同じような家でもなぜかおしゃれに見える建物ってありますよね?
当然外壁や屋根の色の違いから感じるセンスのよさ、形から感じるセンスの良さなど、おしゃれに見える要素って様々です。
今回はスゴくシンプルな家を題材に、なるべく少ないポイントで住宅の外観デザインをグレードアップするポイントについて解説します。
形はシンプルでもポイントを押さえればおしゃれに見える
今回の題材は総二階建て、切妻屋根のシンプルな建物です。悪く言えば安っぽい。
変更していくデザインテーマは、ナチュラルモダン。
このままだとスゴくシンプルです。このまま建築すればコストも安いでしょう。でも言い方を変えれば安っぽい建物です。しかしポイントを押さえたデザインを加えればぐっと素敵に見えます。
では、外観に味付けしていきましょう。
その①ファサードのラインを揃えよう
住宅の外観上必ずあるのは窓や玄関などの開口部。
当然間取り上必要な、有効な場所に設置するでしょうが、間取り上問題ないようであればなるべく部材どうしのラインを揃えてみましょう、たったそれだけで外観の印象は大きく変わります。
この住宅では、画像内に記載したAライン(縦方向)とBライン(横方向)の2つの要素があります。一番大きい要素(1階の掃き出し窓)を軸にして、Aライン(縦方向)を揃える為、2階のサッシを左方向にずらしてみましょう。
どうですか?
外観上のライン要素を揃えるだけで、結構見た目が変わったかと思います。
2階の右側の縦長の窓も1階の玄関の中心ラインと揃えてみます。
より外観が整理整頓され、スッキリしました。
その②屋根が気になりませんか?
建物のシルエットがシンプルなのに、妙に屋根が大きくて頭でっかちな外観をしています。
昔の日本住宅は屋根の出幅(軒の出)などは大きく取るのが一般的でした。ですが、和風の住宅ならいいのですが洋風の建物ですと、この屋根の出が気になります。
軒の出、ケラバの出寸法を両方とも切り詰めて見ましょう。
好き嫌いはあるでしょうが、より外観がスッキリしてテーマに合ってきました。
またその屋根の厚さ(破風という部材)も、この画像では少なく細いものにしてあります。大きい太い破風も頭でっかちに見える要素です。
その③外観の間を飾りで埋めよう
屋根の下の三角の部分、1階と2階のマドの間が、どうもすっからかんで寂しいです。
その寂しいところへデザインを加えてみましょう。
まずは屋根の下の三角の部分。
ちょっとだけコストがかかりますが(数万円程度)、切妻屋根の場合は妻飾りなどをつけると、ぐっと印象は変わりおしゃれにみえます。
妻飾りには様々なデザインが多数のメーカーから発売されています。気に入ったデザインのものを取り付けましょう。
さらに2階の窓にフラワーボックスをつけてみます。
妻飾りとフラワーボックス両方とも鋳物デザインにしてみました。ちょっとだけ外観が華やかになってきましたね。
その④色を整えよう
外壁が大部分の面積を占めますから、外壁の色を変えるだけで住宅の外観の印象は激変します。
外壁を変えるだけでもこんなに印象が変わります。
さらに上下で色を変えてみます。
一色のみの外観もスッキリしていていいですが、上下に外壁の色を貼り分けるだけでもかなり違う印象になります。
では今回は外壁の上下わけデザインを採用してみましょう。
上の方の外壁を濃い色に、下の方の外壁を明るい色にしてます。
それとサッシのシルバー色がちょっと気になりますので黒くしてみます。
また雰囲気はぐっと変化しましたね。
建物の外観を印象づけるには、あとは凹凸をつけるのも有効です。間取り上の成約もあるでしょうが、なにか出っ張りをつけるだけでも大きく印象は変わります。
例えれば「堀の深い顔の人と、日本人のようなのっぺりとした顔の人では印象が全く違う」のと同じです。
ですが、今回のテーマのひとつがシンプルですので、凹凸をつけるのはこの建物ではやめておきます。
その⑤緑一本でもあると建物はぐっと華やかになります
植栽がたとえ一本でもあると、また住宅の外観の印象は変わり、華やかにおしゃれに見えます。
どうです?まったく受ける印象が違うはずです。
また、外構工事(お庭づくり)によってさらに印象は変化します。なにも外構工事をしていないお家と、してあるお家とでは受ける印象はまったく異なります。
どうでしょうか?
ここで一番最初の画像に戻ってみてください。
もうまったく印象の違う住宅の外観になりましたね。
まとめ
建物の予算によって、施工できることは変わってくるでしょうが、ちょっとのポイントで建物の印象は全く異なります。
結論的には、建物の外観デザインは色のバランスを考えて凹凸をつければ、それなりにおしゃれに見えます。しかし凹凸をつけると工事費がかさみます。
どのみち外構工事をやる予定であるならば、建物でなく外構工事に予算をかけてみてください。これでシンプルな家でも外観デザインはぐっと向上します。
人によって好き嫌いは当然あります。またその人がいいと思ったデザインでも他の人にはあまり好印象にならないこともあるでしょう。
でも家造りでは、自分が満足できるかどうかが重要だと私は思います。
その住宅に住む自分が満足した建物には愛着が湧くはずです。愛着が湧けば建物を大切に、綺麗にしていくはずです。はじめは綺麗でも、愛着のない汚い建物ではよりダサい建物になってしまいます。
今回は比較的シンプルな家で検討してみました。おしゃれな外観にするための参考になったことがありましたら幸いです。
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