家造りスタート!。施主の初めの仕事は自分の好みを明確にし、私の家づくりノートを作ることです。

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さて、そろそろ自分の家を持ちたいなぁ〜って思って、いきなり細かい情報集めから始める方がいます。家造りの雑誌を読み漁り、特定の商品について一生懸命調べたりすることです。

光熱費に優れた家を作ろう!とかメンテナンスに有利な建材はどれだろう?という感じに。

確かに光熱費が安い家であるに越したことはありません。そして家は必ずメンテナンスが必要ですから長持ちする建材を選ぶのも有効でしょう。しかし自分が気にいった家でなければ、そもそも何も愛着がわかないはずです。

家でなくてもなんでも同じですが、愛着がある物であれば多少の欠点も許せるし、愛着がない物であれば誰もがどうでもよくなるもの、ではないでしょうか?

注文住宅の施主の仕事の中で一番最初にやることは

自分の好みはどういう家(モノ)なのかをしっかり見極めること」

であると、30年近く住宅建築に携わってきた私は思います。

目次

家づくりの情報集めは後回しでいい

建築士である私のところに初めて訪れたにも関わらず、やたらに設備に詳しい方が来ることがあります。

お客様

このキッチンがすごく気に入ったから、コレを採用してください!

こういう感じに、家の中のパーツから家造りをスタートしているお客様がいます。

自分で一生懸命調べたんでしょうね。
このお客様と打ち合わせを進めていくと、この方にとってご要望のキッチンは必要ないのでは?高機能なキッチンもいいけどあなたの趣味を活かすこういう間取りはどうですか?と勧めたら、あっさり要望が変わることも多いです。

 
 
お客様
そうですね。あのキッチンは必要なさそうです。進めてもらったキッチンのほうが安いし、私の趣味が思う存分できる間取りでお願いします。

と、言う感じになり、今まで自分で一生懸命調べた資料はまったく意味のないものになってしまいます。

原因は自分の好みや好きな事よりも、いい家を作るんだ!っていう気持ちが先行して、いきなり情報集めに走ってしまったからです。

注文したい「自分の好み」はどういう物なのか?

先程のお客様は、料理をあまりしない方でした。
失礼な言い方ですが、料理をしない方がキッチン周りの光熱費(ガスコンロ、食洗機、エコ水栓など)なんてそれほど重要視しなくてもいいのではないでしょうか?

そのお客様がはじめに持ってきた要望のキッチンは、最新式のガスコンロとセンサーで開閉する食洗機が搭載された高級なものでした。見た目も大変立派なものです。
きっと家づくりを失敗しないぞっていう気持ちが先行し、様々な媒体(雑誌や商品広告)を見ているうちに、最新の機器に憧れ雑誌に掲載されたかっこいい見た目に影響されたのでしょう。

よくよく聞いてみると、その方の趣味はアウトドアでした。
一概には言えませんが、アウトドア好きな方はあまり室内にこもらずに、例えば自宅の庭でもバーベキューを楽しみたいくらいの気持ちがあるのではないでしょうか?バーベキューを楽しむとなれば、キッチンよりもウッドデッキや庭造りにコストをかけたほうが、よっぽど自分が幸せになるはずです。

まずは、自分の趣味や好きな事を思い返してみてください

車好きな方、ガーデニング好きな方、料理が好きな方、書道を習っている方、ピアノが得意な方、ヨガが好きな方、誰でもなにか好きな事(趣味)あるはずです。

ヨガをしている風景

一生涯住む自分の家で、大好きな趣味が思う存分できたらステキではないでしょうか?専用の場所でなければできない趣味もあるでしょうが、なにか趣味に関係する小さなことでもできる空間があれば、自分の家に対する満足度は変わってくるはずです。

次に自分が心地よかった場所を思い出してみてください

おじいちゃん家の純和風住宅、近所の韓国料理屋、自分がいつも買い物する雑貨屋さん、素敵なレストラン、宿泊した近代的なホテル、囲炉裏のある居酒屋、どこかで自分が「ここいいなぁ〜」と思った空間が必ずあるはずです。

囲炉裏の写真

たまに行くからステキに感じるということもあるでしょうが、やっぱり自分が好きなものに囲まれて生活できれば、おウチ時間も長くなるはずですし、自分の家に対する満足度も向上するはずです。

思い浮かばない人は、今の自分の身の周りにあるものを見てみる

読書やマンガが好きな人はたくさんの本が身の周りにあるはずですし、植物が好きな方は自然と観葉植物を飾っているはずです。

あるいは常に持ち歩いている小物でもわかるかもしれません。ピカピカなものばかりであればモダンな家が好きなのかもしれませんし、ビンテージ物ばかりであればモダンな家は好まないのかもしれません。

ステキな食器と観葉植物

イメージができたら、ノートなどにまとめることを忘れずに

どの雑誌でもいいですから、自分が気に入った画像をスクラップしておくのは有効です。頭の中で思い描いているだけではなく、実際に目で見てわかるものにすればイメージが鮮明にわかるものです。

一冊の ”私の家造りノート” を作るのもいいですが、スマホやパソコンのアプリで管理するほうが手っ取り早いです。おすすめするのはMicrosoftから出ているOneNoteというデジタルノート。

OneNoteとは、ノート上に写真を残すことも、手書きでメモすることも、タグを付けて管理することもできる万能なデジタルノートです。自分が書いたページをキーワードで検索することもできますから、これから始まる家造りの最中にノートを見返すことも簡単にできます。

Microsoft OneNote
Microsoft OneNote
開発元:Microsoft Corporation
無料
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最後に、新築住宅で過ごす生活をイメージしてみる

平日は子供が学校へ行った後に洗濯をする、日中は友達とウッドデッキ上でお茶を飲む、子供が帰ってきたら一緒に宿題をやる、夜は家族揃ってお気に入りのテーブルで夕飯を食べる、という感じです。

週単位で考えれば、週末は夫婦でガーデニングをやる、家族揃って近所をサイクリング、友達を大勢集めてバーベキュー、など新築住宅での自分の生活をイメージしてみる。

カウンターのあるダイニング

このようにイメージすることによって、新築に求める間取りもなんとなく候補が出てくるはずです。
例えば、子供と一緒に宿題をやるのであればLDKの一角にスタディコーナーを作ったほうがいいでしょうし、友達が大勢集まるような家であれば、広いリビングとそこに繋がるウッドデッキなどがあれば活躍するでしょう。

”私の家造りノート”をプロに見てもらう

これでおおよそのあなたの家造りノートの第一章ができました。次はこの”私の家造りノート”を住宅のプロにみせてください。

建築家でも住宅会社のスタッフでも、言葉で聞くよりもあなたがまとめた脚本(写真やラフな手書きの絵でもいいです)を見せてもらったほうが、ストレートに思いが伝わります。

 
 
建築士makoto
なるほど!あなたは古民家が好きで友達も多く、週末は大勢な友達が集まって楽しめる家がほしんですね?

って言う感じに、住宅のプロはあなたの家づくりノートにあったプランを考えてくれるはずです。

まとめ

注文住宅を購入する施主がはじめにやるべき仕事 

  1. 自分の好みを明確にメモする
  2. 自分が心地よいと思った空間をメモする(画像でまとめる)
  3. 思い浮かばない人は自分の身の回りにあるものを洗い出してみる
  4. 新築住宅での生活をイメージしてみる(言葉でも簡単なスケッチでもOK)
  5. 私の家造りノートをプロに見てもらう

家造りで失敗しないためには、はじめが肝心です。”私の家造りノート”の第一章を、今回の記事の内容で作ってみることをおすすめします。

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