
「おぁ!凄いですね、こんなにキレイなイメージ図がよく書けますね?やっぱり建築士の人ってすごいなぁ・・・。」
と、先日お客様に言われました。
でもね、ぶっちゃけこのイメージ図書くのにそんなに凄いことしてませんよ。だって書いてくれるのはパソコンですから。
言ってみれば、ただ単にぽちぽちマウスをクリックして入力するだけ。
誰だってできます、住宅のイメージパース図作成の操作はね。
住宅用イメージパース作成業務って・・・
下図があれば住宅用イメージパース図作成の入力業務は流れ作業です。慣れてくればものの1時間でイメージパースは出来上がる。
机に座って流れ作業のようにマウスを動かす。ただそれだけ。
ものすごく高度な計算や操作をしてるんじゃない?って思う方もいるかもしれませんが、操作自体は誰でもできるレベルのことです。
言ってみれば「デジタルお絵かき」。

少なくとも私は、3D建築用CADを操作してイメージパースを作っている時間は「楽しくてラクな時間」なのです。
でも、その裏では・・・
これは人によるでしょうけど、パソコンのCAD上で設計を煮詰めていく人と、事前に紙に設計図をラフで描き、だいたいまとまった状態でパソコンへ入力をする人がいます。
私はパソコン上で設計を煮詰めていくタイプですが、

住宅の設計っていろんな法律など遵守する事を考えながらやらなければならないから、やっぱりすごく時間かかってるでしょ?
と、思われるかもしれません。
答えは、正解です。
イメージパース作成自体はものの1時間で終わる仕事だけど、その裏では詳細な検証をしなければ住宅の建築はできません。
- 壁量計算
- 採光計算
- 斜線制限
- 用途地域による建ぺい率・容積率
- その他法令
- もちろん、お客様のニーズも!
壁量計算とは、ものすごく簡単にした「構造計算」です。構造計算って言葉を使うのは恥ずかしいくらいに超簡単に計算する手法です。
四号特例と言いまして、住宅の2階建て以下ではこの超簡単な構造計算が認められていて、ほとんどの住宅が「壁量計算」で申請を出しています。
またまた、ぶっちゃけると壁量計算もパソコンが自動でやってくれます。昔は手計算でやっていましたが、今の時代「手計算」でやる人はいないはず(もし、いたらゴメンナサイ!)
パソコン上でここにスジカイ、ここは構造用合板、って感じでピコピコ入力するだけ。入力が完了したら「量」と「バランス」を考えるんですが、だいたいの木造住宅であれば、
足りているかどうかや、バランスがいいかどうかは、ぱッと見の「勘」でわかるんです。いわばパソコン上の壁量計算で確認するだけ。
この家ならここにスジカイ入れたいな、こっちにないとダメだなとかね。
それ以前にこんな思考をしなくても、自然と壁量計算が足りる大まかな間取りは出来上がるのです。
安心な家を造るには耐震等級の取得をオススメしますが・・・
こんなもんですよ、木造住宅(2階建て以下の場合)の耐震設計って。
ものすごく高度な計算なんかをやっているように思われるかもしれませんが、やっていることは簡単な「チェック程度」です。
世の中のほとんどの木造住宅がこんな簡易なチェックで設計されているんです。
まぁ、それでも安全側によった「大まか」でありますから問題は無いですが、それでもなんかなぁ?って思いませんか?
これを回避する方法は、住宅会社さんにこのように依頼してください。



耐震等級を取得したいです
そうです。耐震等級を取得すれば自ずとしっかりとした計算で耐震設計されます。
またここで注意ですが、耐震等級の取得と言っても緻密な構造計算を行う「許容応力度計算」をやって取得する耐震等級と、仕様規定で取得する手法がありますから注意が必要です。
これはどちらも耐震等級の取得になるのですが、やってることはまったくの別物です。当然ですが緻密な計算を行う「許容応力度計算」を行うほうがいいに決まってます。
きれいな「絵」にごまかされてはいけません


自分でイメージパース図を書いていながら何なんですが、やっぱりイメージパース図って誰でも見た目で「良し悪し」が判断できるんですよね。
ださいイメージパースよりも、イケてるイメージパース図を見せられたほうが、そりゃ家が欲しくなりますよね?
まぁ、住宅会社はそこを利用して契約につなげる一面もありますから、安心安全な住宅を求めるのであれば「見た目」にごまかされてはいけませんよ。
誰だってかっこいい家がほしい。素敵な家がほしい。でもね、ある意味家族の生活を造り、そして家族を守るのも家なんですからしっかりとした判断軸を持って家づくりを進めてください、と私は思うのです。
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