日本の住宅では昔から格子がいろいろな場所で用いられてきました。
昨今の住宅でも、お部屋のアクセントとしてあるいは程よい間仕切りとして、この「格子」を配置する手法はよく使われます。
また、格子の材料と素材によっても得られる雰囲気はかなり異なります。
今回は木材でインテリア格子を作る際に「格子一本一本のサイズでどれだけ雰囲気が変わるのか?」を、建築CADで作成したインテリアパースでシミュレーションしてみます。
こうやってまとめて検証してみると、格子のサイズと間隔でかなり印象が異なることがよくわかります。あなたの家のインテリアに格子を配置する際の参考にしてみてください。
45×60mmサイズの格子
45×60mmサイズの格子を100mm間隔(格子の間が55mm空いている)で配置した画像です。
一般的に「格子」と言われて思い浮かべるイメージに近いでしょうか?
程よく向こう側が見えながらも、いい感じで空間を間仕切ってくれています。
では、同じ太さ45×60mmの木材を倍の間隔200mm(格子の間が155mm空いている)で配置してみます。
なんかスカスカです。
間隔に対して格子が細すぎて頼りない印象を受けますね。また格子の向こう側も丸見え状態。格子を設置した目的が果たせていない状態です。これはダメ。
60×90mmサイズの格子
次は格子を少し太くしてみます。
60×90mmの格子を、先程と同じ200mm間隔(格子の間が140mm空いている)で配置してみます。
先程の細い格子に比べ、少しだけ「しっかり感」が出ましたね。しかし 階段という部屋の用途からするとちょっと向こう側が見え過ぎな感はあります。
また格子が太くなると男性的な感じがでて良いのですが、言い換えれば無骨な感じです。またこれでもまだ間隔が空きすぎて「雑」な感じは否めません。
では、間隔を狭めてみます。
60×90mmの木材を100mm間隔(格子の間が40mm空いている)で配置した画像です。
ん〜・・。これは間隔が狭すぎて「壁」になってしまいました。見る角度にもよるでしょうが格子を設置する目的の程よい「抜け感」がない。おおぼったい印象ですね。
30×60mmサイズの格子
次は格子を細くしてみます。
30×60mmの格子を100mm間隔(格子の間が70mm空いている)で配置してみます。
格子を細くすると繊細な感じになりますが、格子の太さに対して間隔が広すぎるために、先程の45mmの格子と同じ間隔であってもスカスカ感が少しあります。場合によってはこれくらいでもOKなのかもしれませんが、この間取りでは向こう側にある階段がはっきり見える為に頼りない印象に見えてしまいます。
では、間隔を狭めてみます。
30×60mmの格子を70mm間隔(格子の間が40mm空いている)で配置してみます。
これは個人的に好きな感じです。
「格子」っていうとどちらか言えば繊細な日本的なイメージがありますが、それがよく出ている太さと間隔ではないでしょうか?
向こう側も程よく見えづらく、間隔が空きすぎて感じるスカスカ感も全くありませんね。本数が増えますから大工さんの「仕事」は大変でしょうけど。
まとめ
格子を設置する場所や目的によって、太さや間隔を変えて考えたいものです。
格子を設置することによってどれだけ向こう側が見えるかとか、お部屋のイメージがどんな風に感じるかは実際に設置してみないとなかなかイメージできないでしょう。
今回は3パターンの太さでいろいろな間隔でシミュレーションしてみました。建築CADではこのようなイメージは簡単に作成できますので、失敗する前に住宅会社などに作成を依頼してみることをお勧めします。
暗い場合(夜間)のイメージ画像です。
この画像では格子材の向こう側に照明を設置してあります。こうすると格子から漏れる「光の演出」が楽しめますよ。
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