2022年 家を建てるべきか、待つべきか?「資材ショック!」が及ぼす住宅への影響

資材ショック。住宅価格高騰は必至
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どうも!住宅業界に関わって早20数年の、建築士のMakotoです。

のっけから明るい言葉で記事をスタートしたものの、2022年に家を建てようか考えている方にとって、どうも⤵(テンション下がる)今年の新築住宅業界の雲行きが怪しくなってきました。

なにがって、2021年に起きたウッドショックが治まりきらない状況で、昨今の世界情勢に端を発した「資材ショック!」がじわじわと迫ってきたからです。

ウッドショックでだいたいの住宅会社は販売価格を値上げしており、坪当たりで数万円くらいは平気で変わってしまった2021年の住宅の坪単価。

建築士makoto

1970年代に起きたオイルショックになぞらえて、2021年に建築用木材が需要に追いつかず価格が高騰したことを「ウッドショック」と呼びました。
2022年はウッドだけに限らず、ありとあらゆる資材が不足し材料価格が高騰しているため「資材ショック」と表現します。

で、2022年に今起きている「資材ショック」がこのまま進行すると、そんな今現在の住宅の坪単価でさえ、安く思えてしまう時期が来るかもしれません。いや、絶対に来ます。残念ながら。

あまり知られていないでしょうが、木材はもとより、照明器具、住宅設備、建材(床材やドア、さらには石膏ボードまでありとあらゆる材料)、サッシ、外壁材、塗料、セメント、砂、防水材料、タイル、壁紙クロス、釘やビスに至るまで、もはや「値上がっていないものは無い」と言ってもいい住宅業界。

また、その資材の値上げ幅が尋常じゃない・・・

値上げ率5%なんて可愛いもので、中には30%以上の値上げ率の材料もあります。

2022年のこれから家を建てようかと考えている方にとっては、いつ、どこに、どのくらいの家をどこの住宅会社で建てるか?を慎重に検討し見極めないと、思いもよらない「高単価なお買い物」になるかもしれませんよ。

目次

なぜ、かつて無いほどに資材が値上がっているのか?

資材の値上げの理由は、2月下旬ころから世界を騒がせている「あの騒動」が関係しています。

その騒動自体に私がどうこういう立場にはありませんので、騒動の詳細については触れませんが、各メーカーからくる「値上げのお願い」と題した通達文書には、もれなくその関係性が書かれています。

例えば「セメント」。

あの国からセメントが輸入されているわけではありません。ではなぜ値上がるのか?

それはセメントを製造する工程で「石炭」が必要になることが関係しています。

その石炭の輸入元は騒動の国が関係しており、手に入りずらくなれば他の産地への切り替えをしますが、当然ですが世界も代替えの国へ目が向くわけで、そうなると需要が多くなり石炭の価格上昇に繋がるのは必然です。

セメントを製造する会社も原料の石炭が高騰すれば、セメントの価格に転嫁しなければやっていけなくなります。

もうこうなると、生コンの原料であるセメントを購入する生コン業者も価格を上げ、その業者から生コンを購入して基礎などを造る住宅会社も価格を考えなければならなくなる・・・。

で、最終的にはエンドユーザーである住宅購入者にそのしわ寄せが回ってくるという流れです。

おいおい・・・!

って言いたくなりますが、どの会社も赤字出してまで製品を売るわけにはいきませんから、こうなってしまうのでしょう。エンドユーザーはたまったもんじゃないですよね。

お客様

企業努力でカバーできないの?

と、思う方もいるでしょう。

かくいう私も、

「ふざけるな!そう簡単に値上げって言われたって限度があるだろ?給料が上がっていないのにエンドユーザーがそれを負担できんでしょ?」

「あんただって給料上がってないだろ?」

「そんな状態で急に値上がった家なんて買えるか?」

「買えんだろ?それじゃ企業努力せい!」

と、言っても仕方のない言葉を、各メーカー営業マンに浴びせているわけですが、その企業努力では賄えないくらいに資材が値上がっているのが現状なのです。

建築士makoto

建築資材に関わらず、食品やガソリンなどもじわじわ値上がっています。

高いだけじゃない!そもそもモノ(資材)が無い!

材料が高いだけならまだいいですが(良くはないけど)、そもそも住宅会社が製品をスムーズに調達できない状態も知っておく必要があります。

ちょっと前にYahooニュースに「給湯器不足で耐える冬」なんて記事が載っていましたが、これ、まだ解消していません。

給湯器だけじゃない、エコキュートも照明器具、トイレにいたるまで、納期遅延が起きています。

先日、びっくりしたのが「ビニールクロス」の納期遅延連絡。

クロス材料なんて「その日に発注すれば次の日には入荷する」のが当たり前と思っていましたが、言われた納期は3週間後。

?ええ?間違ってない?

って聞き直してしまいましたが、クロスメーカーもこのご時世で大量ストックをやめ、週ごとに生産する方式にしたため、たまたま私が発注した品番は3週間後の納期となってしまったようです。

全部ではありませんが、その「ストックのない品番」であった場合は、たとえクロス材料でも納期が何週間なんて回答がくるかもしれません。

建築士makoto

ちなみにビニールクロス材も、かつて無いほど値上がっております。今年の夏にさらなる値上げも?なんて噂もあります。
先日、クロス大手メーカーのサンゲツの社長サマの記事が、ネットニュースに載っていました。「このままでは業界総倒れになる」っていう記事です。

と、言ってもねぇ・・・。

2022年の家づくり 今後の予想(イチ住宅関係者として)

あくまで、地方の住宅に関わるいち住宅建築関係者としての見解ですが、今回の価格高騰の騒動はそう簡単には治まらないでしょう。

代替えの資材調達先は、世界の誰もが目を向けるわけですから、新しい市場へ需要が高まり、価格がそう簡単に回復するとは到底思えません。

4月の今現在は、まだ住宅価格に転嫁していない会社が大部分かもしれません。

しかし、半端ない資材高騰が及ぼす仕入れ価格への影響は、初夏以降にじわじわと住宅会社を蝕むはずです。2~3ヶ月辛抱すれば・・・くらいであれば住宅価格に転嫁せず、従来どおりの金額で建築することもできるかもしれない。

でも、大方の予想どおり、そう簡単には治まりそうもないこの騒動では、かなり長期に渡って資材の高騰が続くはず。

そうなると、どこの住宅会社も価格に転嫁せざるを得ないのは目に見えてます。

強いて言えば、購買力に力のある大手ハウスメーカーが、価格を据え置きして一番遅くまで耐え忍ぶかもしれない。

逆に、購買力のない地方の小さい工務店では、もろにその影響が出るはず。

これから住宅の購入を考えている方へのアドバイスは、

「一社だけで検討せず、必ず数社から見積もりをとること」

また、

「その住宅会社の経営状態をしっかり確認すること。売上が上がっていないのに変に安いのは怪しいと思え」

資材が高騰して高い材料が当たり前になる時までは、住宅会社が価格への転嫁時期の様子を伺うはずです。でも、体力のない会社はそうは言ってられないでしょうから住宅価格への転嫁も早いはず。

よって、今年の夏までは会社によってかなり価格のブレが出るのではないか?と予想されますね。

一生を過ごす自分の大切な家です。しっかりと情報を見極め、後悔しない家造りを目指してください。

建築士makoto

今までは、大手ハウスメーカーのほうが、地場の工務店よりも価格が高いのは当たり前でした。
しかし、今年の資材ショックによる影響は、購買力のある大手ハウスメーカーよりも、購買力の劣る中規模以下の住宅会社(工務店)のほうが影響は大きいです。
よって、その価格差は縮まり、思いの外、中規模以下の住宅会社(工務店)の方が高い場合もある?
あなたが、地場の住宅会社(工務店)に建築を依頼するつもりでも、大手ハウスメーカーの「見積もりだけ」でも見てみる価値は大いにありますね。

これから家造りするなら!

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