子育て世代の支援とカーボンニュートラルの実現に向けて、一定の条件を満たした住宅購入者に補助金が交付される「こどもみらい住宅支援事業」。
2022年はこの制度を利用して住宅を購入された方も多いかと思います。しかし、この魅力ある制度も期限が迫って来ました。(交付申請期限は遅くとも2023年3月31日まで)
そして、制度は知っているけど、マイホーム計画は来年だな・・・と思っていた方に朗報です。
現在のこどもみらい支援事業に続く事業である「こどもエコ住まい支援事業」などの創設が、令和4年度補正予算案として閣議決定されました。(2022年11月8日報道発表)
補助額は条件を満たした新築住宅の購入に対して「100万円/戸」。
2022年に引き続いて2023年もこういった制度を利用しない手はありませんよね。
補助金をもらう為には条件がありますが、要求される住宅性能は、もはや当たり前と言ってもいいくらいのレベルですし、もうひとつの条件である「子育て世代または若者夫婦」に当てはまる方は積極的に利用したい制度です。
この記事ではこどもエコ住まい支援事業について、現段階でわかっている概略を解説します。
こどもエコ住まい支援事業は令和4年度補正予算案の成立を前提としています。成立した時点がホントの意味でのスタートですが、今回の記事では概略を解説します。
この記事は新築住宅向けの内容です。リフォーム工事の補助事業は別記事で解説します。
こどもエコ住まい支援事業の目的
制度の目的は国土交通省から発表された内容に、下記のように書いてあります。
エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世代・若者夫婦による、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世代・若者夫婦等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る
国土交通省ホームページより
なんかまどろっこしい役人らしい言い方ですが、要は、住宅購入メイン層である若い方に補助金を交付するから、ZEH(ゼッチ)基準以上の省エネ性能をもった住宅を建ててね!、ということです。
で、日本として2050年のカーボンニュートラルを実現しなきゃならないってこともあるし、今後は省エネ住宅がもっと当たり前になり、他の産業も合わせて、日本全体の温室効果ガスの排出を全体としてゼロに近づけましょう、という内容です。
いずれにしろ補助金が交付されれば嬉しいことですよね。
でも、省エネ性能を満たす住宅ってハードル高くないの?
昔から日本の住宅の断熱性能は海外の住宅に比べかなり低いと言われています。
確かに、数年前の基準から考えればちょっとだけハードルが高かったかもしれません。しかし昨今の日本の住宅は国が目指すとおり年々性能が高まっており、近年のハウスメーカーや地域の工務店が標準としている住宅省エネ性能からすれば、まったくハードルは高くないと思います。
よって、「子育て世代」の条件さえクリアすれば、ほとんどの方がそれほど苦労せずとも対象となるはずです。
対象となる住宅は「ZEH(ゼッチ)住宅」です。
ZEH住宅とは、太陽光発電による電力と省エネルギー設備(エコキュートなど)の設置、外皮(断熱材とサッシなどの開口部のこと)の高断熱化により、生活で消費するエネルギーよりも創出されるエネルギーのほうが上回る家のことを言います。
どの住宅会社もZEH基準をクリアしているのが当たり前になってきました(一部のローコスト住宅は除く)。
こどもエコ住まい支援事業は誰が対象者?
対象となる住宅購入者は、注文住宅の新築を行う者と分譲住宅を購入する子育て世帯と若者夫婦世帯です。
- 子育て世帯 18歳未満の子を有する世帯(令和4年4月1日時点)
- 若者夫婦世帯 夫婦のいずれかが39歳以下の世帯(令和4年4月1日時点)
残念ながら私は年齢的に対象者ではありません・・・。
でも、憧れのマイホームを検討している方は対象となる方が多いのではないでしょうか?
ちなみに所得制限はありませんよ。
こどもエコ住まい支援事業の補助金はいくら?
2022年のこどもみらい支援事業では、段階ごとに区別され最大100万円の補助金がもらえました。
しかし、こどもエコ住まい支援事業では段階がなくなり、一律100万円/戸となりました。
条件を満たした住宅購入者に一律 100万円/戸
こどもエコ住まい支援事業の対象期間は?
当たり前ですが、対象となる期間があります。いつまでもいいってわけではありません。
2022年11月8日(閣議決定された日)以降に契約を行い、申請をおこなう事業者(住宅建築業者)が本事業の事務局開設日以降に着工した住宅。
上記の内容に書いてある「本事業の事務局開設日」は2022年12月中旬を予定しているとのことです。
よって、注文住宅の契約は11月9日に行ったけど、工事を11月下旬とかから着工するような住宅は対象とならないので注意が必要です。(おそらく、一般的にはそんなに早く着工しないでしょうけど)
また、申請は登録した事業者(住宅会社)が行います。住宅会さんがほとんど行ってくれるでしょうからお客様は要求された書類に記載するなり、必要な書類を申請者(住宅会社)に提出するだけです。
終了日は、遅くとも2023年12月31日までの交付申請となっています。
こどもエコ住まい支援事業の補助金はどうやってもらえる?
100万円もの補助金がどうやってもらえるのか? これって無茶苦茶重要ですよね。
答えは、「補助金の受給者は申請事業者」です。
え?どういうこと?
と、思われた方もいるかもしれませんが、つまり、補助金全額分が住宅事業者から還元される仕組みです。
現実的には、住宅購入価格からの値引き(補助金額)されるのが多いかと思います。
補助金を申請するにも書類をつくる事務作業などの業務が必要ですから、住宅会社さんからは「補助金申請業務費」などの名目の費用と第三者機関による証明書取得手数料などが計上されるはずです。(費用は住宅会社によって異なる)
よって、100万円が還元されますが、実質的にはそれら必要経費がかかりますのでご注意を。
こどもエコ住まい支援事業の補助金は他と併用できる?
国土交通省から発表された資料にも記載がありますが、併用できない補助金もありますので注意が必要です。
また、他の補助金を狙ったほうがお得な場合もありますので、詳しくは住宅会社さんに聞いてみるといいでしょう。
- 住まい復興給付金
- 外構部の木質化対策支援事業
- こどもみらい住宅支援事業
- 地域型住宅グリーン化事業
- ネットゼロ・エネルギーハウス実証事業
- 戸建て住宅ネットゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化等支援事業及び集合住宅の省CO2化促進事業
地方の工務店などで住宅を建てる場合は地域型グリーン化事業のほうがいい場合があります。工事を依頼される住宅会社さんに詳細に相談してみましょう。
まとめ
国土交通省の概要を詳細にみると、対象となる住宅の要件に下記のことも書いてあります。
- 延床面積が50㎡以上の住宅が対象
- 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく土砂災害特別警戒区域に立地しない住宅
- 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの
無いとはいいませんが、だいたいが50㎡以上の住宅でしょうし、土砂災害警戒区域には建築しないでしょうけど念の為書いておきます。
様々な要因で高騰している住宅価格。そんな時代に結構な金額を補助してくれる支援制度ですから、誰だって嬉しいはずです。
そして、より省エネ性能の高い住宅で暮すとなれば、住み始めてからの光熱費も少なくて済みます。
また、省エネ住宅は健康的な生活にもつながる。
これからマイホームを計画する方は、こういった制度をフル活用して、あなたにとって満足できるマイホームを手に入れてみてください。