初めての家造りの知識 見えないところにこそコストをかけよう!防水紙のタイベックって知ってます?

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住宅は見た目も大事です。だれでもかっこいい素敵な家に憧れます。

でも、いくらかっこよくても基本性能がなければ、もともこうもありません。

あまり大きな声ではいえませんが、住宅会社はそういう部分にコストをあまりかけない。なぜなら一般のお客様には見えないからです。

ある程度のものであればこれでいいでしょう、とする場合が多いです。

まぁある程度の性能があればいいのかもしれませんが、一般の方が知らない、見ることのない部分で、大きな差があるものがあります。

お伝えしたい物がたくさんある中で、今回は外壁の防水性能(雨漏り対策)の部材についてお話します。

目次

外壁の防水性能

外壁材はたくさんの種類があります。窯業系サイディング、ALC、モルタル、タイル張り等々さまざまです。

これらの中で全国的に採用率が高い外壁材は、窯業系サイディング張りです。

柄も色も無数にあり、施工性もよく、金額も高くない(高級サイディングもありますが)ので採用率は高いです。

このサイディングの防水性能について考えたことありますか?当たり前のようで室は当たり前でないことがあるのです。

窯業系サイディングの施工方法

窯業系のサイディングは板状の外壁材を躯体に対して、釘または専用金具でとめつけます。で目地をコーキング材(シーリングと呼ばれることもあります)で処理します(コーキングレス工法もあります)

一昔前は、板状の外壁材を表面から釘を直打ちして留め付けるのが一般的でした。

しかし最近は専用金具材で引っ掛けていくようなイメージで留め付ける工法が一般的です。この金具留め工法ですと、表面に出る釘が減らせ(完全にゼロではありません)見た目の向上がはかれます。

肝心なのはこの中です。

窯業系サイディングの防水性能

窯業系サイディングの防水に関しての基本的な考え方は、サイディング本体での一次防水、その下地での二次防水という考えです。

サイディング自体は雨を透過させませんので、防水性能があります。ですが目地の部分、この部分にすこしでも隙間があればサイディングの裏に雨が回ってしまうことになります。

サイディング材には耐用年数がありますが、コーキング材にも当然対応年数があります。(高耐候シーリング材という商品もあります)しかもサイディング本体よりも目地材の耐用年数は短く、サイディングは健全でもコーキングが先に劣化します。

その時にサイディング本体ではなく、裏側の二次防水がしっかりされていなければ、構造躯体に水がまわり雨漏りにつながるわけです。

二次防水

サイディングでの二次防水の役目をはたしているのが、防水シートと呼ばれるものです。

このシートはただ単に水を通さないだけではなく、躯体側の湿気を外部へ通してくれる役目のある透湿防水シートというものが使われます。(今回は防水性能の話ですので、透湿性能についてはまた次回お話します)

この透湿防水シートは、薄いシートです。カッターで簡単に切れるようなものです。

このシート、いろいろなものがあるのをご存知でしょうか?

どれも透湿防水シートとしてメーカーは販売していますが、商品によって性能は雲泥の差があります。

どこのメーカーのものとは言いませんが、しょぼいシートは本当にしょぼい。

新築施工時にはちゃんとしていても、経年劣化でものすごく悲惨な状態になるものがあります

 

昔、雨漏り現場の調査に同行したときがあります。サイディングを剥がして下地を見てみると、そりゃもう悲惨な状況でした。

シートがシートでなくなっていました。(写真がなくてすいません。手元に写真ありますがいろいろなことを考慮し公開しません)

すごく薄いゴザみたいな感じ。手で触るとボロボロ。もうこうなると防水性能なんてものはゼロです。

そのお宅も雨漏りの発見が遅かったため、雨水がこのボロボロの防水シートを通り越して躯体の木部の腐らせ、室内にまで水がおよび、カビが生える状態にまでなっていました。

このシートは違う!

ですが、今まで見てきたこの防水シートの中で、プロの私が自身をもっておすすめできるシートがあります。

それはデュポン社のタイベックという商品です。これは違います!

まず破れにくい。

他のシートとは違い、初めから破れにくいです。カッターでも当然切れるのですが、その粘り強さがちがうというか。

 

で、雨漏りではありませんが、増築リフォーム現場でサイディングを剥がした状態を見たことがあります。この物件は”タイベック”を使用していたのですが、ほとんど新品の状態といってもいいような綺麗な状態でした。

この家は雨漏りはしていませんでしたので、その面でのよごれは当然無いのですが、それにしてもきれいでした。

このときから私は窯業系サイディングの場合は、絶対にタイベックを指定しています。

この部材に関しては、住宅会社がお客様にどの部材を使用しましょうか?なんて聞くことはまずないでしょう。その会社の標準部材としてどこのシートを使うか決まっていて、いちいち聞くことは無いはずです。

ですが、この記事を見た方は住宅会社の方にぜひ聞いてみてください。

どこのメーカーのどのシートを使いますか?と。

たくさんの商品がありますが、しつこいですが私は”タイベック”しか使いません。もうこれ一択です。そのくらい違います。

このシートを使っているから雨漏りしませんとは言いません。しかしこのシートであったら防げた雨漏りはある、とは言えます。

後からは交換できない、見えなくなる部材です。こういうものにこそこだわりをもって建築されてはどうでしょうか?

裏話

実は建築業界では防水シートのことをタイベックと呼ぶ方が多いです。

これはタイベックが古くから発売され、昔はこの商品くらいしかなかった為、防水シート=タイベックとなったわけです。

その後、各メーカーが自社で防水シートを開発し(実は日本にこの防水シートを製造しているのは数社しかありません。各メーカーのOEM製品が多いです)安い商品が出回ったあとも、このシートのことをタイベックと呼ぶ人が多いのです。

ですが、先程述べたとおり性能の差は歴然です。性能もイコールではありません。

また、金額も結構違います。単価はいえませんが、おおむね数倍タイベックのほうが金額高いです。

でも、その価値は十分にあります

これから家造りするなら!

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