木造住宅の工程 中間検査とは? 検査官は何を見る?

こんにちは、腰痛になって丸一日歩けなかった建築士のmokotoです。

先日、施工中の木造住宅の物件で「中間検査」を受けました。

一般的に木造住宅の「中間検査」と聞くと、どういう検査をしているとイメージしますか?

あまり悪いことは言えませんが、私的には一般のお客様がイメージしている「検査」は、実際に行われている「検査」とちょっと違うのではないのかと思うのです。

私が言う「一般の方がイメージしている検査とちょっと違う」という言葉の裏には「建築士」という職業が関係しているのですが、この記事ではそのあたりを解説します。

目次

木造住宅の中間検査はいつ受ける?

木造住宅の中間検査は「特定工程」が完了した段階で行われる検査です。

その「特定工程」とは何かというと、屋根の小屋組工事及び構造耐力上主要な軸組みの工事 のことを言います。

「屋根の小屋組み工事」とは、簡単に言えば屋根を支えている構造体が組み上がった状態を言います。この下記のような状態になったときですね。

小屋組みが完了した状態

 

また「構造耐力上主要な軸組み」とは、その家の構造耐力上すなわち耐震性を確保するための構造体(柱とか梁とか)が組み上がった状態を言います。

これを簡単にいうと、スジカイや外壁面に打ち付ける構造用合板などが設計図どおりに施工され、その家の設計どおりの軸組みがすべて完了し、なおかつ容易に確認できる状態のときに検査を受けます。下記の写真のような状態です。

設計図どおりのスジカイなどがすべて施工完了した状態

中間検査で検査官は何を見る?

では、この中間検査時に検査官は何を見ているのでしょうか?

簡単に言葉でいうと、「建築されている部分が法に適合しているかを確認検査員が検査」しています。

ここまでは一般の方がイメージしている内容と、まぁあっているのではないでしょうか?

建築基準法

しかし、ここから下に書いてある内容が、一般の方がイメージしている「検査」とは違うのではないでしょうか?

中間検査の根拠は?

ここからが、一般の方がイメージしている事とちょっと違うと思います。

それは、検査する内容の根拠です。

お客様
え?法に適合しているかどうか見ているのだから、検査の根拠は法律なんじゃないの?
確かにそのとおりです。
しかし、先程述べた「建築されている部分が法に適合しているか」は建築士の責任で設計します。決して検査官が、法に適合しているかどうかを考えて設計しているわけではないということです。
お客様
しつこいですが、私が言いたい事は、検査官が現場で見るその設計図は「誰が書いていますか?」ということです。
一般の方はこう思っていませんか?
中間検査では、検査官が現場の詳細をその場でチェックし、法に適合するものかどうかを検査官が現場で考え、その場で参考文献などを見ながらチェックしている、と思っていませんか。
これは、ある意味間違いです。
言ってみれば木造住宅の中間検査とは、現場に来た検査官がその家を設計した建築士が書いた図面を見ながら、現場の施工がその図面通りに施工されているか照らし合わせているだけです。

スジカイ金物に規定どおりのビスなどが施工されているかのチェックは、現場監督の仕事

建築士の責任は重大

あなたの家を設計するのは建築士の仕事です。設計する際には法律を遵守し設計するのは当たり前です。建築基準法を初め、さまざまな法律を理解し、建築する場所に関する必要条件を考えながら、あなたの要望にあうような建物を設計します。

そして設計した図面は、公的検査機関(役所や民間検査機関)に提出し、許可を受けます。これを「建築確認申請」と言いますが、この際に検査期間が「法律に遵守した設計になっているかどうか」をチェックします。

ここで初めて第三者がチェックするわけですが、法律を守っていさえすればいいわけで、検査機関の方は「こうしたほうがより良いですよ」なんてアドバイスは一切しません。

つまり、例えば守らなければならないことが「100」だったとすれば、100以上の設計であれば検査を通過するのです。それが「101」であろうが「200」であろうが、法律を守っているのですから検査機関は何も文句は言いません。

で、その確認検査機関のチェックを通過した設計図を元に、中間検査でも建築士が作成した図面を見ながら検査官がチェックしします。

 

ここまで見ていただいている賢明な方はお気づきでしょうが、あなたの家を「101」で設計するのも、「200」で設計するのも建築士次第ということなのです。

制震ダンパーなどの法律に求められない要素を入れるかどうかは建築士の判断

建築基準法は最低のことしか書かれていない

日本の建築物は、「建築基準法」という法律を守って設計され、建築しなければなりません。他にも膨大な法律がありますが、最低限この法律は遵守します。

その建築基準法って、ものすごく分厚い本になるのですが、ぶっちゃけ「最低限の内容」しか書かれていません。

また、この「最低限の内容」で設計する建築士は、まぁ、いないのではないでしょうかね? その法律で求められる最低限の内容から、各建築士が「このくらいは・・・」っていう量を決め、設計しているのです。

その「このくらいは・・・」っていうのが、建築士の責任に委ねられていることであり、検査機関が「このくらいでどうでしょうかね」なんて言うことはありません。

 

過去に「耐震偽造事件」という前代未聞の事件がありました。これは木造住宅でなく大きなビルで耐震性を偽造した建築士が起こした事件ですが、当時はビビりましたね、私は。

よくもまぁ偽造できるもんだ、と。

この事件をきっかけに、地方の検査機関もピリピリしだしたのですが、ぶっちゃけて言います。

それ以前の中間検査や完了検査は「ザル」でした。

少なくとも私の周りの検査では「適当」という言葉で言い表してもいいくらいな感じでした。まだ若かった私でも「これでいいのだろうか?」って思うくらいの検査です。

当時のやり取りは今でも覚えていますが、こんな状態でした。

検査官
やぁ、〇〇さん!どうだね調子は?
いやぁ、忙しくて大変です。とりあえず検査をお願いします。

なんてやり取りをしながら、玄関先で雑談をして検査が完了していたこともあります。(つまり、検査官はなにも現場を見ていないということです)

さらには、「現場担当が〇〇さんならいいや、その現場には忙しくて行けないから、この電話で検査完了したことにしておくよ」なんてやり取りをしたこともあります。

建築士
今はこんなやり取りはありませんよ。検査官はちゃんと現場内を見てチェックしていきます。
まぁ、ズボラな時代があったもんですね。
でも、設計する建築士や現場管理をする建築士がしっかりとした仕事をしていたからこそ、その検査官はそのようなズボラな対応をしていたのかもしれませんけどね。

つまり中間検査とは・・・

私の過去の経験を話しましたが、つまり中間検査とは、「法律に遵守して設計した建築士の図面を元に、工程の途中の段階で現場の間違いがないかの答え合わせをしている」ということであり、決して「こうしたほうがいいよ」などという助言を現場で検査官が言うことはなく、建築士の責任に委ねられているということです。

もちろん、人間がやることですから間違いはあります。設計図面との相違がある場合は検査官が必ず指摘していきます。そしてその間違いを修正しなければ、それ以降の工程には進めません。

しつこいですが、あなたの家を「法律を遵守する為にこういう風に建築するんだ」って決めているのは建築士なのです。

 

どうですか? 「中間検査」のイメージが変わりましたか?

あなたの家を設計する建築士が、間違いのない建築士であることを祈ります。

 

 

 

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