対面キッチン みなさん憧れますよね。実際作業もしやすいですし、キッチンで料理していてもリビングで遊んでいる子供が確認しやすく実用性に富んでいるプランです。その対面キッチンプランのキッチンスペースの寸法について今回は考えていきます。意外と注意しないところで後で後悔するかもしれません。
王道の対面キッチンプラン
これが一番多い対面キッチンプランの間取りではないでしょうか?
16畳〜18畳くらいのLDKの片面に、壁芯々寸法2,275mmでキッチンスペースを取りリビングダイニング側へキッチンを向けたプランです。対面キッチンで一番多いプランで、実際使い勝手も一般家庭では全く支障がありません。建売住宅にも採用されるプランです。
この壁芯々寸法2,275mmという図面だと、実際の作業スペースはどのくらいになるのでしょう?
実際の作業スペースを考えて!
実際の作業スペースの寸法を出すには、壁の厚さとキッチンの奥行き等をマイナスした数値が実際の寸法となります
計算式 2275ー650(キッチンの奥行き)ー130(一般的な在来木造として)=1495mm
建築はmm単位で考えますが、一般の方には馴染みがうすいでしょう。1495mmとはつまり1m49cmということです。
ここからさらに食器棚の奥行きもマイナスしましょう。
1495ー450(食器棚のおおよその寸法)=1045 → 1m4cm
つまり、キッチンと食器棚との間(実際にキッチン作業するスペース)は約1mということになります。まぁ十分です。
この寸法が広すぎても使いづらく、狭すぎてもだめです。これがちょうどいい寸法です。
(イメージがわかない方へ ちなみに日本の住宅の一般的な廊下の有効幅は約78cmです。廊下の幅よりも20cmちょっと広いことになります。どうです?イメージわきます?)
ここで注意ポイント!
冷蔵庫の奥行きは70〜90cmくらいに注意!
一般的な住宅におかれる冷蔵庫の奥行きはおおよそ70cm前後です。薄型冷蔵庫と言われる65cm以下のものもありますが、それでも食器棚よりも20〜30cm位奥行きが多いことになります。
ここで下記の画像を御覧ください。
奥に食器棚、手前に冷蔵庫をおいたプランです。
なんか狭くね?って思いません?
そうなんです。この配置パターンでの、実際の冷蔵庫からキッチンまでの間の寸法は狭いんです。
計算式 2275ー650(キッチンの奥行き)ー130(一般的な在来木造として)ー700(冷蔵庫の奥行き)=795mm
先程、廊下の幅は約78cmと言いました。ほぼその寸法と同じです。
上記の計算式は冷蔵庫の裏に隙間を開けないとしての計算です(実際は5cm以上開けますよね)よって実際は更に狭く、70cmくらいになることになります。
これは狭いです。
キッチン作業するだけなら問題ありませんが、キッチン作業しながら冷蔵庫開けるのは当たり前で、その際にもちょっと窮屈!また作業している人ともうひとりの人が通るなんて場合はかなり狭いです。
この間取りであれば冷蔵庫はここに置こう!
上記の寸法が狭いからと言って、壁芯々寸法の2275mmを広げるのはおすすめしません。
なぜか?
キッチンと食器棚との間の寸法が広くなりすぎるからです。先程この食器棚との間は1mくらいと言いました。この寸法がもっと広がってしまうと、今度は食器棚の中のもを取るのがちょっと遠い。
よって私のおすすめ冷蔵庫位置は下記の位置です。
図面上の A の位置へ冷蔵庫を置きましょう。そうすれば問題解決です。
一番奥の勝手口前でもいいんですが、冷蔵庫が一番奥というのも使いづらい(冷蔵庫だけに行きたいときにちょっと遠い)
当然ここの位置へ冷蔵庫を置く場合は窓の位置も考慮してください(工務店の方が言ってくれるでしょうが)
しかし、このパターンのデメリットもあります。
リビング側から冷蔵庫が丸見えになる
そうなんです。せっかく対面キッチンで、キッチン作業面がリビングから見えづらくなっているのに、生活感丸出しの冷蔵庫が丸見えになってしまうんです。そこがちょっと難点ですが狭いよりかいいはずです。
それが嫌ならば、この間取りではなく違う間取りを検討しましょう!
では、また次回も住まいづくりの参考にしてもらいたい細かいポイントを検証していきますのでお楽しみに。
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