ふと気付いたら25年も住宅に関わる仕事をしていた私、建築士のmakotoです。
まぁ、思うんですよね。それいらんでしょ?そんなにこだわって採用しても間違いなくどうでもいい住宅設備っていくらでもある。憧れはわかるけど、あなたの生活スタイルを考えて採用しなければ、お金の無駄遣いで終わります。
お客様に面と向かっては言えませんが、今回は「お客様に言われた、付けたけど必要のなかった住宅設備」をご紹介します。
この記事で書いている事は、私の主観ではありません。住み始めたお客様から言われた「住んでみたら必要でなかった」ことです。
もう一度言います。
憧れは理解できます。しかし、本当にあなたにとって必要な住宅設備ですか?
必要以上に多いコンセント
「住宅にはコンセントは多い方がいい」って書いてある記事がたくさんあります。
でもね、一部屋に4つも要ります?
部屋の4辺全ての壁にコンセントを要求してくる方がいらっしゃいますが、お住まいになられてから訪問すると、ほとんどの場合(全部と言ってもいい)使用していないコンセントがあります。
家具の裏になって、そもそもコンセントに差せなくなっていたり、存在を忘れていたり・・・
タンスを置くのは、いくらなんでも建築中からでも想像できたでしょ? 私もあれほど言ったのに・・・
リビングのシーリングライトの回りにあるダウンライト
まぁ、付けなくなります。
シーリングライトの回りに4個設置する、「補助的な目的のダウンライト」って絶対につけなくなる。
なぜか?
人間、明るい空間のほうがいいからです。
映画好きな方でもそんなにしょっちゅうリビングで映画なんて見ないです。よっぽど映画みたいのなら寝室でプロジェクターを装備できるようにしたほうがいいですよ。
リビングにどうしてもダウンライトがほしいのなら、シーリングライトはやめて、全てダウンライトでの照明計画を考えてみてください。
宅内LAN
目的があればいいんですよ。
「ネットで高画質な動画みたい」とか、「仕事上どうしても安定した通信が必要」とかね。
でも今どき、Wi-Fiでしょ?
スマホだったりタブレットだったり。パソコンだってノートパソコンでWi-Fi接続するでしょ? ホテルじゃないんだからいちいちLANケーブルささないはずです。
床暖房
あれほどデメリットを私がお伝えしても、憧れだけで採用された床暖房は絶対につけなくなります。
温まるまでに時間がどうしてもかかる床暖房。
さらによく考えてみてください。夫婦共働きであまり家にいない家族構成では、どうしたってすぐに温まるエアコンをつける。もしかしたら日本人は「こたつ」かもしれない。
「床暖房があるリビングに絨毯敷いてその上にこたつ」よく見る光景です。
無垢の床
お手入れが嫌いでなければいいんです。
お手入れが出来ない方は、素直にノンワックスフローリングを採用したほうがあなたの為です。
ガビガビになった、ワックスもかけていない無垢のフローリングは悲しいものです。
それじゃ、経年変化で飴色に変化した床じゃなくて、汚くなって薄汚くなった床ですよ、それは。
珪藻土の壁
珪藻土には調湿効果や消臭効果が期待できます。
またビニールクロスにはない、塗り壁ならではのぬくもりがおすすめですね。
でもね、どうしたって年月とともに傷や汚れがついてきます。それが経年変化の味と思うのですが、これを「味」と思えない方は、珪藻土の壁は潔くやめたほうがいいですよ。
些細な傷やひび割れ、クロスのように表面がツルッとしてませんからどうしたってホコリもつく。それを気にするあまりさらに傷がつく。
もう悪循環です。
廻り縁レスの天井
廻り縁がダサいというのは理解できます。
天井と壁の境にある「廻り縁」。確かに古臭いデザインです。モダンでスッキリしたインテリアには廻り縁は不向きです。
でもね、意味があるんですよ、廻り縁っていうものには。
クロスも乾燥収縮によって継ぎ目などにスキが出来てきます。これは職人さんの腕が悪いとかそういう問題じゃない。だれがやったって出るもんは出る。
そのスキを目立たないようにしてくれるのが廻り縁です。
ちょっとの隙間でも許せない方は、間違いなく廻り縁を施工してください、お願いです。
中途半端なカウンター
目的があればいいんです、これも。
目的があれば必然と必要な大きさって決まるはずでしょ?
でも、なんとなく憧れで、なんとなくおしゃれだから、なんとなく・・・・で取り付けられた中途半端なカウンターは、間違いなく荷物置き場になります。
お客様がきても、片付けなければとても見せられないカウンターになるのは目に見えてます。
ニッチ内の照明
ニッチは否定しません。一個あるだけでもその空間のアクセントになってくれますから、お部屋がぐっとおしゃれに見えますね。
でもね、そのニッチ内にある照明はいつスイッチオンします?
間違いなく自分たちしかいない時なんて、ニッチ内に飾られたアイテムを照明で照らす必要はないでしょ?
で、「お客様がくるからニッチの照明をつけて!」なんて言うのは、初めの一ヶ月だけです。
どうしてもほしいのなら、その部屋の照明とスイッチを一緒にするべきです。そうすれば部屋の照明をつければ必然的にニッチ内の照明も付きますからね。
ウッドデッキ
全てのウッドデッキを必要の無いものと言うわけではありません。
必要以上に広いウッドデッキ、あるいはものすごく中途半端なウッドデッキ、これらはどちらも使わなくなります。
そんなに広いウッドデッキで何します?
まぁアウトドア的なことをしたいのなら、間違いなくウッドデッキ上に屋根を付けてください。夏は熱くていられませんから。
ジェットバス
あればいいですが、たまに使うからいいね!って思うのかもしれません。
ジェットバスを付けた方に聞いてみると、だんだん使わなくなって、一年もすると存在すら忘れ、使わないうちにいつの間にか壊れ、修理しようと思ったらものすごい修理代!
初めのオプション金額も高いけど、修理代も高かった!っていうのが実情です。
調色機能のついた照明器具
今どきのLED照明では、光の色を簡単に変えることができます。
新聞読むときは白っぽい光で、雰囲気のある空間にしたいときはオレンジ色の光に、なんてことが簡単にできます。
でもね、そのうちにどっちかしか使わなくなります。
一般的に読み書きするときは明るいほうがいいわけで、逆に寝室なんて明るくないほうがいい。
まぁ、使わなくなりますね。
浴室換気乾燥暖房機の乾燥機能
ユニットバスのオプション品である浴室換気乾燥暖房機。浴室のカビなどを防ぐために乾燥させる為の「乾燥機能」はいいでしょう。
しかし、衣類を乾かす為の「乾燥機能」はあまり期待しないほうがいいですよ。特に100Vタイプ。
衣類を乾かす為に取り付けたいのなら、200Vタイプかガス式のパワーのあるものでなければ、間違いなく後悔します。
そして換気機能しか使わなくなります。
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