一般の方は見ることがない床下の世界 

あまり見られない住宅の床下建築士のツブヤキ

先日、依頼を受けまして築2年の方の床下チェックに行ってきました。持ち家であっても床下に潜ったことのある方なんていないでしょうね。床下がどうなってるかお見せします。

ベタ基礎の床下

最近の一般住宅はほぼベタ基礎構造と言ってもいいでしょう。ベタ基礎とは家の床下すべてをコンクリートを打設してある構造のことです。もちろん鉄筋をちゃんと組んでです。そのコンクリートの下には、防湿フィルムというのが敷き込んである。そうすることによって、耐震性も向上し、床下からの湿気も防いでくれる基礎の作り方です。

昔は、このようなベタ基礎ではなく(昔と言ってももう20数年前になりますが)布基礎という構造が一般的でした。柱、土台の下にしかコンクリート基礎はなく、いわゆる底の部分は土または砂利敷きが一般的でした。その布基礎の床下点検は過酷でしたよ!砂利の上をはいずって進んでいくのです。ホコリはあるし暗いし、湿気はあるし。

でも最近のベタ基礎の床下点検は、点検者からすれば雲泥の差です。コンクリートですからコロコロがついている台車に寝転がって、ツイーと進んでいけます。

あ!すいません。床下の快適さをのべる記事ではありませんでした・・・

まぁ、点検者に快適ということは家にもいいということで。まずはこの写真を見てください。

ベタ基礎の床下

非常にきれいな床下です。2年経過している建物の床下です。土台、大引きの木材も何の問題もなく、これらを支えている鋼製束も整然と施工され問題ありませんね。

言い忘れましたが、最近の基礎には通気口はありません。ではどうやって床下に空気を入れているのか?それは基礎の真上の土台との間に見える黒い物体。そこに通気ができるスリット(空気の出入り口)があり、そこで換気しています。

これが建物全周にあるわけですから、風がある日は床下にいると結構風を感じます。これのおかげで床下は常に換気され、湿気ともさよならというわけです。

問題の写真一枚目

床下チェック項目

まず床の断熱材がちょっと下がっている。一般的にボード系の断熱材は専用ピンで支えます。それがちゃんと施工されていなから下がっているんでしょうね。で他のところの断熱材も釘で支えられている。

想像するに、専用ピンがなんらかの理由で足りなく、しかたなく釘で支える施工をして、十分に留めていない部分があるから下がってしまったという状態かと思います。

まぁ、ちょっとくらい下がったからといってなにか問題があるのか?と言う人がいそうですが、問題あります

壁の断熱材(グラスウール)もそうですが、ピタッとして、下地材となるべく隙間なく施工れてこそ断熱材は効果を発揮します。この写真の状態だと少なくとも隙間はできているはず。ゆえに断熱材の性能を発揮していません。

また釘で留めてありますが、釘の先っぽしか木材に刺さっていません。床上でドカドカなにかしたら、ぽろっと取れてしまうことも考えられます。やっぱり専用ピンでの施工が望ましいです。

問題の写真2枚目

完全にアウトな写真

これはもう完全にアウトです。失格です。

ちょっと分かりづらいですが、床下点検口周りを床下から見上げている写真です。断熱材と木材の間に完全に隙間があります。

これでは断熱材が無いも同然。

まとめ

一見するときれいに見えたこの建物の床下も、よーくみるとマズイところがありました。

床を施工するのは職人さん、チェックするのは監督さん、その両方が床を施工するときにずっと見ながら施工するなんてまずありません。

まずは大工さんのモラル。

これは技術とかそういう問題ではありません。だって断熱材はカッターで誰でも綺麗に切れるし、ピンの施工もごく簡単な作業です。施工する人間のモラルです。

床施工時に床下にわざわざもぐってチェックする監督さんも稀でしょう。建物完成時に床下チェックする会社は多少あるでしょうが、あまり一般的ではない。

床を施工したら、あとはもう床下点検者か、白蟻駆除業者、あるいは設備職人がもぐって見られるまで、だれにも見られない、封印された空間とも言えます。

こういうところにその会社の心意気が見えるものだと私は思います。


明日は基礎の鉄筋検査の依頼が来ています。なにかあるか、また一般の方もチェックできるポイントをご紹介します。

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