壁クロスのひび割れに有効な下地施工方法

壁紙クロスのひび割れを防ぐ 新築時の室内壁下地「石膏ボードの施工方法」

事あるごとに壁紙クロスのひび割れ問題に直面している、建築士のmakotoです。

 

とある物件で、木造住宅の構造躯体の施工は完了し、壁や天井の下地材である石膏ボードを施工開始しました。

壁や天井に施工するビニールクロスの下地材は石膏ボードが使用されることがほとんどです。これは耐火性能を求めたり施工性の良さなどから採用されているわけですが、一般ユーザーからするとそんな下地材なんてどうでもいいよって思われるかもしれません。

しかし、あなたが住み始めてから目にする壁の仕上材をいつまでもきれいに見せるためにも、この下地材である石膏ボードの施工状況が大変重要です。

このような一直線のひび割れやヨジレは下地の石膏ボードが原因

ビニールクロスを張ってしまえば石膏ボードなんて完全に見えなくなるわけですが、その見えなくなる石膏ボードが原因で壁のひび割れなどの不具合を起こすことがしばしばあります。

言ってみれば石膏ボードなんてカッターでも切れるくらいですから、ひび割れを起こしても当たり前(しょうがない)という業者もいるでしょう。

しかし、施工方法を工夫すれば、完全には防げなくてもある程度はひび割れなどの不具合を防ぐことができます。

今回の物件では、私が今まで施工して、ひび割れ防止に効果があった方法で石膏ボードを施工しています。

この記事では、この現場の石膏ボードの施工状況を交えながら、ひび割れに対して有効な施工方法をご紹介します。

壁クロスのひび割れは、住宅会社にとって頭の痛い問題でありながらも有効な手立てをしない部分です。しかし、住んでいるお客様にとっては不愉快に思える不具合です。あとで後悔する前に、住宅会社さんへ「どのように石膏ボードを施工するのですか?」と聞いてみてもいいでしょうね。

一直線の壁のひび割れはなぜ起こるのか?

石膏ボードは一枚が 横910✕縦1820(2430または2730)mmの大きさのボードを、施工したい部分に合わせて切断し継いで施工していきます。(ちなみに石膏ボードは下地木材などへビス留めで施工するのが一般的です。)

つまり必ずどこかにジョイント部があるということになります。クロスを施工する際にはこのジョイント部にパテを施工し、段差を平滑に仕上げた上にクロスを張っていきます。

クロス下地用のパテはボンドではありません。コーキングのような弾力もありませんから、力が加われば簡単にボロっとしてしまいます。

一見すると一枚に見える壁も実は裏でジョイントされているのです。

構造材である木材の反りなどの歪みや地震などの大きな力が加わった際には、この一番弱い「パテ」の部分に歪みが起こります。これがクロスのひび割れの原因のひとつです。

真っ直ぐなひび割れは間違いなくボードジョイントが原因

また石膏ボードは表面材の紙がなくなると、ものすごく脆くなります。女性でも簡単にポリっと折れるくらい脆い。

つまり、石膏ボードは表面の紙がしっかりあることが重要だと言うこともを覚えておいてください。

壁の石膏ボードジョイント部は、なるべく力が加わるところを避ける

建物が揺れた際に力が加わりやすいところは、窓やドアなどの開口部の角や部屋の角です。

地震などの大きな揺れで、一枚の壁の中央部に大きな力が加わり「間違いのない方法で施工された石膏ボード」が割れることはありません。言い換えると、ボードの中央部が割れる前に窓やドアなどの角部分のほうが先に割れます。

よって、その力が加わりそうなところを避けて、石膏ボードをジョイントしていくことが有効です。

開口部周り

開口部の角を回り込むようにコの字状で張り付ける

写真のように窓の角部分を回り込むように、コの字状に石膏ボードを加工しビス留めします。

こうすることにより、一番弱い角部分の頂点が一枚のボードでつながっている状態になります。ゆえに、揺れなどの力に対抗できないボードジョイントのパテ部分を角部分を避けて施工することができます。

建築士
石膏ボードを耐力壁面材として計算している場合には、この方法で施工してはいけません。この施工方法ができるのは、あくまで「壁仕上げ材の下地」として石膏ボードを施工する場合だけです。

石膏ボードジョイント部に対して施工する部材

石膏ボードは必ずどこかで継がなくてはなりません。

横方向もそうですし、階段部や吹き抜けなどの縦方向もそうです。この弱い部分であるジョイント部に対して有効な手立てで施工しておけば、後々の壁クロスのひび割れをある程度防ぐことできます。

ジョイント部補強用の専用部材を使用する

石膏ボードジョイントに使用する補強金物があります。製造販売元は「奥地建産株式会社」という会社です。

商品はこのような薄い鉄板です。

せっこうボードジョイント T型

これをボードとボードのジョイント部の裏面に、ボードと木材で挟み込むようにしてビス留め施工します。そうすることにより、それぞれのボードが鉄板でつながったような状況になり、ボードごとの開きや揺れに伴うズレに対抗することができます。

使用する場所に合わせて、平型やL型のものもありますから、家中いろいろなところのボードジョイントに使用できます。

上下方向のジョイント部にせっこうボードジョイントを使用した状態

 

まとめ

今回ご紹介した方法で石膏ボードを施工している住宅会社はあまりないです。ローコスト住宅会社ではまずやらない。

なぜなら、手間とコストが掛かるからです。

コの字状に石膏ボードをカットすると、どうしても捨てる部分(くり抜いた残りの部分)が多くなります。ゆえに使用するボード枚数がたくさん必要になります。さらには、その捨てる部分(くり抜いた部分)を処分する産廃処分費が多くなる。

また、ボードジョイント金具も一本あたりの金額は安いものですが、家全体となるとまぁまぁな金額になります。

でも、後々のお客様の悩みを考えたら、安いもんだと私は思うのですがね・・・。

きれいに張られた石膏ボードは、この状態でも十分に美しい

 

 

 

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あなたが滿足できる住まいを手に入れるために、私は記事を執筆します。私の経験が少しでも有効活用されましたら幸いです。

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