具などと色を合わせ、統一感のある腰壁インテリアをなるべく安く造りたい方にはおすすめです。
ホームページはコチラ↓
出典 ノダ ビノイエ デジタルカタログより
ダイケン システリアパネル
建材総合メーカーである「ダイケン」には数種類の腰壁部材がラインナップされています。
その中でも高級感やゴージャス感を求める方にオススメな「システリアパネル10型・20型」という商品があります。
彫りの深いデザインを実現する厚さ12mmというゴージャスさ。基材はMDFですが、表面仕上は天然木の単板張りにウレタン塗装仕上げという高級仕様。
腰壁に高級感とゴージャス感を求める方はぜひどうぞ。色は6色あります。
出典 ダイケン ホームページより
LIXIL 腰壁
サッシからキッチンや浴室に至るまで、住宅に関する部材はほとんどが揃うLIXILにも、腰壁の商品はあります。
しかし、ラシッサのカタログにちょっとだけ掲載されているだけで、あまり需要がないのかもしれません。
LIXILのラシッサシリーズのドアなどとバッチリと色が合いますから、同社のドアなどで家造りをしている方にはベストな選択肢かもしれません。
色はクリエカラーの5色があります。基材はMDFで表面は化粧シート張りとなっています。
ホームページはコチラ↓
出典 LIXIL デジタルカタログ ラシッサより
サンゲツ 腰壁シート
公共施設や病院の待合室など向けの商品でも、住宅に施工してまずいわけではありません。
このサンゲツの「腰壁シート」もそうです。
この商品の特徴は他の腰壁部材にはない、抗ウイルス・消臭機能です。
まさに待合室などにはうってつけなのですが、住宅でも廊下や玄関、トイレなどにもオススメな腰壁部材です。残念なのはビニール素材であるがゆえの高級感が少ないところ。14色の豊富な色柄から選べますから、高級感よりも消臭機能などの付加価値を求める方におすすめです。
防汚コーティングや傷に強い加工がされているのも特徴ですね。
出典 サンゲツ ホームページ SーHLOORデジタルカタログより
専用部材ではない商品で造る腰壁
腰壁は専用部材でなくても、一般的な建材を加工して施工するのもおすすめです。
無垢の木材
無垢の木材であれば、素材自体がもつ意匠性や素材感によって雰囲気のいい空間を演出できます。
パインなどの明るい木目を活かし、爽やかなリビングを演出してもいいでしょう。杉などの部材で施工すれば「和」の雰囲気にもすることができます。
また無垢材であれば、年月が経つことによる色の変化や、物を多少ぶつけてもそれがいい味になってくる経年経過も楽しめます。
タイル、石材
昔のトイレには腰の高さまでタイルが張られていることがよくありました。
それは清掃性などを求めてタイル張りとしたわけですが、ウォシュレットが一般的である現代のトイレでは、それほど壁面への清掃性は気にしなくてもいいのかもしれません。
それよりもタイルがもつ独特な雰囲気を楽しむために、腰壁にタイルを採用してもいいでしょう。
モザイクタイルやデザインタイル、高級な石材を張っても素敵なインテリアを演出できるでしょう。
デメリットは、なにか物をぶつけたときの破損や脱落などです。
出典 名古屋モザイク ホームページ デジタルカタログより
化粧パネル
無垢材やタイルなどで施工する場合は、どうしても材料費と施工費が高く付きます。
しかし、化粧パネルのような大判パネルで施工すれば、コストをある程度抑えることができます。
メラミン化粧板の最大手メーカーであるアイカでは、様々な柄の化粧パネルを製造販売しています。
ゴージャスな柄から、木目やタイル柄はもちろん、抽象的な柄までありとあらゆる柄から選ぶことができます。
腰壁を採用するにあたって気をつけたいポイント
腰壁のラインを崩す他の部材は極力避ける
腰壁をきれいに見せるためには、その腰壁ラインをなるべく途切れることなく施工するとラインが強調され美しく見えます。
逆に途切れ途切れになってしまっては、せっかくの腰壁も台無しです。
ラインを途切らせる部材は、窓やスイッチなどの住宅には必ずある部材です。
一般的なスイッチやコンセントの高さでは、あまり腰壁の邪魔にはならないでしょうが、意外と窓が落とし穴です。
腰壁を検討するようであれば、設計初期段階の窓を検討する際から全体的に考えていくことが完成度を高めるポイントです。
コンセントなどが腰壁のジョイントにぶつからないように気をつけて
先程ご紹介したダイケンのシステリアパネルなどでは、パネルとパネルの継ぎ目があります。
ここにコンセントなどがある場合、ある程度は強引に施工することはできますが、やっぱりこのようなラインにも余計な部材が食い込みたくないもの。
腰壁を美しく見せるためには、パネルの割付けなどを十分に検討し、使い勝手が悪くならない範囲でコンセントなどの位置をずらすことも重要です。
邪魔なノイズをなるべく無くす
腰壁を設置するということは、その壁においては「腰壁が主役」といっても過言ではありません。
この主役よりも脇役のほうが目立ってしまってはいけません。
上記の写真では濃い茶色の腰壁内に白いコンセントがいくつか見えます。
腰壁よりもコンセントのほうに目が行ってしまうような・・・
まぁ、気にしなければそれほどでも無いんですけどね。
まとめ
どうでしょうか?
なにも無いシンプルな壁もスッキリしていて素敵ですが、あなただけの個性のある腰壁があるリビングならば、きっとずっといたくなる大好きなリビングになるはずです。
壁全面に個性的な柄を張るのは抵抗があっても、腰壁部分だけならそれほどキツくも無いはずです。
部屋全体の統一感と、柄のセンスにもよりますが、個性的なインテリアの構築には腰壁が一役買ってくれるはずです。
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