住宅図面の見方その① 平面図に書いてある寸法の910って何?なぜ910?

住宅を建築する際に必ず見る図面。

配置図、平面図、立面図、矩計図、断面図・・・

どれもこれも専門的で難しいですよね。

その図面の中でまず目にするのがプラン図です。(専門用語で平面図といいます)

あなたが自分の家のプラン図を受け取って、平面図に書いてある寸法の「910ってなによ?なんでこんな中途半端な寸法なの?」って思ったはず。よくよく見ると、

1,820とか3,640とか全部中途半端じゃないか!

イライラしないでください。これには理由があります。

今回は住宅図面の中で一番最初に目にする平面図の見方「寸法」のお話です。

なぜ910?900ではダメなんですか?

別にいいんです、900だって。

ではなぜ910なのか?その10ってなんでしょうか?

モジュール

モジュールとは建築や資材の基準となる区切り(スパン)を表します。マス目に区切られた方眼紙などで考えればわかりやすいでしょうか?

建築の間取りをプランニングする際にもマス目を使います。そのマス目に合わせて2マス分を使ってトイレ、4マス使って浴室みたいに考えていきますが、そのひとつのマス目の間隔が、1モジュールです。

その、1モジュールを寸法長さで表すと910mmと平面図には書いてあるのです。

あっ、すいません。建築では寸法は全て ミリメートル単位で表記します。

で、なんで910なのよ?

尺貫法って聞いたことあるでしょうか?日本の昔からある長さや重さの単位です。

長さは尺(しゃく)、寸(すん)、分(ぶ)、厘(りん)で表します。

1尺=303.3mmです。

ということは、3尺=909.9mmとなります。つまり910mmは約3尺ということです。住宅会社によっては910ではなく、909でプランニングしている会社もありますが、理由は同じです。

この古い日本の尺貫法が元になり、910ミリメートルなんですね。だから尺では、きりのいい3尺であり、ミリメートルではきりのいい900ではなくて910なんです。

1間(けん)って言葉も聞くけど・・・

1間=1,820mm=6尺 です。

なに、間(けん)って?と思う方も多いでしょう。

間(けん)とは尺貫法で使用する長さの単位です。昔の柱と柱の間隔を1間としていました。ここから1間=1,820mmとなっています

主に東日本を中心に使われる江戸間では、1間=6尺であり
主に西日本を中心に使われる関西間では、1間=6尺5寸です。

よくこんな会話を聞く方もいるでしょうか?

間口(まぐち)は何間(なんけん)ですか?

2間です、と答えた場合は2間=12尺=3,640mmとなります。

メーターモジュールって言葉も聞くけど?

メーターモジュールとは、上記の910の部分が1000の場合を言います。

つまり1モジュール1,000mmになり、尺モジュールよりも1モジュールあたり90mm長いことになります。

建築資材はこの尺モジュールを基本としています

家の壁の下地に使用する石膏ボードや合板、フローリングなどの材料はこの尺モジュールを基本寸法として作られた製品が主流です。ボードや合板はメーターモジュール用もありますが、主流ではありません。

そのボードや合板の一枚の大きさが、910×1820とか910×2730とかで販売されています。

尺モジュールで施工する建物に、1,000mmの材料を持ってきても当然切り捨てる部分が多くなりロスが多くなります。

みなさんがよく行くホームセンターで売られているベニヤも尺モジュールの物が売られています。こっちのほうが主流だからです。

尺モジュールとメーターモジュール

「メーターモジュールのほうが90mm長いんであれば、そっちのほうがいいのではないですか?きりのいい1,000のほうが見やすいし。」

って思った方もいるでしょう。

でも昔から日本は尺モジュールで建築するのが一般的でした(尺貫法の時代から)よって先程述べたとおり、建築で使用する材料も尺モジュールを基本につくられているため、流通している材料は圧倒的に尺モジュール製品のほうが多いのです。

つまりメーターモジュール用の1枚よりも、尺モジュール用の1枚のほうが安いのです。

でも確かに1モジュールを1,000mmとしたほうが部屋は広くなります。廊下やトイレなどの1モジュールのところはなおさらです。

ですので大手ハウスメーカーを中心に最近はメーターモジュールを採用する会社も多くなってきました。これが一般化してくれば、メーターモジュール用の材料も安くなり、こちらのほうが当たり前になるのかもしれません。

よって、同じような間取りでも尺モジュールでプランニングされた建物よりメーターモジュールでプランニングされた建物のほうが、コストは高くなります

予算がある方はメーターモジュールでプランしてもらってもいいでしょう。でも予算をなるべく抑えたい方は尺モジュールでしょう。

この記事の一番最初の問題の答え

900でもいいんです。と書きましたが、1モジュール=900mmで建築してください!と言われると、できなくもないですが、ものすごくロスが多くなりコストのかかる家になるでしょう。

よって答えを訂正します。

きりのいい900でもいいけど、予算ありますか?

これが答えです。

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