ウッドショックそして資材高騰・・・2022年後半の住宅価格はどうなる?

ウッドショック資材高騰 2022年の住宅価格
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去年の春先から始まったウッドショックにより、木造住宅に使用する木材価格はとんでもない価格にまで高騰してしまいました。

去年は価格がどんどんと高騰し一体どこまでいくのか?みたいな感じでしたが、今年に入ってからは高値安定という感じで一向に価格が下る気配がありません。

そこへ来て最近の世界情勢からくる物価高に伴い、他の資材にまで価格高騰が及んでしまい、いまや住宅の価格は2年前のゆうに200万円~300万円オーバーなんてのが当たり前になってしまいました。

住宅購入を検討している方にとってはたまったものではありません。

そんな2022年ですが、どうも今年の後半から来年にかけて木材価格は下る傾向にあるようです。

この記事は住宅施工者である私の耳に入ってきている情報を中心に、これからの住宅価格はどうなるか?を書いてみます。

目次

木材価格は下降気味?

2年前には考えられなかった価格にまでなった木材ですが、来年にかけてまでは価格が多少落ち着いてくるようです。

先日、打ち合わせしたプレカット業者担当者さんも、私のところに来るなりいきなりこんなことを喋りだしました。

プレカット業者

建築士makotoさん!これからは木材価格を今まで以上に協力しますので、どんどん発注お願いしますね!

建築士makoto

今日はなんでそんなに売り込んできたんだい?

プレカット業者

いや~今まで値切られることに対しては渋い顔していましたが、限度はありますがこれからはぜひご協力させてください!

今までほとんど価格については交渉の余地すらないみたいな態度だったくせに、こんなにも価格を協力してまで発注がほしい理由を聞いてみました。

そして、打ち合わせを進めるうちに、悩ましい日本の木材事情が浮き彫りになってきました。

木材が有るくせに”無い”、無いくせに”有る”?

日本にはたくさんの森や林がありますね。

去年のウッドショックは、海外からの木材輸入原価の高騰が原因で日本の市場に出回る木材が高騰しました。

その時も「国内にある森からどんどん木を切ればいいのでは?」なんて思った方も多いはずです。

元々、日本の住宅に使われていた木材はかなりの割合で海外産のものでした。日本の木材自給率は約4割で海外から入ってくる安い木材に対して、国内の木材価格ではとても太刀打ちできなかったからですね。

ウッドショック後も、海外から木材を調達する業者は、当然ですが木材輸入事業をあさっり辞めるわけにはいきません。値段交渉をしながらも高い木材を買い続けてきたわけです。

そして、国内の木材業者はというと、ここぞとばかりに増産体制に入りました。

そりゃそうですよね。その時点では国内産の木材価格が高騰する理由は無いわけですから、高くなってしまった海外産木材に太刀打ちできる状況になりつつあったからです。

もともと、国内の林業に関わる職人さんは少ないですから、そうは言っても急激には増やすことはできません。じわじわとやって、国も国内産の木材に転換する際には補助金を出すような政策まで出し、どんどん国内産の木材を使いましょう!的な風潮になっていったのです。

でもですよ。

海外木材を扱っている業者だって事業を継続しなければならないし、海外の輸出業者だって日本に買ってもらいたいのです。

つまり、今となっては日本国内に海外産の木材やら国内産の木材のストックが十分にある状況になってしまったのです。

そこへ来て、今度は木材以外の資材高騰の波が押し寄せます。

住宅購入者が減っている

生活用品やら食料品、ガソリンに至るまでありとあらゆるモノの価格が高騰していますね。

例に漏れず、住宅建築に使用する木材以外の資材も価格高騰しました。

壁紙クロス、フローリング、設備機器、外壁材、サッシ、電気配線部品、水道配管資材、その他すべてのメーカーが今年に入ってから10%以上の値上げを発表しています。

単純に考えれば住宅建築に必要な資材の価格が10%以上値上がったわけです。

といっても日本国内の景気も上向かない状況ですから、高額商品である住宅を購入しようと思う人は当然ですが減ります。

また、ウッドショックによる価格高騰は一般消費者にもニュースで伝わり、いわゆる買い控え状態でもあるのも事実です。

つまり、日本国内の住宅需要が確実に減ってしまったわけです。

売りたくても需要がない、となると・・・

最初の話で、「日本国内の木材ストックが十分にある状況になった」と言いました。

そこへ木材を大量に使用する住宅需要が減ってしまったらどうなるか?

そうですね、どんどん入ってくる海外産の木材、増産している国内産の木材、これらの行き場がなくなってしまったのです。

海外から輸入する業者はコンテナ船を動かして木材を日本に運んできます。そして港に一時ストックする。

運ぶ、保管する、これどちらも結構なコストがかかります。

またコンテナ船は定期的に決まったサイクルで運んでいますから、輸入している業者も「当分いらないね」なんて軽々しく言えないのです。一度止まってしまえば正常に戻すのがかなりシンドイことになるからです。

つまり、どんどん定期的に木材が入ってくるくせに、保管費用のかかる港にある木材が一向に減っていかない。

こうなると、「もう安くてもいいからどんどん出せや!」となります。

でも住宅の需要が少ない・・・。

買ってくれる住宅会社もあまり元気がない・・・。

もうわかりますね、この記事の最初の方で書いた、プレカット業者が意気揚々と木材を買ってください!と言ってきた理由が。

住宅価格に反映されるのか?

9月22日の新聞にも記載がありましたが、国内の大手木材会社が10月に価格を下げると発表しました。

去年の今頃は、毎月と言ってもいいくらい値上げの話をしていた業者がです。

お客様

それじゃ、住宅の価格も下がりますね!

と、思う方もいるかもしれませんが、残念ながらお客様が購入する住宅の価格は当面下がることはないと思います。

なぜなら、どこの住宅会社もウッドショックから始まり最近の資材高騰によって高くなった建築コストを少なからず負担し、耐え忍んでいる状態であり、木材以外の資材高騰が半端ない状態であるからです。

また、住宅需要が減ってしまった今では、数多くの受注も期待できません。

そうなると一棟あたりの利益を確実に確保し事業を継続していかなければ会社の将来がないのです。

木材価格が下がることによって、住宅会社はコーヒーを一杯飲めるくらいの一息がつけるといったところではないでしょうか。

さらなる資材高騰のメールが届く

いい加減にせえや!と言いたくなりますが、今日また主要外壁材メーカーから”価格値上げのお願い”なる内容のメールが届きました。

このメーカーですが、今年の7月に値上げを発表したのに再度の値上げです。

このメーカーに限らず、複数回の値上げを発表しているメーカーはいくつもあります。

本当にいい加減にせえや!と言いたいですが、メーカーだって必死です。

その商品を作る原材料が高騰しているのは当たり前ですが、運搬するために必要な燃料も高騰しているのですから当然と言えば当然です。

でもねぇ。。。

本当に家なんて「高嶺の花」のモノになってしまい、ちょっと頑張って自分の家を持とう!と思う方の夢を打ち砕くような時代になっちゃうのでは?と思います。

そこへ来て最近の円安傾向。

資源国ではない日本の各資材業者の仕入れコストは、今以上にもっと上がっていくはずです。

そして、諸事情により国内での価格が下げ傾向にある輸入木材も、円安の影響を受け仕入れコストに影響が出るのは必至です。

こうなってくると一業者だけじゃとてもではないけど対応できないですから、国が動いてもらうしかない。

頼みますよ・・・岸田総理大臣!

建築士makoto

正直言いまして、住宅会社ごとの景気も、「それなりに良い会社」と「悪くなってきた会社」と両極端になってきたように思います。
住宅を購入する方へのアドバイスとすれば、一社だけに絞らず、複数社に話を聞き、見積もりを出してもらうことです。
コストも重要ですが、将来にわたってお付き合いできる会社かどうか、しっかり見極めることが大切です。

これから家造りするなら!

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