この記事は私の住宅屋としての過去の経験からお話します。
この記事がすべてのお客様に当てはまるわけではありません。しかし私の経験上80%くらいの方は当てはまると思いますので、あなたの家造りの参考にしてみてください。
一言で言うと、アクセントクロス選びに時間がかかる方は、生活し始めるときっと「ちぐはぐな家」になると言うことです。
住宅屋の私が、過去に接したお客様のお話です。
私はこの住宅業界に携わって25年以上になります。数百件の家造りに関わり、数え切れないくらいのお客様と接してきました。そのお客様から急に、どうもお久しぶりです!って電話がかかってきても、ん?誰だっけ?ってことは日常茶飯事です。(すべての過去のお客様を覚えていなくて大変申し訳ございません)
しかし、あっ あの人だ! ってすぐに思い出す方もいます。
すぐに頭に浮かんでくるお客様はものすごいキャラの強いお客様(打ち合わせが長かったとか、すごく値切られたとか)であることが多いですが、あとはものすごくこだわって分厚い壁紙のカタログと何週間にも渡って格闘したお客様も記憶に残っています。
先日も、街なかで突然出会ったお客様がそうでした。
あっ!〇〇さんお久しぶりです!いかがお過ごしですか?
ああ!お久しぶり!□□さんもお元気そうで!
そう言えば、もう10年以上経ちましたよね?家の点検どうですか?伺いますよ。
まぁ、特に気になるところはないけど、じゃあ点検お願いします。
えっと・・俺の家の場所は覚えてる?
大丈夫ですよ。あの△△通りのここですよね!
よく覚えてるよね!
新築のときは毎週のように夜遅くまで壁紙選びをお手伝いさせていただきましたから、○○さんは忘れません!
って、電話でやり取りしながら、後日そのお客様のところに訪問してきました。
しかし、その家に入ってまず私が感じたのは、
住み方にセンスがない!
あんなに考えたアクセントクロスなんてどこへやら・・・当然張ってありますよ。ちゃんと。
でもそのものすごく悩んで決めた壁紙の前に、どこで買ったかわからないセンスのない置物。誰に騙されて購入したか悲しくなる意味不明な絵画。統一感のないデザイン家電を置いたセンスのないキッチン・・・
新築時に壁紙はものすごく悩んだのに、住んでからのセンスは悩まないの?って思ってしまいます。(違ってたら申し訳ございません)まぁ、自分の家ですから、どう住もうが自分の勝手ですが。
でも、そんなふうにアクセントクロス選びに時間がかかる人は
自分の好きなものがわかっていない
から、だと私は思います。そういう人はいっそのことシンプルな壁紙の部屋にしたほうが、あとから付け足した自分の好きなモノが映える、ステキな部屋で生活できます。
Simple is the best という考え方
この言葉は何事も素朴で単純であることが一番である、ということですね。
なにも、アクセントクロスを全く張らないで真っ白い部屋にしてください!って言っているわけではありません。
必要なところに必要なアクセントをじっくり考えて配置してくださいね、ということであり、決めきれない方は間違いなく「ちぐはぐな家」になりますから、いっそのことサンゲツのSPシリーズの長期継続品の壁紙で決めたほうが間違いないということです。
冒頭で述べたお客様の家は、あっちもこっちもアクセント!って感じでものすごく悩まれたお客様でした。遊びに来た友達に見られてもスゴイ!って言われたいという思いが強すぎて、私のアドバイスも無視し、そのひとつひとつのクロスで自分が気に入ったアクセントクロスを場所も考えずに選ばれました。当然家全体の統一感はまったくない、パーツごとに自分が気に入ったものを並べただけの家です。住み始めてからもそうでしたね。わけのわからない置き時計、この場所にこの色のぬいぐるみを置きますか?っていう家です。
もう私の頭の中はパニックです。
アジアンテイストの壁紙の前に、プーさんのぬいぐるみは置かなくてもいいでしょう?
プーさんは悲しんでいます。せっかく黄色い体しているんだからもっといい置き場所あるでしょ?って。
参照記事 → 住宅のインテリアの考え方
コレいい!と思うモノや好きなものはコロコロ変わる
全ての方が当てはまるとは言いません。
しかし、初めて行った海外で、今まで自分が見たこともなかった小物にものすごく興味が湧くことありませんか?
で,予算が許せばだいたいの方は買って帰るでしょう?
雑誌やテレビで紹介されたグッズをみて、それいい!!って心動かされませんか?
もう、すぐにネットで検索してポチリますよね。
自分もそうですが、全てのコトを誰もが知っているわけではない、初めて見て新しく気に入るものが出てくるかもしれない。今まで知らなかったものに自分の興味が湧くことに気付くかもしれない。
アクセントクロスを決めきれない方はこの壁紙を家全体に張ってください。
アクセントクロスを決めきれない方は、家全体の壁紙をサンゲツのSP 長期継続品の SP-9521 を張ってください。壁も天井もすべての部屋にこれを張ってください。
長期継続品とは通常のクロスに比べ、長期的に生産される品番のことです。簡単に言えばロングセラー品です。ロングセラーになるということは大きな欠点がなく、万人に好まれる商品であるからロングセラーになるのであり、安心して採用できる物であると言えます。
おい!ちょっと待てよ。俺はアクセントクロスを考えてるんだよ!
って言う方もいるでしょう。そういう方は今すぐに、近くにあるApple Storeにいってみてください。AppleStoreでは、目立たせたい売りたい商品以外は、全く飾りがありません。壁なんて真っ白です。でもなにかとても洗練されてステキに見えませんか?さらに、商品がとても映える空間だと思いませんか?
アクセントクロス選びに費やす時間の代わりに、このApple Storeをヒントにしてインテリアを考えてみましょう。
シンプルな空間にあるからこそ、アクセントが生きる
サンゲツのSP-9521はものすごくシンプルです。オフホワイト色のコレといった特徴もない壁紙です。この壁紙を張った、なにもない部屋では殺風景です。しかし部屋の一角にステキな絵画や小物を飾ればそのアクセントが映えたステキな部屋になるはずです。
またシンプルな部屋であれば、自分の好みが変わっても容易に対応できます。冒頭で述べたお客様のような部屋にはならないはずです。
シンプルな生活のススメ
アクセントクロスを「コレだ!」ってすぐに決められる人は、自分のカラーがわかっている人です。そういう人は思う存分「自分の色の家」を作ることを楽しんでください。きっと誰が見てもステキって思われる家ができあがるでしょう。
でもアクセントクロスを「こっちもいいけど、あの柄もいいなぁ~」って決めきれない人は、間違いなく白一色の壁紙をおすすめします。無理してアクセントクロスを選んでも、きっと へんてこりんな家になります。
私はアクセントクロスがない家が、「つまらない家だ」 とは思いません。シンプルなものだからこそそのモノの本質が見えるはずです。家であればシンプルな真っ白い家であれば汚れもすぐに気付くし、メンテナンスが必要かどうかも判別しやすくなります。
アクセントクロスを考える前に、次は近所の無印良品のお店に行ってみてください。商品はシンプルであり包装も簡素なものですが、商品自体の本質は誰にでもわかりやすいはずです。パッケージでごまかしていない。
近所に無印良品のお店がない方や、お店に行くのがめんどくさい方は、下記の雑貨ショップをのぞいてみてください。きっと「アクセントクロスを無理して考える必要はない」と気付くはずです。
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