高級家具を否定しているわけではありません。
カリモク60なんてすごい素敵ですよね?家具一つでストーリー性のある雰囲気を作ってくれる。
でもね?
その家具を購入するためにウン十万円あるいは百万円以上の予算を取らなくても、今回の記事で解説する3つのポイントを守ったインテリアにしたほうが、遥かにステキなお部屋にすることができます。全国どこにでもある、某家具ショップで購入する家具でもまったく問題ありません。
今まで私がご訪問したお家でも、このポイントを抑えてないがゆえにせっかくの高級家具が台無しになっているお部屋がたくさんあります。逆にローコストな家具で揃えてもポイントを抑えたお部屋ではとてもステキに見えます。
ではこのパース図を参考にインテリアを向上させるポイントを、200軒以上の物件に携わった建築士が解説します。ちなみに家具屋めぐりは私の趣味でもあります。
インテリア性向上の為のポイントは3つ
部屋のインテリア性を向上させる為には、下記の3つのポイントを抑えることが大切です。
①形(ライン)を揃える
上記のパース図で描いた部屋では、形(ライン)が揃っていない部分がいくつかあります。
- 空間は長方形だけど、ダイニングとキッチンの間の壁はL字型
- 奥の天井にあるダウンライトとテーブル上のペンダントのラインが揃ってない
- 奥の壁にある上げ下げ窓と食器棚が不揃い(デコボコ)
- コンセントとスイッチ、インターホンモニターの取り付け位置がバラバラ
長方形な空間の真正面に、ご丁寧に色を変えたL字型の壁がありますが、これがどうも気になります。アクセント効果を狙って色を変えたがゆえに、余計にL字型が強調されてしまっています。そのL字型の壁の奥に、色で強調された食器棚がさらに気になります。
さらに、せっかくスッキリさせるために選択したダウンライトなのに、照明器具のラインが揃っていない為にごちゃごちゃ感が強くなっています。
題材のお部屋では、全体的に形(ライン)が不揃いでごちゃごちゃ感が強く出てしまっています。
②インテリアの色は基本的に3色以内で
この部屋に色はいくつあるでしょうか?
- ドアとテーブルの色の茶色
- 床の明るい茶色
- リビング ラグの緑色
- アクセント壁(L字型の壁)のうすい水灰色
- ソファの黒色
かなり色の種類がありましたね。これでは色の要素でもごちゃごちゃ感が強調されてしまいます。テーブルやTVボードなどの家具では、メーカーを揃えないと色をバッチリ合わせることは困難ですが、おおまかな色は合わせたいものです。
③細かい部品(パーツ)を極力なくす
よ~く見ると、アクセントクロスを張ったL字型の壁にあるコンセントプレートが、どうも気になりませんか?きつい言い方をすればなにかゴミでもあるような?せっかくのアクセントクロスが台無しです。
こういうパーツが部屋中のあちこちにあると、細かいパーツでもさらにごちゃごちゃ感が強くなります。
しかし、コンセントやスイッチは生活するために必要な部品でもありますから、完全になくす事は不可能です。よってなるべく目立たない位置で、なおかつ使いにくくならない位置に配置することが重要です。
以上のポイントが守られていない部屋である為に、ごちゃごちゃとした、いまいちしっくりしないインテリアになっています。
せっかく高額なソファやテーブルなどの家具を配置しても、そのひとつひとつの家具が台無しになってしまってる。インテリアと調和していないんですよね。
では、上記の3つのポイントを抑えた上で、この部屋のインテリアを改善してみます。
重要な事は、部屋のテーマを作り上記の3つのポイントを抑える事です
テーマはカフェ風でアレンジしてみました。
このインテリアに改善する為に変更したポイントは下記の項目です。
- 奥の壁にあった窓と食器棚をなくし、横長窓と棚で長方形の要素として形を統一する
- L字型の壁をカウンターによって上下に分断し色を変え、部屋の形の要素を合わせる
- 入り口の建具や窓上にあった小壁をなくし、ロの字状になっていた壁の形の要素を揃える
- 床、建具、家具の茶色を、おおよそ近い茶色で統一
- アクセント色はグレー系で統一(ソファ、ラグ、アクセント壁、ペンダント照明)
- 照明器具のラインを揃えてスッキリと
- アクセント壁にあったコンセントは無くすか移動する
- インターホンモニターと部屋のスイッチを、タテのラインを揃えた位置に移動
最後に、差し色として緑を加えてあります。
重要な3つのポイントを守ったインテリアで、初めのお部屋からかなり改善し、オシャレな部屋になったのではないでしょうか?
人によって好みのインテリアはバラバラです。しかし一つのお部屋でバラバラになってしまうと、高級家具でもその「家具がもつチカラ」を発揮できません。
パーツごと見ていても空間全体のイメージは把握しずらいものです。住宅会社や建築士に依頼すれば、上記のような立体的なカラーイメージ図はすぐに作成してくれますから、お気に入りのお部屋のテーマを決めた上で、今回の記事で解説した3つのポイントを守ってステキなインテリアを実現してみてください。
コメント