住宅には様々な建具が使用されます。
引き戸、片開き戸、折れ戸など用途にあった建具を選びたいものです。
その建具の種類の中で、特殊な中折れ戸というものがあります。
この建具の注意ポイントをご紹介します。
中折れ戸とは?
中折れ戸とは、扉が2枚に折れて開閉するタイプのドアです。
これが中折れ戸です。
途中で折れて開きます。
普通の片開きドアでは、手前側に扉本体が開いてきますが、この中折れ戸では手前側に出っ張る扉の出幅が少なくすみます。
よって開閉スペースが少ない場所、普通の片開きドアでは出っ張りすぎるし、片引戸では設置できない間取りなどで使用されます。
全開にするとこんな感じ。
全開にしても手前側に出っ張る扉の出幅が少ないのがわかります。
扉を閉めた状態ではこんな感じ。
閉めたときは特に特徴はありません。
ここまで写真を見ていただいた方はなにか気になりませんでしたか?
先程の全開にした写真をまた見てみてください。
中折れ戸は扉が折れて開くものです。ゆえに全開にしたときの建具本体は扉2枚分の厚さがでているのです。当たり前ですが。
ということは、有効開口幅が狭くなるということです。
このドアですが、トイレなどに使用されることが多いですが、トイレのドアは幅が狭い(640mmくらいのもの)ものが使用されることが多いです。中折れ戸も幅の狭い同じ640mのものがあります。
この幅が狭い中折れ戸を使用した場所の有効開口幅を測定してみました。
扉のツラからドアの戸当り(枠の中央部の出っ張り)部分までの幅が約480mmでした。
有効開口幅が48cm!!!狭い!
このドアにも取っ手がありますから、取っ手の出っ張りからの有効開口幅は約40cmくらいしかありません。
さすがに40cmは狭いです。体格のいい方では間違いなく体を横にしなければ通ることができません。
せっかく出っ張りを少なくして、スペース効率を考えて中折れ戸を採用しても、有効開口幅が狭くては本末転倒のような状態です。
出っ張りを考慮して中折れ戸を採用する場合は、幅が狭い(640mm)タイプではなく、中折れ戸は通常の幅のタイプを採用されることを強くおすすめします。幅が740mmのタイプであれば、単純に考えて有効開口幅が100mm増えるわけです。といって中折れ戸の特徴の出っ張りの少なさはそれほど変わりませんから、この建具を採用する目的も問題なく対応できるはずです。
普通の片開きドアや片引戸のほうが開閉もしやすいですが、この中折れ戸を採用しなければならない方は、ぜひ参考にしてください。
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