あなたが住宅を購入しようとするときに、住宅会社のスタッフの中で初めにやりとりするのは営業マンです。
今回の記事では、その営業マンの行動で住宅会社の本質を見極めるポイントを、現場監督と設計及びリフォーム営業まで経験した建築士が解説します。
いい営業マンに出会うかどうかは、実際のところ運であるのかもしれません。
またダメな営業マンであっても会社がしっかりしていることもあります。また、その逆のパターンもあるでしょう。
しかし、あなたの家がそこに何十年とある限り、自分の家を建築した住宅会社とのお付き合いはずっと継続するのです。
人間ひとりではなにもできません。どんなにいい営業マンでも全てのアフター対応を1人ではこなせません。
あなたが生涯満足する住宅会社かどうか、契約をするまでの短い期間で見極めなければなりません。
組織のしっかりしている住宅会社の本質は、営業マンの行動にでます。
今回の記事を参考に、あなたにとって良い住宅会社と巡り会えることを切に祈ります。
住宅営業マンを他の職業に例えるならば、あなたの家造りというオーケストラの指揮者である
オーケストラには大勢のスタッフがいます。ヴァイオリンやビオラ、ピアノや打楽器を演奏するプロの人々。この大勢の演者を指揮をする人が、最も前方の中央に立っています。
ダメな指揮者のオーケストラでも、なんとなく演奏は進行するでしょう。
そして、指揮者が楽器を弾けるのかというと、全てのオーケストラの楽器を弾ける指揮者はまずいないのではないでしょうか?(楽器を弾けることにこしたことはありませんが・・・)
私は音楽に詳しくありませんが、指揮者にとって大事なのは、楽器が弾けなくてもそれぞれの楽器の発声原理を理解していることだと思います。だから、素敵なオーケストラの演奏ができるのではないでしょうか?
家造りも同じです。
ひとつの住宅会社の中にも多数のポジションの方がいますよね。
設計士、現場監督、積算担当者、経理担当、そして営業担当者と、それぞれが自分の担当業務をこなしてお客様に住宅を提供しています。
営業担当者は建築士のように細かい建築基準法は知りません。大工のように器用に道具を使うこともできません。
しかし、これらのその道のプロ達を指揮し、お客様の家造りの最前線の中央に立って仕事(お客様の家造りサポート)をするのが住宅の営業担当者です。
で、それぞれの業務を誰に依頼するのか理解していない(またはできない)会社の営業マン(指揮者)では良い住宅を提供できるわけがないのです。そのような営業マンがいる会社も然りです。
オーケストラの指揮者が、いきなりチェロを弾き出しますか?
指揮者がチェロを弾きだしたところで、素敵なオーケストラにならないのは目に見えてますよね。
それぞれのパート(設計士や現場監督)に素敵な演奏(設計や現場管理)をする演者がいて、それぞれがプロの仕事をこなし、お客様の前で大勢の人を指揮する人(営業マン)の行動を見れば、オーケストラ(あなたの家造り)の出来栄えが見えてきます。
組織がしっかりしている住宅会社の営業マンは、コレをやらない
組織がしっかりしている住宅会社の、営業担当者がやらないこと(できないこと)を3つおしえます。
住宅会社を営業マンで見極めるポイントです。
①組織のしっかりしている住宅会社の営業マンは、図面を書きません
え~!住宅会社の営業担当なんだから、図面(間取り)くらい書けないの?
って思う方もいるでしょう。間取りをつくる(設計する)というのはそんなに簡単なものではありません。
そして、優秀な営業担当者であり組織のしっかりしている住宅会社では、裏にいる優秀な建築士に設計を依頼します。営業マンが自ら図面を書きません。
はじめのヒアリング時に、営業マンがフリーハンドで簡単な間取りぐらいは書いてもいいでしょう。
しかし、次の打ち合わせ時に、「この図面は私が書いてきました!」と意気揚々と図面を持ってくるような営業担当者のいる会社は、プロの設計士がいないのかもしれません。
プロの図面を書く設計士がいてこそ、間違いのない、お客様の要望を取り込んだ間取りが提供できるのです。
②組織のしっかりしている住宅会社の営業マンは、積算(見積もり)ができません
え~!!図面は書けなくても、営業なんだから積算くらいやってないの?
って、またまた思う方もいるでしょう。(簡単な見積書は除きます)
積算とは、見積書をつくるにあたり、その住宅で使用する部材を拾い出し、その上でどのくらいの施工費がかかるのかを細かく計算する仕事です。これもそんなに簡単な仕事ではありません。
まず、現場を知らなければ住宅に使用する部材なんて正確に拾えません。
現場を知らない人にとってみれば「どこにどのような部材がいくつ必要なのか?」なんてチンプンカンプンでしょう。
このプロの積算の仕事をこなす担当者(積算担当)がいてこそ、正確な見積書と言えます。
もし、現場をしらない営業マンが見積書を作っていたのなら、その見積書は間違いなくどんぶり勘定です。また積算担当者がいないのかもしれません。
③組織のしっかりしている住宅会社の営業マンは、死物狂いで仕事をしません
は?何を言っているの?俺の家造りは死物狂いで仕事をしてくれよ。
何を言っちゃてるの?って思うかもしれませんよね。
大丈夫です、いい営業マンはお客様への仕事も100%で応えてくれます。
しかし、「なんかこの営業マン、余裕かましてるな?」って思う人いるでしょう? そういう営業マンには自然と仕事が来ているから余裕なのです。
住宅会社でいうと、過去のお客様からの紹介です。
もし、あなたが依頼した住宅会社に不満があるのなら、その会社を知人に紹介しますか?
満足いく住宅であれば、きっと知人にも紹介するでしょう。あの会社いいよ!あの営業マンいいよ!ってね。
人によって満足するポイントはまちまちでしょうが、アフターサービスがよくない会社では間違っても紹介は生まれないはずです。
営業担当者、設計する建築士、現場管理した監督、アフターサービスの担当者と、どれかがひとつでも不満が出るような対応であったのなら、お客様からの紹介は生まれないはずです。
つまり、紹介受注の多い住宅会社の営業マンは死物狂いで受注を取りに行かなくても、自然と仕事が舞い込んでくるのです。よって営業マンも余裕で仕事をこなせ、その住宅会社は組織がしっかりしていると判断できるひとつの要因です。
もう一度言います。組織がしっかりしているからこそ、営業マンは余裕で仕事をこなせるのです。
良い住宅会社かどうかは、営業マンの行動をみればだいたい分かる
営業マンが図面を自分で書いて持ってきた、営業マンが自分で積算して見積書を持ってきた、なんかいつもせかせか仕事をしている、どれかが当てはまるような営業マンであったのなら、なにかが欠けている住宅会社であるに間違いありません。
逆に、全てあてはまらないようであれば、少なくともその住宅会社の組織は最低限しっかりしていると判断してもいいでしょう。
でも、結局は人です。
どんなにしっかりした組織の住宅会社であっても、なにか行動をするのは人です。
この記事が、新築住宅を計画するあなたが、いい担当者と満足できる住宅会社に出会う参考にして頂けましたら幸いです。
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